菅田将暉、連続で名軍師役に「転生している気持ち」 不思議な巡り合わせに思い

仲野太賀主演による大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK総合・毎週日曜午後8:00ほかで放送中)で戦国時代を代表する名軍師・竹中半兵衛を演じる菅田将暉。くしくも同時期に別作品で軍師・黒田官兵衛を演じたことから「漫画のように転生している気持ちになります」と、不思議な巡り合わせについて思いを語った。
本作は、豊臣秀長(小一郎/仲野)を主人公に、兄・秀吉(藤吉郎/池松壮亮)とともに下剋上の世を勝ち抜き、天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く大河ドラマ第65作。TBS日曜劇場「半沢直樹」「VIVANT」や連続テレビ小説「おちょやん」などの八津弘幸が脚本を担当する。菅田にとって「おんな城主 直虎」(2017・井伊直政役)、「鎌倉殿の13人」(2022・源義経役)に続き3度目の大河出演となる。
のちに秀吉の参謀となる半兵衛について菅田はリサーチを重ねたうえで「超有名人。調べるといろいろな伝説があるけれど、わかっていないことも多くて。武士の時代に非力で、頭の中でいろいろなことをこねくり回している。その一方で先を見通す力があり、遠くへ想像を飛ばすことができる人でもある」と分析する。
菅田は「でも、今回に関しては豊臣兄弟の話で、出番が決して多いわけではない。秀長、秀吉は目の前にあることをうまく捌く力がある。二人の熱のこもったアプローチ、表現に絆される感じで、楽しんでやろうと思いました。シーンも少ないし、役を作り込んでも上手く視聴者に伝わらないかもしれない。よくわからないくらいの余白があったほうがいいなと思った」と半兵衛像を自分なりに膨らませていったという。
本作で描かれる半兵衛の魅力は、菅田いわく「結構ダサくて、鈍臭いところ」。「それが笑いにもなるし、切なくも見える。どっちなんだろうと思うことがありました。どう演じるのか試されている気分になります」
菅田は、米澤穂信の直木賞受賞作を本木雅弘主演で映画化する『黒牢城』(2026年公開)で天才軍師・黒田官兵衛を演じている。撮影時期がちょうど「豊臣兄弟!」と重なったこともあり「実は同時期に官兵衛も演じていたりして、漫画のように転生している気持ちになります。全部一つの役に感じることがあるんです」と話す。
「豊臣兄弟!」ではその官兵衛を倉悠貴が演じる。「倉くんの官兵衛と対峙して感じるのは若さとエネルギー。生きる力に満ち溢れた野心というものが、半兵衛からしたらかっこよく、羨ましくもあったりする。いくら計算してたくさん知恵を出したとしても、時が足りないと何の意味もない。僕が去ったあとも官兵衛は長く残るので、“この豊臣兄弟を頼むぞ、倉くん”という心境でした」と官兵衛との対峙を振り返る。「僕も演じたからわかるんですけど、官兵衛って人は本当に面白いんです。倉くんと一緒に相談しながら演じています」とも話した。
また武士の死生観、生死の重みを表現することにこだわりを強く持っているようで、「合戦シーンでは、死との距離感を間違えると重みのないシーンになってしまう。なので初めて半兵衛が戦に行くシーンではみんなとそんな話をしました」と合戦シーンを回顧。「家にこもって頭でばかり考えている男が最前線に出る。すましていたとしても人間的な怖さ、生きて帰るぞという部分は意識するだろうと……。殺陣の場面などでは鎧が重く、『鎌倉殿の13人』ほどではなくとも、和装であれだけの鎧を着ると、目がかっ開くんです。自然と本気にならざるを得ない。その感じをどれくらい伝えるのか。池松くんも“漫画になりすぎないように”と言っていました」と迷いも明かす。
菅田は「スケジュールの都合上、途中から出る役が多くて(笑)。革命児みたいな人を演じることが多い」と大河ドラマで演じてきた自身の役を回顧。「役者としての僕は、時代劇の人物を演じるには少し線が細いと思うんです。だからなのか、お話をいただく時はトリッキーな役が多いなと感じたりします」と笑う。
その上で「(大河ドラマで演じた中で)一番シンパシーを感じたのは源義経」とも明かし、「僕の実家は、実は平氏の流れを汲むんです。だから、源氏側の義経を演じる複雑さがありました。井伊直政と義経は役割は似ていますが、直政は次(の世代)に繋げていくところで終わり、義経は最期まで。今回『鎌倉殿の13人』で弁慶を演じた佳久創くんが藤堂高虎役でご一緒することになり、不思議な気持ちになりました」と“巡り合わせ”に感じ入る様子だった。(取材・文:名鹿祥史)


