実写『ルックバック』本編映像が初公開 藤野と京本の姿も 是枝裕和監督が全編フィルム撮影
「チェンソーマン」の原作者・藤本タツキの長編読み切り漫画を、是枝裕和の監督・脚本・編集で実写化する、映画『ルックバック』(2026)の本編映像を使用した特報映像が初公開された。また、特報に合わせて、是枝監督が7月の撮影時に収録したコメント動画を発表した。
漫画「ルックバック」は、2021年に「少年ジャンプ+」で公開され、初日で閲覧数250万以上を記録した読み切り作品。漫画への思いでつながった2人の少女、藤野と京本の青春の日々と、運命を分かつ出来事を描き、著名クリエイターをはじめ数多くの漫画ファンの間で話題を呼んだ。2024年に押山清高の監督・脚本で劇場アニメ化され、興行収入20.4億円を記録する大ヒット。海外でも33の国と地域で上映されるなど、国内外から高い評価を受けた。
そんな大ヒット漫画を、映画『万引き家族』(2018)で、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールに輝く是枝裕和監督が実写映画化。是枝監督の希望で、全編フィルムでの撮影を敢行し、映画では初タッグとなるカメラマン・上野千蔵と共に、四季とあわせて藤野と京本の姿をフィルムに焼き付けた。
漫画を描く手元とペンの音からスタートする特報映像は、清廉な音楽にのせて、藤野の背中や、どてら姿の京本の背中、漫画を描く2人の姿が、移り変わる季節とともに映し出されており、原作の名場面が思い起こされるシーンも垣間見える。2人を演じるキャストは発表されていない。
また、是枝監督のコメント動画は、秋田県にかほ市で収録したもの。「同じ作り手として背筋が伸びるというか、作り手の覚悟が伝わってくる作品で、藤本さんはこの作品を描かないと先へ進めなかったんだろうなというそんな気持ちが痛いほど分かりました」と振り返るなど、原作への思いを明かしている。映画の撮影は2025年2月~4月、5月で冬・春編、7月に夏編、11月に秋編と長期にわたって行われた。
音楽は、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」などの映像作品や米津玄師、宇多田ヒカルらの楽曲を手がける音楽家・坂東祐大が担当。是枝監督の演出するCMに参加した経験がある坂東だが、映画では初タッグとなり「藤本タツキ先生の唯一無二のストーリーのもと、素晴らしい演技、四季折々の美しいにかほの風景、そしてその時間を丁寧なまなざしで捉え刻み込まれた格調高いフィルム映像。音楽でもこの世界を丁寧に紡げていけたらと思います」とコメントしている。
特報映像は12月26日から全国の劇場(一部劇場を除く)で上映が開始され、先だって発表されている2点のビジュアルを使用したチラシ、ポスターも同日より掲出となる。(編集部・入倉功一)
・音楽/坂東祐大コメント全文
大学院生の頃、早稲田松竹で『歩いても 歩いても』と『海街diary』の二本立てを観た日、是枝監督がふらりと劇場に現れ、上映前に挨拶をされたことがありました。
いつか是枝組に参加してみたいーーそう思うようになって、10年以上が経ちます。
そして今回、初めて是枝組の映画に参加させていただくことになりました。
藤本タツキ先生の唯一無二のストーリーのもと、素晴らしい演技、四季折々の美しいにかほの風景、そしてその時間を丁寧なまなざしで捉え刻み込まれた格調高いフィルム映像。音楽でもこの世界を丁寧に紡げていけたらと思います。
ご期待ください。


