「ばけばけ」吉沢亮、英語セリフは車の中でも練習 制作統括も驚き「すごく上達している」

高石あかり(高=はしごだか)が主演を務める連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)の第17回(21日放送)で、吉沢亮ふんする錦織友ーが初登場した。制作統括を務める橋爪國臣が、ヒロイン・松野トキと夫・ヘブンの人生に大きな影響を与える錦織に吉沢を起用した理由、吉沢が挑戦している英語セリフの裏側について語った。
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連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々をフィクションとして描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。
橋爪は、自身が制作を担当した連続テレビ小説「なつぞら」や大河ドラマ「青天を衝け」で吉沢を起用した。「ストイックに役づくりをするとても信頼できる役者さん。彼ほど役づくりをする人はいない。超一流だと思っている一人です」と吉沢を高く評価している。
錦織友ーは、小泉八雲が公私ともに信頼を寄せた西田千太郎がモデルになっている。橋爪は「小泉八雲のファンなら誰しもが名前を知っている人物。影の主役みたいな人で、このドラマの中でとても重要な役柄です」と説明。「夫婦の物語とはいえ、私はこの3人の物語だと思っています。メインの一人として信頼できる人にお願いしたいと考えて、吉沢さんに錦織役を受けてほしいと相談しました」と起用理由を語る。
続けて橋爪は、「西田千太郎さんについては、資料がたくさん残っていますが、それほど研究されていません。聖人君子で一流の人と言われているけど、調べると、彼自身にもいろんな欠点があったり、うまくいかなくて悔しい思いをした歴史があることを知りました。何かを成し遂げようとして、成し遂げられなかった人。そういう人間らしさを描き出したいと思いました。彼は聖人君子ではない。彼の人間らしいところ、いろんなことを抱えた人という、影となる部分もきちんと出してほしい」と事前に吉沢に話をしたとも明かした。
錦織は、後に英語教師となり、ヘブンの通訳も務めるため、英語のセリフが多い。橋爪によると、吉沢は撮影前から英語の勉強を行っていたという。「英語のセリフが多いことは事前に説明していて、その時点では吉沢さんが英語を話せないことも知っていました。でも、これを機に英語の勉強をし、英語を話せるようになってハリウッドに羽ばたいてほしいと話をしました」と依頼の背景に、吉沢の未来に寄せた期待が込められていた。
また橋爪は、吉沢のストイックさを紹介する中で、彼の英語学習についても言及。「吉沢さんは実際に週三回、クランクインする前から英語の勉強を始め、半年間指導を受けています。それ以外にも自主練習をしているようで、車の中で英語のセリフを話したり、シャドーイング(英語の音声を聞きながら真似して発音する練習法)をしているとも聞きました。最初に比べるとこの半年で英語力がすごく上達していると思います」と英語力の上達に驚いた様子だった。
「表には努力をしている部分をあまり見せたがらない人。僕がいっぱいバラすと怒られてしまうかもしれません」と笑顔を見せた橋爪は、本作での吉沢の演技について、「西田千太郎の人としての部分をきちんと踏まえた上で、彼なりの解釈をし、素晴らしい演技をしてくれていると思います」と期待し、「吉沢さんはイケメンで芝居もうまいですが、三枚目をやらせると最高に輝きます。振り回される吉沢さんもいいですよね」と笑顔を見せていた。(取材・文:名鹿祥史)


