「べらぼう」瀬川の“その後”が判明!粋な演出の裏側

14日に放送された横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)最終回(第48回)で、かつて主人公・蔦屋重三郎(横浜)と恋仲にあった瀬川(小芝風花)の“その後”が明かされる場面があり、SNSでは懐かしいその名に歓喜の声に沸いた。
蔦重にとって幼なじみであり、紆余曲折のすえ恋仲となった瀬川。瀬川が鳥山検校(市原隼人)と離縁し、ようやく結ばれようとした矢先、瀬川は蔦重の本屋としての将来を思って姿を消してしまった。4月6日放送・第14回で二人が離れ離れになって以来、瀬川の消息は不明となっていたが、最終回ではかつて瀬川に恋していた(まきあげられた)長谷川平蔵(中村隼人)の口から蔦重に、瀬川の現在が明かされた。
ある日、平蔵に呼び出された蔦重がやってくると、平蔵は「どうにもあそこの女将は本が好きなようでなあ」としみじみしながら、とある店を見やる。何のことかわからない様子の蔦重に、平蔵は「磯八(山口祥行)と仙太(岩男海史)が俺に気をきかせて見つけてきてくれたのだ。おめえも気になっておるのではないかと思うてな」「子にも恵まれ、幸せにしておるようだ……」と話す。平蔵は病で弱っている様子(シケも白髪に…)で「実は岡場所に大掛かりな警動が入る。その者らはみな吉原に押し込まれる」と言い、吉原への影響を懸念するという場面だった。これが町の定書「新吉原町・定書」へとつながった。
瀬川の姿や名すら登場することはなかったが、瀬川の回想シーンが登場。「本好きの女将」という言葉や顔の見えない女性の後ろ姿を懐かしそうに見る平蔵の表情からも、二人が見ているのが瀬川であることをうかがわせた。まさかのサプライズに視聴者は「え?花の井?」「もしや瀬川!?」「本好きの女将…泣」「瀬川…幸せになってたんやね」「まさか」「そういうこと?!」「お顔は映さないんだ」「名前出さないの粋だねえ」「匂わせだけっていうのが粋だわ」と大興奮。
なお、チーフ演出の大原拓は同シーンついて「あのシーンは、それを見た蔦重の表情が重要で。瀬川ではなく、彼女を見た彼らの今を表現するというのがすべて、と言いますか。だから“らしき人“はあくまで後ろ姿のみ。蔦重の表情から、今の彼女はどうなのかっていうのを視聴者の方に感じ取ってもらえたらと思いました。平蔵の最後の登場場面でもありますし、平蔵と蔦重の共通項というとやはり吉原。吉原を今後どうしていくのかということを考えた時に、蔦重と瀬川が約束したことがやはり」と演出意図を語っていた。(編集部・石井百合子)


