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「ばけばけ」プロポーズを断ったサワの呪縛 制作統括が明かすラストの解釈

庄田からプロポーズを受けたサワ - 第85回より
庄田からプロポーズを受けたサワ - 第85回より - (C) NHK

 30日放送の連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)第17週・第85回では、錦織の友人・庄田多吉(濱正悟)が、思いを寄せるサワ(円井わん)に思いを伝えるも、まさかの展開が待ち受けていた。制作統括の橋爪國臣が、当該シーンに込めた想いや、撮影の裏話を語った。(以下、第85回の内容を含みます)

【第85回場面写真】サワ(円井わん)の想いは…

 連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々をフィクションとして描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。

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 第85回では、庄田はサワにプロポーズをするも、サワはそれを受理せず、その後、現れたトキの前で「私はおトキにはなれん。同じ道は歩めん。シンデレラにはなれんけん」と泣き崩れてしまう。

 橋爪は「サワはもう一人のトキ、アナザートキなんです」とサワの役割を改めて強調する。「トキもサワみたいな人生を歩んだかもしれないし、サワもトキのような人生を歩んだかもしれない。二人対になっていて、トキはシンデレラ。いい人と出会い、いい暮らしができるようになった。自分で何かを成し遂げたかというとそうでもない。一方、サワは自分の力で人生を切り開こうとしている。トキのそばにいるからこそ、そういう呪縛に自分でかかってしまっている」と力強くはあるが、不器用な一面も持つサワの生き方を説明する。

 橋爪は遊女・なみ(さとうほなみ)の言葉である「結局、男は身を売るか、男にもらわれるしかない」という過去のセリフを引用しつつ、「一度トキがサワに、サワは自分のやり方でやっていくんだねと声をかけますが、それもサワの呪縛につながっていく。庄田と結婚すれば、それなりに幸せな未来が待っているだろうし、養ってもらいながら自分が教師を続ける道もできたはず。でも、そうじゃない幸せの方に自分を縛っていく」とサワの心の迷いを分析した。

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(C) NHK

 橋爪は、サワに理解を示しつつ「人生にはそういうことがあると思います。自分が立てた目標のせいで、自分が縛られる。サワも自分を縛りつけているからこそ、庄田のプロポーズを断ってしまうんです。そのことを自分でもわかっている。だからこそ、ラストで『トキのせい』だと泣くんです」とプロポーズシーンのその後を感慨深げに振り返る。

 「撮影時、円井さんにそのことを説明すると『切ないよね』とおっしゃっていました。今まではトキが泣いていましたが、今回はサワが泣き、それをトキが受け止める。トキはサワがなぜ泣いているのか、本当のところはよくわかっていないと思います。でも、受け止めてあげられる。そして、この関係は今後も続いていきます」

 サワ役の円井について、橋爪は「円井さんは相手の芝居を受けて、自分の芝居をする人。そこが飛び抜けています。勝ち抜かそうとする芝居ではなく、引いた目で見るとあっさりしているけど、人間らしさをうまく表現している。そういう演技ができる役者さんです。それが円井さんの持ち味です」と述べる。

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 トキとサワの関係を振り返りつつ、橋爪は「自分の道を切り開くというのは、今まで朝ドラヒロインがやってきた道筋です。でも、サワは前向きな状態でやるというより、やらされてやっている。自分が宣言してしまったがために、教師をやらざるを得ない。トキがシンデレラストーリーを上がっていくのに自分は……という気持ちもあります。自分の言葉で、周りの言葉で自分を縛ってしまったのが彼女の人生。これは序盤の円井さんの芝居を見て決めた展開です。ある程度筋は考えていましたが、ふじき(みつ彦/脚本)さんと話し合ってそうしました」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)

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