堤真一、初の東北弁で猛勉強 「なんで僕にオファーが…」

堤真一が22日、都内で行われた映画『旅と日々』(11月7日公開)の舞台あいさつ付きプレミア上映に登壇し、オファーを疑問に思ったことや、チャレンジングだった役づくりを語った。この日は、シム・ウンギョン、河合優実、高田万作(※高=はしごだか)、三宅唱監督も来場した。
つげ義春の漫画「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を原作にしたドラマ。スランプ気味の脚本家・李(シム)が旅先で、おんぼろ宿の主・べん造(堤)との出会いをきっかけに、ささやかながら歩みを進めていく。『ケイコ 目を澄ませて』『夜明けのすべて』などで賞レースを沸かせた三宅唱監督がメガホンをとった。
堤は初めて脚本を読んだときの印象を振り返り、「(べん造が)山形の荘内弁をしゃべっているんですけど、なんで僕にオファーが来たのかな? と思った」とぶっちゃけ、「関西系の人間なんで、東北弁をやるのは初めてだったんです」と疑問に思った理由を説明する。さらに、三宅監督に「山形弁はなんちゃってな感じでいいんですか?」と聞いたことも告白。しかし、三宅監督からは「ガチでやってください」と言われたそうで、堤は「そこから、『とにかく早く方言テープをください』と(お願いしました)。でも、お芝居がかった方言だったので『素の感じのをください』と。あんなに自分の台詞を聞いて勉強したことがないくらい勉強しました」と苦労をにじませた。
また、「監督の作品は嘘っぽいことがないというか、全部リアルに感じて、どうしてこんなことができるんだろうと思う」と話す堤は、「それに応えるのは大変だな……と思いながら、かなり自分の中ではチャレンジという気持ちで臨みました」と撮影の日々を思い返した。
シムと河合は以前から三宅作品に参加することが夢だったという。シムは「わたしの話じゃないかというくらい親近感を感じた作品でした。これを運命と言うんじゃないかな」と吐露。河合も「もう一度、三宅さんとご一緒することが目標」「幸せなことだったな」と感激した。
本作は、第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門にて最高賞である金豹賞(グランプリ)と、ヤング審査員賞特別賞をW受賞しており、イベント終盤では金豹賞のトロフィーもお披露目された。スタッフがトロフィーを載せた台をステージに上げる際、MCは「大事なので、ゆっくり」と促すが、三宅監督は「でも俺、リュックに入れて持って帰って来た」とまさかの発言。堤からは「価値なくなるから、そういうこと言わないの」といさめられ、シムからは「ありえへん」と驚かれていた。(錦怜那)


