「ばけばけ」トミー・バストウ&吉沢亮の共通点「遠慮せずに芝居できる」制作統括が語る二人の絆

連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)の制作統括を務める橋爪國臣が、ヒロイン・松野トキ(高石あかり※高=はしごだか)の夫となるヘブン役のトミー・バストウと、二人の人生に大きな影響を与える英語教師・錦織友一役の吉沢亮について、二人の撮影現場でのプライベートなやりとりや、息の合った撮影の様子などを明かした。
連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々をフィクションとして描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。
錦織友一は、小泉八雲が公私ともに信頼を寄せた西田千太郎がモデルとなった人物。橋爪は「影の主役みたいな人。夫婦の物語とはいえ、私はこの3人の物語だと思っています」と明かし、物語にとって重要な役だからこそ、自身が担当した連続テレビ小説「なつぞら」や大河ドラマ「青天を衝け」でタッグを組んだ吉沢に、この役を託したと力を込める。
その吉沢と、ヘブンを演じるトミーに共通するのは「役づくりに対するストイックさ」であるという。橋爪は、撮影現場での二人の様子を「すごく仲がいいんです。二人ともゲーム好きで、裏でゲームの話をいっぱいしていて、そういったところから話が広がって、いつも楽しく話しています」と紹介する。
トミーは日本語が堪能だが、日本に来たヘブンの(カタコトな日本語の)話し方にまでこだわりを持って演技し、吉沢は対照的に、慣れない英語に取り組むため、クランクインの5か月前から、週に3回英語学習に励むなど、英語のセリフと真摯に向き合っている。撮影中、お互いの役について話し合う姿はあまり見られないといい、「それは、二人が役に入り込んでいるからだと思います」とストイックな二人だからこその距離感だと分析した。
さらに橋爪は、「トミーの日本語が日に日に上達していて、二人で楽しそうに日本語で話しをしていたりするんです。吉沢さんとの距離感は本当によくて、それが信頼関係にもつながっている。お芝居に入ると、二人とも役づくりが身についているし、役になりきっているからこそ、遠慮せずに芝居ができる。うまく折り合いが取れるんです。だからこそあの振り回される感じ、二人の絶妙の間合いが生まれていると思っています」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)


