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『国宝』吉沢亮、釜山映画祭で盛大な歓迎 「やるしかない」意地で挑んだ撮影を回顧

2,000人の前に登壇した黒川想矢、吉沢亮、李相日監督
2,000人の前に登壇した黒川想矢、吉沢亮、李相日監督 - (C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

 21日、韓国で開催中の第30回釜山国際映画祭ガラプレゼンテーション部門で公式上映された、映画『国宝』の吉沢亮黒川想矢李相日監督が野外メインシアター会場でのトークセッション「オープントーク」に登壇した。当日は、李監督、吉沢が参加しての韓国メディアによる記者会見とオープントーク、さらに CGV Centum City にあるIMAXシアターにて、約300人の観客を前にした公式上映が行われた。

【画像】吉沢亮&黒川想矢、釜山で2,000人の前に登場!

 約2,000人が集まった屋外会場で行われたオープントークでは、はじめに李監督が登壇し、韓国語で自己紹介。司会者から、日本国内における、実写映画の歴代興行収入ランキングで2位を達成したことについて質問されると、「この映画はテレビドラマや漫画の原作から始まった映画ではなく、伝統文化を扱った映画ということで、今の日本の観客が多く観てくれて驚いています」と語った。そしてイベントの中盤には、吉沢と黒川がサプライズ登壇。二人はともに韓国語で自己紹介し、満席の会場からは盛大な拍手が起こった。

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 吉沢は「1年半という長い期間、一つの役のために時間を費やすというのは貴重な経験でした。実際の歌舞伎役者の方々の足元にも及ばないので、稽古をすればするほど、どれほど素晴らしい方々かを実感しました。あの時は『やるしかない』という意地でやっていました。これまでの作品とは比べものにならないほど、覚悟が必要でした」とコメント。監督からは「難しくて不可能な注文ばかりされました」というが、それは「役者なら乗り越えられる」という絶対的な信頼だと受け止めたといい、「監督の言葉の中にある愛をとても感じることができました。」と撮影当時を振り返った。

 一方、吉沢演じる主人公・喜久雄の少年時代を演じた黒川は、「演技が本当に面白くて仕方ないです。本作の中で『寝る時間が無駄だ』というセリフがあるのですが、その気持ちは分かる」と笑顔。「演技を楽しむためによく眠るように努力しています」と付け加えて会場を笑わせた。

 そして三人は、公式上映の舞台あいさつにも出席。「なぜこれほどまでに日本でヒットしたのか?」と質問された李監督は、「歌舞伎は日本の観客にとっても皆さん当然知っているのだけれども、そこまで観ている人は多いわけではないので、新しいものを発見できる映画だったと思います。歌舞伎役者ではない俳優たちがまるで歌舞伎役者のように非常に長い時間をかけてトレーニングをし、歌舞伎役者の感情をキャラクターに溶け込ませたため、役者の方々の真剣さが観客の皆さんにも届いたのではないかと思います」と日本での社会現象化を分析する。

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 また、吉沢は『悪人』『怒り』などの作品に感銘を受け、李監督との仕事が目標だったと告白。「オファーをいただき非常に嬉しく思いました。その時にはまだ台本もできていない中で原作を読み、歌舞伎役者の役ということでハードルの高い役だと思いました。その時点ではまだ深く歌舞伎というものに関わったことがなかったので、どれだけ大変なものか想像がつかなかったです。李監督への“愛”だけで、よくわからないけど飛び込もうと思いました」と語った。

 イベント中に観客から「歌舞伎を通して沢山の美しさを教えてくれた映画だと思うが、人間のどのような部分が美しいと思うか?」と質問された吉沢は「今回、女形を演じていて、自分の感情をコントロールできない瞬間や何か必死に求めて、恋焦がれている時の表情は、外から見ると美しく見えたりするのではと、この喜久雄を演じていて感じました。喜久雄が演じた(『曾根崎心中』の)お初もその恋のためだけに命を燃やしていく。こういった演目が多いということは、そういったものが見たいのだろうと思っています。まっすぐ向き合う瞬間というのは人を美しくするのかなと思います」と回答。

 一方の黒川は「今作で長崎弁と関西弁の2つの方言を使いましたが、長崎弁の音の響きがとても美しいなと思いました。例えば外国語でも何を言っているのかわからなくても、気持ちが伝わるような、そういう時はとても嬉しいし、美しいなと思います。今作は日本語ですが、韓国の方々に絶対届くだろうし、届いてほしいなと思っています」とアピールしていた。

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 韓国では11月から公開を迎えるといい、最後に李監督は「どうぞお力を貸してください」とあいさつ。黒川も「また11月に公開された際には沢山の方々に観ていただければすごく嬉しいです」と述べ、吉沢は、釜山での上映とトークを振り返り「皆様がこの作品を前のめりに観てくださったことが伝わり、とても嬉しく思います」と手ごたえと共に感謝を述べていた。

 また日本では、10月3日から5都府県(東京・神奈川・愛知・大阪・沖縄)にて英語字幕版上映が行われる。(編集部・入倉功一)

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