デビュー35周年のイ・ビョンホン、マーベル参戦にも意欲 巨匠との再タッグで「悔いのない演技」披露

“韓流四天王”の一人として知られる人気俳優イ・ビョンホンが、新作映画『しあわせな選択』(全国公開中)のプロモーションのため、約9年ぶりに来日を果たした。巨匠パク・チャヌク監督と、長編映画では『JSA』(2000)以来25年ぶりにタッグを組んだ同作。デビュー35周年という節目で「本当に悔いのない演技をしました」と自負するビョンホンが、パク監督との撮影を振り返りながら、デビュー当時からの変化、今後の展望について語った。
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『しあわせな選択』は、アメリカン・ミステリーの巨匠ドナルド・E・ウェストレイクが2001年に発表した「斧」に基づくサスペンススリラー。25年間勤め上げた会社を突然解雇された主人公ユ・マンス(ビョンホン)が、再就職を懸けて「ライバルを排除する」という衝撃のアイデアを思いつくことから物語が始まる。
パク監督とのタッグは『JSA』、2004年公開のオムニバス映画『美しい夜、残酷な朝』に続く3度目。「私は監督とたくさん会話をするタイプです。監督が伝えようとしている意図を具体的に知ってこそ、それを伝える伝達者として、観客の皆さんを説得することができると思っています」と切り出したビョンホンは、改めてパク監督の手腕を評価した。
「ほとんどの映画の場合、伝達者としての成果は劇場で観ることになります。おおよそ、自分が思った通りの仕上がりになっていますが、パク監督作品の場合、何度も会話して、自分が(監督の意図を)理解しているつもりでいても、映画を観ると『こういうことだったのか!』と新たな発見がすごく多いんです。パク監督が紡ぐ物語は、奥深さが何層にも積み重なっている。まさに天才的な才能を持っている方です」
ビョンホンふんするユ・マンスは、感情の起伏が激しいキャラクターだ。再就職先が見つからず、次第に追い詰められていく男を演じる上で、表情の素早い切り替えなど、役者として高度なテクニックが求められた。
「初めてシナリオを読んだ時、今まで出演したどの映画よりもさまざまな感情を表現することになると思いました。それにより、自分自身も知らなかった顔を見ることになるだろうと感じました。以前、舞台あいさつで観客のみなさんに『本当に悔いのない演技をしました』と話したことがあるのですが、本当にさまざまな顔をこの映画で表現できたつもりです」
「演技面では、自分がいまどんな顔で表現しているのかは特に気を遣いませんでした。逆に気を遣ってはいけないと思ったんです。そうではなく、感情を表現する上で、自分が真心を込めて演技をする。そうすることで、観客のみなさんを説得させられると思いながら撮影していました」
劇中では、随所にコミカルなシーンが登場するが「笑わせようと意図して演技してはいけないと思いました」とビョンホン。「主人公が置かれている状況を把握して、壮絶な演技をしなければいけない。そのことと真摯に向き合い、取り組んでいった結果、監督が意図した通り、観客のみなさんが笑ってくれました」と振り返った。
1991年の俳優デビューから、今年で35年周年を迎えた。役者として、デビュー当初から現在まで、作品や役との向き合い方に変化はあるのか。「大きな変化ですと、新人の頃はストーリー全体よりも自分のキャラクターを中心に脚本を読んでいました。しかし、ある瞬間からキャラクターよりもストーリーを重視するようになりました。以降は、どんな話なのかが最も重要で、自分の役よりも、ストーリーが良ければ、その作品に参加したいという気持ちになっています」
ビョンホンは、韓国作品のみならず『G.I.ジョー』シリーズや『ターミネーター:新起動』など、ハリウッドのアクション大作にも出演経験がある。ハリウッドでは近年、マ・ドンソクやパク・ソジュンがマーベル映画に出演を果たすなど、人気韓流スターの活躍が目覚ましい。
ビョンホンは「『G.I.ジョー』はヒーロー側ではなかったですし、マーベルなどのジャンル作品には、おそらく出演したことがなかったと思います」とこれまでのキャリアを振り返りつつ、「そういったジャンルにも一度参加してみたいです」と出演に意欲。10歳の息子はアイアンマンにハマっているそうで、「次にハリウッド作品に出演する機会があるのなら、アイアンマンが好きな息子のためにも、ヒーローを演じてみたいです」と笑顔を見せていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)


