広瀬すず「スッと紐がほどけていく感覚」二階堂ふみとの共演に「刺激的な時間」

女優の広瀬すずが6日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた主演映画『遠い山なみの光』公開記念舞台あいさつに、共演の二階堂ふみ、吉田羊、鈴木碧桜、石川慶監督と共に登壇。海外で高評価を得た作品が、いよいよ日本で公開されることに感無量の表情を見せた。
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本作は、カズオ・イシグロが太平洋戦争終戦直後の長崎と1980年代のイギリスを舞台に描いた長編デビュー小説を、『ある男』などの石川慶監督が映画化したヒューマンミステリー。戦後にイギリスに渡ってきた長崎出身の女性・悦子(広瀬)の数奇な運命を描く。
カンヌ国際映画祭「ある視点」部門への選出をはじめ、上海国際映画祭、さらにはトロント国際映画祭、ロンドン映画祭への出品も決まっている本作。広瀬自身も海外映画祭へ赴いていたが「カンヌから始まり、海外の方に観ていただく機会が多かったので、やっとこうして日本で公開され、日本の方に物語を知っていただける」と無事封切られたことに感無量な表情を浮かべる。
海外からの反応も耳にしているという広瀬は「人によって見え方や解釈は違うという物語。観終わったあと、どのように伝わるのか興味があったのですが『映画を観て、聞こえなかった声が聞こえてくるような感覚になった』という言葉を聞いたときは、すごくズシっときたというか『なるほど』と思って嬉しかったです」と笑顔を見せる。
劇中、二階堂演じる佐知子と対峙するシーンが多い。二階堂が「とても頼もしくて、現場では常にずっしりといてくださったので、安心して現場に臨むことができる。本当に頼りになる座長です」と絶賛すると、広瀬は照れ笑いを浮かべ「この物語を自分で咀嚼していくなかでも、佐知子さんの前にいると、スッと紐がほどけていくような感覚がありました。この役は二階堂さんしかできないだろうなという説得力と、圧倒的な存在感を目の前で見させていただき、とても刺激的な時間でした」と語っていた。
この日は、佐知子の娘を演じた鈴木が登場。広瀬、二階堂、吉田、石川監督に感謝を込めて花束を渡すと、広瀬に向かって「本当に演技が上手で『早く広瀬さんみたいに演技が上手くなりたい』と思いました」と語りかけ、広瀬は「ありがとう」と目じりを下げていた。
広瀬は「当時の長崎を生き抜いた女性たちの姿が自分事のように感じられる作品でした」と感想を述べると「とても余白のある作品ですが、石川監督がおっしゃったように、心と言葉で埋めてもらえたら嬉しく思います」と客席に呼びかけていた。(磯部正和)


