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K-POP×悪魔狩りで世界席巻!Netflix映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は何がスゴいのか

日本でも人気急上昇!『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』より
日本でも人気急上昇!『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』より - (c) 2025 Netflix

 K-POPグループを題材にしたNetflixアニメーション映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』が、世界中で社会現象的なヒットを巻き起こしている。同プラットフォームの映画として史上最多視聴記録を更新したほか、数々の記録を打ち立ててきた。本作はなぜこれほど多くの人を魅了するのか、あらためて考えてみたい。(文:大山くまお)

【画像】歌って踊るキュートな3人組!『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』

配信&劇場公開で1位!世界的ヒットの現状

(c) 2025 Netflix

 『KPOPガールズ!』のメガヒットぶりを振り返ってみよう。Netflixで配信が始まった6月20日から2か月以上が経過したが、グローバルランキング(映画部門・英語作品)では現在も1位を快走中。北米にとどまらず、世界66か国で1位を獲得し、累計視聴数は2億5,400万回を突破しており、『レッド・ノーティス』を抜いて歴代視聴回数1位の映画作品となった。また、8月22日と23日の2日間限定で劇場公開されたシングアロング版(応援上映)は、全米ボックスオフィスランキングで首位を獲得する快挙を達成した。

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 サウンドトラックも驚異的なヒットになっている。8月30日付の米ビルボートチャートでは、劇中に登場するユニット「HUNTR/X(ハントリックス)」の「Golden」が首位を獲得。同じく「Saja Boys(サジャボーイズ)」の「Your Idol」(4位)と「Soda Pop」(5位)、HUNTR/Xの「How It’s Done」が10位にランクインしており、同じ週に4曲が同時にTOP10入りを果たした。これはサウンドトラック史上初の快挙だ。配信サイトSpotifyのグローバルランキングでは、TOP10に5曲がランクインしている(8月22日~28日)。

 日本での人気も火が付きつつある。Netflixの「今週の映画TOP」では、最近になって上位にランキングするようになり、HUNTR/XとSaja Boysの曲を街で耳にすることも増えてきた。今後、本格的な人気になっていくのではないか。

イ・ビョンホン、アン・ヒョソプら豪華声優陣

Ricky Middlesworth / NETFLIX

 『KPOPガールズ!』のストーリーはシンプルだ。K-POPグループ「HUNTR/X」として活躍するルミ、ミラ、ゾーイは、人間の魂を狙うデーモンたちと戦うデーモンハンターとしての顔も持っていた。ファンに応えてスタジアムでパフォーマンスを披露しながらデーモンを倒し、さらに新曲「Golden」を発表するという忙しい日々を送る3人。そんな中、K-POPボーイズグループ「Saja Boys」が登場して爆発的な人気を得るようになる。実は彼らはデーモンの手先だった。こうしてHUNTR/X とSaja Boysの戦いが始まるーーというもの。

 制作は『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を手がけたソニー・ピクチャーズ・アニメーション。声優としてイ・ビョンホン、ドラマ「パートナートラック」に主演したアーデン・チョー、「社内お見合い」などのドラマで人気を博したアン・ヒョソプらが参加。監督は、本作が初めての長編作品となる韓国系カナダ人のマギー・カンと『ウィッシュ・ドラゴン』などのクリス・アップルハンズが共同で務めた。KPOPや韓国の伝統文化を取り入れたストーリーと設定は、カン監督の発案によるものだという。

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実力派K-POPアーティストの参加

(c) 2025 Netflix

 なんといっても『KPOPガールズ!』の魅力の中心は楽曲の数々だ。

 BIGBANGBLACKPINKを手がけたプロデューサーのテディ・パーク(通称:TEDDY)率いる THE BLACK LABEL をはじめとするK-POPのトッププロデューサー陣が楽曲制作に参加。aespa などの楽曲を手がけてきたボーカル・プロデューサー兼アレンジャーのEJAE、R&Bシンガーのオードリー・ヌナ、ラッパーのレイ・アミがHUNTR/Xのボーカルを務めている。また、エンドクレジットに登場する「Takedown」のボーカルをTWICEジョンヨンジヒョチェヨンが担当した。映画にK-POP風の音楽を使っているのではなく、K-POPそのものを使用していると言えるだろう。

 ディズニー・アニメーション映画『アナと雪の女王』でも「レット・イット・ゴー」をはじめとする劇中歌がヒットに大きく貢献したが、『KPOPガールズ!』でも同様のことが言えるだろう。口コミとSNSで支持が広がった、バイラルヒットであることも共通している。

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視聴者の心に響く楽曲の魅力

(c) 2025 Netflix

 それぞれの曲の魅力をもう少し掘り下げてみよう。HUNTR/Xの「Golden」は「自分の居場所が見つからなかった」という女性が「もう隠れはしない」「今こそみんなで羽ばたく時」と歌うエモーショナルな楽曲。登場人物たちの目的を示しつつ、二つの出自を持つことに思い悩むルミの内面も表現し、さらに視聴者を勇気づける歌詞になっている。シングアロングしたくなる楽曲である一方で、とても真似できそうもないハイトーンも聴きどころ。

 Saja Boysの「Soda Pop」は、BTSの「Butter」を意識した楽曲で、とにかく感染力のある曲づくりを目指したという。歌詞の目的はひたすら「誘惑」のみという振り切り方だ。人の魂を糧にしているデーモンたちが「空っぽの僕を君で満たして」「君がすべてさ一滴残らず飲み干す」と歌っているのが面白い。正体不明の男たちについていくと、痛い目に遭うということか。

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 このように『KPOPガールズ!』の楽曲は、それぞれ完成度が高い上、すべてストーリーやキャラクターの内面と結びついている。だからこそ、より強く視聴者の心に響くのだろう。

日本アニメからの影響も?魅力的なアニメーション表現

(c) 2025 Netflix

 ダイナミックかつポップなアニメーションも、本作の大きな魅力の一つだ。3DCGは革新的な表現よりもコミカルな表現に重きが置かれており、「美少女戦士セーラームーン」をはじめとする日本のアニメに影響を受けたと思しき絵柄崩しも楽しい。ちなみにゾーイ役のボーカルを務めたレイ・アミは「セーラームーン」の大ファンで、彼女の名前もキャラクターに由来している。一方で、アクションシーンは非常に緻密かつダイナミックに表現されており、そのギャップも楽しい。

 韓国文化を基本として、女性が活躍する映画を作りたかったと語るカン監督だが、世界的なK-POPをはじめとする韓国カルチャーへの興味と女性の活躍を求める時流に見事に合致したことが、爆発的なヒットの背景にあるだろう。それと同時に二つの出自を持つルミの悩みや仲間との友情、許されないロマンスなど、普遍的な要素もふんだんに盛り込まれている。だからこそ、世界的な規模で広い世代に受け入れられているのだろう。続編や実写リメイクなどが企画されているというが、この後どのような展開を見せるか楽しみに待ちたい。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』Netflixで独占配信中

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