キンプリ高橋海人、初時代劇で吹替えナシの絵描き しゃべりながら描く練習

高橋海人(King & Prince※高=はしごだか)が21日、都内で行われた映画『おーい、応為』(10月17日公開)の完成披露上映会舞台あいさつに登壇し、戦と思いながら本作に臨んだことや、知られざる撮影エピソード、これから極めたいことなどを語った。この日は主演の長澤まさみをはじめ永瀬正敏、大谷亮平、大森立嗣監督も来場した。
飯島虚心の「葛飾北斎伝」と杉浦日向子の「百日紅」を原作に、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎(永瀬)の娘であり弟子でもあった絵師・葛飾応為(長澤)の人生を描く本作。応為の友人で北斎の門下生・善次郎(渓斎英泉)役の高橋は「京都で2年くらい前に撮影していたので、久しぶりに東京でこの面々を目の当たりにすると身が引き締まります。ちゃんと緊張するというか……。出番前に監督から『ちゃんとボケてね』と言われたんですけど、ボケれる空気を作れるか不安はありますが、英泉らしく楽しみたいと思います」とあいさつ。
高橋は「現代じゃない作品に出させていただくことが夢でした。絵が好きで、北斎の名前も知っていましたし、絵にゆかりのある方の作品に出ることがうれしくて歓喜しました」とオファー時を回顧。大森監督のことも「大好き」だそうで、「めちゃくちゃ嬉しかったです」と笑顔を見せた。一方で「そういう嬉しい作品に出させていただく上でお名前を見たら、長澤さん、永瀬さん、大谷さん、経験豊富な方がたくさんいたので、正直その瞬間、心が一気に折れるというか、怖いなというか、大丈夫か俺は? と思った」とも吐露。
しかし、「『お芝居は助け合い』とよく言われますけど、僕は『戦』というか『戦いに出る』気持ち」と気合十分で臨んだそうで、長澤に「そんなこと思ってたんですか?」と驚かれると、高橋は「そうですよ。陰でそう思っていました。今まで経験した自分の少ない武器というか荷物を全部持って京都に向かおうという気持ちでやっていました」と打ち明ける。そして、共演者の芝居に「すっげーなぁ」と舌を巻きながらも「自分なりに楽しく戦うことができました」と自信をのぞかせた。
劇中、高橋たちは吹替なしで絵描きに挑戦している。永瀬が「(長澤と高橋)2人が上手いんだもん。必死について行こうという感じで、ひたすら練習していました」と嘆くと、高橋は「撮影が終わったら絵を練習する小屋があって、そこで3人で一言も話さず、それぞれの絵を描き続けるっていう」と思い返した。
大森監督は高橋の絵が上手かったことから「せっかくだからワンカット内で描いてもらっちゃおうと急にやってもらいました」と申し訳なさそうに裏話を披露。高橋は「めちゃくちゃ嬉しかったです。筆に触れるというか、絵を描く経験をするだけで英泉のことをわかった気になれるというか、役づくりをしていく上での一つ一つが大事だったと思います」と感謝した。
また、大森監督から「あのシーンは絵を描いているけど、せりふは(絵とは関係がない)違うことを言うのがよかった」と称賛されると、高橋は「むちゃくちゃ難しいですよね。僕、“逆”聖徳太子で(聖徳太子は)いろんな方の話を一気に聞けるけど、僕は1個の事しかできないんですよ。だから、しゃべりながら描くことをすごく練習しました」と振り返った。
作品にちなみ、「まだまだ極めたいこと」を問われる場面もあり、高橋は「せっかく生まれてきたし長生きしたいと思って、日課で、お風呂に浸かるときに潜水しています」と答え、「危なくない程度にやらせてもらっています。この前、最高記録で2分ぐらいいけるようになりました。記録を伸ばして体の内側をどんどん鍛えて老後に強くなりたい」と声を弾ませた。(錦怜那)


