菅田将暉が声のサプライズ出演!『ミーツ・ザ・ワールド』松居大悟監督が起用の理由明かす

金原ひとみの小説を杉咲花主演で映画化する『ミーツ・ザ・ワールド』(公開中)に、菅田将暉が声の出演をしていることが発表され、菅田並びに松居大悟監督がコメントを寄せた(※一部ネタばれあり)。
本作は、『蛇にピアス』などの芥川賞作家・金原ひとみの第35回柴田錬三郎賞受賞小説が原作。擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」をこよなく愛するも自分を好きになれず、仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じる27歳の主人公・由嘉里(杉咲)と、希死念慮を抱えた歌舞伎町の美しいキャバ嬢・ライを軸に、生きづらさを抱えた人々を描く。映画『ちょっと思い出しただけ』などの松居大悟監督がメガホンをとり、共演に南琴奈、板垣李光人、くるま(令和ロマン)、渋川清彦、筒井真理子、蒼井優らが名を連ねた。
~映画のネタバレを含みます~
菅田が演じたのは、ライ(南琴奈)のかつての恋人・鵠沼藤治で、主人公の由嘉里が約6分にわたって会話を繰り広げる通話相手の声の主。自身にとってかけがえのない存在となったライを死なせたくない由嘉里は、ライが今も想い続ける藤治に望みをかけて実家を訪ねるも不在。しかし、家族からその話を聞いた藤治が由嘉里のケータイに電話をかけてくる。由嘉里はライへの思いや生きることへの渇望を藤治にぶつけ、藤治は自分の思うライについて語る……というシーンだ。
菅田の出演は事前に告知されていなかったが、エンドクレジットで菅田の名前を目にして驚く人が続出。声のみの出演ながら圧倒的な存在感を放った菅田の名演が「どこで出てたっけ?…あ!って思いました」「贅沢な使い方」「神キャスティング」「そういうことか」と話題を呼んでいる。
菅田が松居監督とタッグを組んだのは、菅田が主演した『男子高校生の日常』以来12年ぶり。松居監督がとある打ち合わせのために菅田の所属事務所を訪れた際、たまたまいた菅田と久しぶりに再会したことがきっかけだったといい、松居監督は、「哀愁を漂わせながら酸いも甘いも呑み込んで第一線で闘っている“ギリギリで生きている感”が藤治と重なったんです。その上で、由嘉里が胸に抱えていた想いをぶつける相手ながら、電話のみでやり取りする役どころになるので、圧倒的に芝居が上手い人にお願いしたいと思い、菅田くんに“現代の生きづらさを代弁してもらえないか”とオファーしました」とオファーの理由を語る。
菅田は声のみの出演となったが、事前に松居監督と何度か電話ですり合わせをした上で撮影現場に足を運び、実際に電話から聞こえてくる由嘉里の言葉を聞きながら収録を行った。さらに、藤治としての衣装も用意され、菅田はそれを着用して撮影に挑んだ。
菅田は、出演を振り返り「杉咲さんの声を聞いた瞬間に、これまでの由嘉里の日々がものすごいエネルギーで入ってきたのを覚えています。松居監督たちと作り上げてきた時間が流れ込んできた気がして、震えました。ほんとにその1秒で、素敵な現場なんだなと感じました。瑞々しく脂っこい登場人物たち、吐き出すように貪る焼肉。ずっとよくわからない自分。香ばしい思い出も愛しく感じてくる映画だと思います。参加できて幸せです」とコメントを寄せた。(編集部・石井百合子)


