『緊急取調室』もつなべコンビ、大杉漣さん想い号泣

俳優の速水もこみちと鈴木浩介が26日、都内で行われた映画『劇場版「緊急取調室 THE FINAL」』の初日舞台あいさつに登壇し、キントリメンバーの一人だった故・大杉漣さんを偲んで号泣した。この日は、主演の天海祐希、共演の田中哲司、大倉孝二、塚地武雅、佐々木蔵之介、石丸幹二、でんでん、小日向文世、常廣丈太監督も来場した。
捜査一課の取調べ専門チーム「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」が、特別取調室で被疑者と心理戦を繰り広げるドラマ「緊急取調室」シリーズを映画化した本作。総理大臣(石丸)の襲撃事件をきっかけに浮上した疑惑を解明すべく、真壁有希子(天海)らキントリメンバーが前代未聞の取調べに挑む。
大杉さんは、同シリーズのシーズン1から中田善次郎役で出演していたが、2018年に病気でこの世を去った。中田はシーズン3では退職したという形になっており、代わりに塚地が新メンバーとして加わった。
田中は今朝、本作をDVDで観たそうで「エンドクレジットで号泣して、しゃくり上げてしまいましたよ。どうしても僕らの中には漣さんがいるんですね」としみじみ。でんでんも「ここにいるんじゃないかって感じがする。キントリのことを一番好きだったのは大杉漣さん」と思いを寄せる。塚地は「次のドラマで上司と部下の役をやる予定だったので、『塚地くん、お願いしていいかな?』と漣さんに言われているような気持ちでした」と振り返った。
警視庁捜査一課の監物大二郎(けんもつ・だいじろう)を演じた鈴木は「ちょっと、もうダメです」と号泣。「レギュラーシーズンが始まる前に、お墓参りに行かせていただいて……。いつも見守ってくださっていると思う」と話すと、「漣さんが天海さんに甘えて、いつもじゃれ合っていた姿を思い浮かべたり、背中を押してくれている感じがしたり。漣さんが徳島ヴォルティスのサッカーの試合が見たくて、撮影中に『これ巻いたら試合に間に合うんだけど』っておっしゃり始めて、その時にみんなで頑張って撮影を巻いて、嬉しそうに試合に行ったこととかを昨日のことのように思い出しました。漣さんがいてくれて楽しい現場でしたね」と声を絞り出した。
鈴木と共に「もつなべコンビ」として愛されている渡辺鉄次(わたなべ・てつじ)役の速水は、デビュー当時、大杉さんに挨拶をしたことがあったそうで「シーズン1でスタートした時、『あの時、僕に挨拶してくれたの、すごい覚えてるよ』って言ってくださって、それが本当に嬉しくて……」と涙を流す。「勉強になることばかりで、大杉さんと皆さんの楽しいお話をもっと聞きたかった。本当に寂しいです」と肩を落とした。
天海は「私、泣きたくないので泣かないんですけれど」と目を潤ませながら、「初日を迎えられたことは、全ての方からのプレゼントだと思っているし、漣さんが力を貸してくださっていると思っているし、今日の日を迎えるためにものすごい数の方が力を貸してくださっているんです。その思いを背負ってここに立てているので、すべての方に心から感謝したいです」と頭を下げた。(錦怜那)


