宮沢りえ、伊東蒼と9年ぶり親子役再共演 杉咲花に写メ送付も

俳優の宮沢りえが18日、都内で行われたPrime Videoのドラマシリーズ「人間標本」(12月19日配信スタート・全5話)のプレミアイベントに伊東蒼と登壇し、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)で以来となる伊東との親子共演を喜んだ。この日は市川染五郎、荒木飛羽、山中柔太朗(M!LK)、黒崎煌代、松本怜生、秋谷郁甫、湊かなえ(原作)、廣木隆一監督も来場。主演の西島秀俊は中継で参加した。
「告白」「母性」などの作家・湊かなえが“親の子殺し”をテーマに書いた同名小説を実写化する本作。山中でアクリルケースに眠る美少年たちの遺体が発見され、蝶の研究者・榊史朗教授(西島)が自首をする。幼少期に蝶の標本作りに興奮を覚えた史朗は蝶の研究に没頭し、やがて世界的画家となった幼馴染の一之瀬留美(宮沢)と再会。留美の絵画合宿に集まった最愛の息子・至(市川)ら六人の少年たちが標本となり、その狂気の犯行の真相は、複数の視点によって新たな真実へと姿を変えていく……。
留美のミステリアスな娘・杏奈役で、再び宮沢と親子役で共演を果たした伊東は、「本当にうれしくて……。9歳のときに初めてお会いしてからずっと、りえさんに対して尊敬や大好きな気持ちがあったからこそできたシーンもありました」と撮影を振り返る。また、「小学生の頃は舞台挨拶の場では必ず泣いてしまっていたので、今日は泣かずに最初の挨拶ができたので、成長したところを見せられたんじゃないかなと思います」とはにかんだ。
そんな伊東の成長ぶりを問われた宮沢は「背が伸びましたね。それは冗談ですけれども」と言って会場の笑いを誘いつつ、数々の映画賞を受賞し、自身も第40回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞などを受賞した映画『湯を沸かすほどの熱い愛』に触れる。同作では、末期がんの母親を宮沢、二人の娘を杉咲花と伊東が演じた。宮沢は「あの作品は私の中ですごく特別に思いのある作品」と明かし、「作品が終わってからも、杉咲花ちゃんと蒼ちゃんの作品は必ず観ていて、スクリーンのこちら側で成長はずっと感じていました。大事に作品を選んで、自分のお芝居を積み重ねているなぁとずっと感じていたので、そんなに久しぶりな感じが全然しない」と吐露。
さらに、宮沢は「最初のシーンから私たちの中には蓄積されたものがある感じがあって、すごく自然にお芝居ができました」と撮影を思い返し、「現場で2人で写メを撮って花ちゃんに送ったりしました」とほのぼのとしたエピソードも紹介。そして、「作品を通して時を経て再会できることは、役者をやっていて冥利に尽きます」としみじみと語った。
作品にちなみに、「共演者の意外な一面」を発表することになると、西島は「宮沢さんは絵がすごくお好きで、宮沢さんが描いた絵が一之瀬留美の作品として(劇中に)入っているんじゃないかな」と首をひねる。宮沢は「入っています」と認め、「絵を描いているシーンは実際に描かせていただいて、描き上げた絵は廣木(隆一)監督に持って行っていただきました。だからセットにも映っています」と話すと、西島は「ぜひ探してみてください」と観客に呼びかけた。(錦怜那)


