クリヘム&ラファロ、MCU以外で対決「変貌ぶりに驚き」 映画『クライム101』インタビュー
“犯罪小説の巨匠”として知られるベストセラー作家ドン・ウィンズロウの中編小説を映画化した『クライム101』。ロサンゼルスを舞台に、追う者と追われる者の息詰まる攻防戦と心理戦を描いた同作に出演するクリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、ハル・ベリーがリモートインタビューに応じ、クライム・アクションスリラーでの共演で見えた役者としての新たな一面を語った。
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主人公のデーヴィス(クリス)は「悪者しか狙わない、殺さない、痕跡は一切残さない」という独自のルールに従い、昼夜堂々と宝石強盗を重ねる。痕跡を残さない犯罪者を追うルー刑事(マーク)は、犯行に一定のルールがあることを見抜く。デーヴィスは人生最後の大仕事として、約16億円の宝石をターゲットに高額商品を扱う保険会社に勤めるシャロン(ハル)に接触し、共謀を持ちかけるが、犯罪組織からの追跡、警察内部の陰謀、ルー刑事の執拗な捜査網にそれぞれの思惑が絡み合い、完璧だった犯罪計画が徐々に崩壊していく。
ヘムズワースとラファロといえば、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)で雷神ソーと超人ハルクとして長年共演している親友コンビだ。『アベンジャーズ』シリーズではチームメイトとして共闘する関係性だが、『クライム101』では一転し、犯罪者vs刑事として激しく火花を散らす。

マーベル映画以外でラファロと共演したヘムズワースは「今作では、これまで見たことのない一面を見せてくれました」と切り出し、今作におけるラファロの印象を明かした。「特に素晴らしいと思ったのは、マークが人としてとても大きな心を持っているということ。ルーという役には、“法の反対側にいるとされる人々”に対する思いやりが必要でした。善と悪を単純に分けられる話ではなく、白黒はっきりしない世界なんです。そこには本物の共感と慈しみがあり、それを体現できたのは、彼以外にはいなかったと思います」
一方のラファロも「クリスの変貌ぶりを見るのは本当に驚きでした」と役者としての新たな一面を目撃していた。「彼とは長い付き合いで、これまで彼の仕事もたくさん見てきましたし、もともと素晴らしい俳優だと思っています。でも今作のクリスは、声の使い方、身体の動かし方、立ち居振る舞い、その全てが異なり、その変化を見るのが本当にワクワクしました」
ヘムズワースとラファロの対決を彩るのが、二人と同じくマーベルヒーロー経験者のハル・ベリーだ。本作で念願の初タッグを果たしたヘムズワースは「以前からずっとファンでしたし、本当に楽しい経験でした。正直なところ、かなり圧倒されてしまいました(笑)。私が演じたキャラクターには、どこか居心地の悪さや不安定さがあって、その感覚を自分の中でうまく引き出して、役に活かすことができたと思います」と彼女との共演を振り返る。
「これまでも多くの俳優と共演してきましたが、彼女のように気品と存在感を併せ持ち、感情の深みを兼ね備えた人はそういません。とにかく“行間”がすごいんです。特に一緒に撮ったあるシーンでは、少し自分が俯瞰してしまう瞬間があり、『次は自分のセリフだ』とまるで観客の一人として彼女の芝居を見ているような感覚になったんです。それくらい、彼女の芝居に完全に惹き込まれてしまいました」(ヘムズワース)
ラファロも同じく、ベリーの演技に圧倒されていた。「クリスと全く同じ体験をしていました。あまりにも素晴らしくて、セリフを忘れそうになったくらいです(笑)。昔から大ファンでしたし、一緒に仕事をするのはすごく緊張しました。しかも、彼女といわゆる“クールなシーン”をやらなきゃいけなくて……本当に心臓がバクバクしていました」
「ハルを見ていると、演じていることと彼女自身の間に距離が全くないんです。完全にその瞬間に存在している。作品でその力は感じていましたが、実際に一緒に芝居をしてみると…もう言葉を失いました」(ラファロ)
ヘムズワース&ラファロの話を聞いたベリーは「女性として、一つだけどうしてもお伝えしたいことがあります。私にとって本当に重要なことでした」と切り出し、夢の共演を以下のように振り返った。
「この業界では、女性が不当な扱いを受けてきたという話を数多く耳にしてきました。そうした問題が次々と明るみになって今、女性たちはどうしても慎重になり、自分自身を守ろうとする気持ちが強くなっています。そんな状況の中で、これほど敬意に満ちて、親切で思いやりのある男性二人と一緒に仕事をした経験は、これまでありませんでした。女性として現場に入るうえで、これほど安心できる環境は本当に貴重だと感じました」
「現場に入った瞬間から、役柄だけでなく人として周囲を大切にする二人がそこにいたことは、とても心強いことでした。クリスは、現場の全員に常に気を配ってくれていましたし、マークは共演者として本当に理想的な存在でした。バート・レイトン監督の存在も含めて、女性として大きな意味を持つことでした。だからこそ、改めて言いたいのです。俳優として優れた二人であること以上に、彼らは本当に素晴らしい人間です。女性として、とても守られていると感じることができましたし、二人と毎日一緒に過ごせたことは、これまでのキャリアの中でも最高の経験のひとつでした。それは間違いありません」
劇中では壮絶な演技合戦を繰り広げている3人だが、インタビューではリスペクトの心を持って語り合うなど仲の良さが垣間見えた。中でも、クリスは本作のシリーズ化も狙っているようで「『クライム102』『クライム103』と続けていくのはどうだろう?」と二人に提案していた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
映画『クライム101』は2月13日(金)全国公開


