武井咲、佐藤健の前で本音吐露 17歳で『るろうに剣心』撮影「楽しい雰囲気を装っていた」

実写映画『るろうに剣心』シリーズでヒロイン・神谷薫を演じた女優の武井咲が23日、丸の内ピカデリーで行われた「ワーナー・ブラザース映画ファンフェスティバル」のグランドフィナーレに出席。13年前に公開されたシリーズ1作目に出演する際の正直な心情を吐露した。この日は、『るろうに剣心』シリーズ主演の佐藤健をはじめ、共演の青木崇高、土屋太鳳、大友啓史監督、谷垣健治アクション監督も登壇した。
2025年12月31日をもって、100年に渡る日本での劇場配給業務を終了する事となったワーナー ブラザース ジャパン合同会社が、これまでワーナー映画を愛してくれたファンに向け行っているメモリアルイベント「ワーナー・ブラザース映画ファンフェスティバル」。そのグランドフィナーレでは、これまで5シリーズが製作され、多くのファンを魅了した実写版『るろうに剣心』の1作目(2012)が上映された。
ファンで埋め尽くされた客席から登場した武井は、「すごく緊張しています。こうしてお声がけいただいて、皆さんと会えてとても嬉しいです」と感無量な表情を浮かべる。第1弾の撮影のとき、武井は「当時17~18歳ぐらいでした。とにかく大友監督や佐藤さんから『どれだけやれますか?』みたいな空気をすごく感じていて、すごくプレッシャーでした。かなり緊張していて、現場でもあまり自分が思っていることを言えなかったんです」と振り返ると「まだまだ経験もなく、年齢的にも若い自分は、しっかりお芝居で見せないと何を言っても届かない、相手にされないと思っていたんです」と胸の内を明かす。
武井の言葉に佐藤は「そんなことないよ」と言っていたが、武井は「そのぐらい自分を追い込んで、奮い立たせていました。ある意味で怖かった」と語ると、佐藤は「全然そんな風には見えなかった」と感想を述べる。武井は「楽しい雰囲気を装っていたんです」と笑うと「でも生のお芝居ってこういうものなんだ……ということをすごく教わった環境でした」と感謝する。
そんな武井だが、撮影現場では若さゆえのマイペースな部分もあったよう。武井は「とにかく佐藤さんたちのアクションがすごかった。いつも劇中の薫と同じように、佐藤さんたちがアクションシーンに行くときは『いってらっしゃい』という感じで送り出していました。そして楽屋に戻り(寝てしまい)目が覚めると、まだ同じアクションシーンを撮っているんです。そしてまたうとうとしてパッと起きると、まだやっている。やっと戻ってきたと思ったらボロボロなんです。いつも申しわけないなと思っていました」というエピソードを披露。
佐藤は「確かに戻るとすっきりした顔をしていたかも」と笑うと「でもそういう感じが良かった。現場のムードメーカーとして、こういう子がいるから戦いに行けた。唯一の癒しだったんです」と武井の存在に救われたことを明かしていた。
実写版『るろうに剣心』シリーズは、和月伸宏による漫画「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」を、大河ドラマ「龍馬伝」などの大友監督が実写映画化。シリーズ5作に渡り、圧倒的なスケールで描くアクションは、日本のみならず世界中で多くのファンを生み、世界100か国以上で配給、世界50以上の国際映画祭に出品され絶賛。国内累計興行収入は194億円超えるワーナー・ブラザース映画を象徴する邦画となった。(磯部正和)


