『バレリーナ』火炎放射器バトル用に新型火炎放射器を開発 アナ・デ・アルマス、専門家も焼く

映画『ジョン・ウィック』シリーズ最新作『バレリーナ:The World of John Wick』(全国公開中)の目玉である火炎放射器バトルでは、撮影用に新型の火炎放射器が開発されていたという。スタントコーディネーターのジャクソン・スピデルとステーヴン・ダンレヴィが Den of Geek に明かした。
【撮り下ろし写真】圧倒的な美しさ!来日したアナ・デ・アルマス
伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)の古巣である犯罪組織「ルスカ・ロマ」で育てられた女性暗殺者イヴ(アナ・デ・アルマス)の復讐劇を描く本作。創造力豊かなイヴは、スケート靴、食器皿、日本刀など周囲にある物を武器にして敵を抹殺する。中でも、火炎放射器をぶっ放し、殺し屋たちを容赦無く焼き払うアクションバトルは、映像のスケールを含めて観る者を圧倒する。
火炎放射器バトルは、ほぼ全てが実際の炎を用いたスタントだったといい、ダンレヴィは「安全かつ現実的に行える新しい方法を模索しました。スクリーンに映る人物は全員、実際に火炎放射器で燃やされています」と証言する。
安全に火炎放射器を扱うためには、膨大な時間をかけて準備する必要があった。「普通の映画製作であれば、そこに時間を割こうとは思いません。しかし、『ジョン・ウィック』チームは常に最狂スタントを正しく実現できるように、監督が十分な自由を与えてくれました」とダンレヴィは振り返る。
そこで、撮影には炎に詳しい専門家ジェイソン・ドメニコが招聘された。ドメニコは、新型の耐火ジェルを開発して、火炎放射を受けるスタントマンの安全を確保。また、シーンによって火炎放射器の種類を使い分けたといい、従来のガス式や高威力の燃料式のほか、近距離用の可燃性パウダーを使った新型火炎放射器も開発された。スピデルも「花粉のような粉末が燃えるんです。聞いたこともなかったです」と驚くほどのハイテク機材だったという。
また、ドメニコはスタントマンとして本編にも出演しており、イヴに火炎放射器で焼かれる犠牲者のひとりを演じた。雪の中、アナから何度も炎を浴びせられたそうで、撮影現場で見学していたスピデルは「彼は『開発者であり被験者でもある』と言っていました」と笑いながら語った。
イヴ役のアナは、リハーサルで初めてスタントマンに火をつけた瞬間、あまりの衝撃に泣いてしまったといい「人に意図的に火をつけるなんて、普通じゃないですから」とダンレヴィ。火炎放射器バトルの撮影は8日間かけて行われ、スタントマンは合計187回も炎をまとったが「全員が自力で家に帰りました」と事故なく撮影が終わったことを報告している。(編集部・倉本拓弥)


