『ウィキッド 永遠の約束』完璧なラストショットはこうして生まれた

映画『ウィキッド ふたりの魔女』に続き、第2部にして完結編『ウィキッド 永遠の約束』のメガホンを取ったジョン・M・チュウ監督がインタビューに応じ、完璧なラストショットの誕生秘話を明かした。(以降、エンディングの詳細に言及しているので本編鑑賞後にお読みください)
【画像】超仲良しな来日時のアリアナ・グランデ&シンシア・エリヴォ
「オズの魔法使い」に登場する“悪い魔女”エルファバと“善い魔女”グリンダの知られざる友情を描いた人気ブロードウェイミュージカルを、2部作で映画化した本作。ラストショットは、学生時代のグリンダ(アリアナ・グランデ)が、エルファバ(シンシア・エリヴォ)の耳元で何かをささやくというもの。これは象徴的なブロードウェイ版のポスターの再現であり、二人の女性の絆についての作品のエンディングとしても完璧といえる。
チュウ監督は「どこかで(ポスターの)“ささやき”をやりたいとずっと思っていたけど、正確にどこでやるかは決めていなかった。でも公園のシーンを撮影していた時、外は太陽がとても美しくて。あれは自然に沈んでいく夕日なんだ。二人が野原にいて、お互いに頭を寄せ合っている──それはまるで、決して忘れたくない思い出のように感じられた」とその光景にビビっと来たという。
「高校時代もしくは子供時代の親友を思い出す時、その関係性のすべてを象徴するような、完璧に感じられる瞬間が必ずあるはず。当時は気付かなかったかもしれないけど、思い出してみると完璧な瞬間が。あの天候に恵まれ、夕日が沈む中での撮影では、まさにそんな感覚になった。“この瞬間を絶対に忘れたくない”というような。それで僕はただ、『ねえ、彼女(シンシア)にささやいてみて』と(アリアナ)に言ったんだ」
「(あのショットを撮れる)可能性があることはわかっていた。というのも、アリ(アリアナ)に白いショールを着せていたから。あのポスターのグリンダは白い帽子と服だけど、彼女が劇中でああいう魔女のような恰好をすることはない。だから、白いショールとフーディーを着てもらい、シンシアには例の帽子など一式を身に着けてもらった。だから、可能性があることはわかっていたんだけど、ただただしっくりくる瞬間が訪れたんだ」
そして実際に撮影をし、何度かテイクを重ねたいう。「本当に愛らしい瞬間だった」とうっとり思い返したチュウ監督は、「このショットは観客には(公開まで)内緒にしておきたくて、映画の宣伝素材には絶対に入れないようにした。“ささやき”なんて知らないよ、ってふるまっていたんだ。あのポスターは『ウィキッド』においてとても象徴的なビジュアルだから、『ウィキッド』の物語と、この二人の女性と結び付けたかった」と狙いを語った。
ちなみに、最終的に同ショットは映画のラストに収まったが、別バージョンも検討されていた。チュウ監督は「以前はラストの数分前に入れていたんだ。彼女(グリンダ)がグリマリー(魔法書)を見つめるシーンで、公園にいる二人のささやきのシーンをフラッシュバックとして挿入し、その後、エルファバが顔を上げてグリンダを誇らしく思い、歩き去るという構成だった。両方のパターンを試してみて、どちらがより効果的か見てみたんだ」と明かしていた。(編集部・市川遥)
映画『ウィキッド 永遠の約束』は公開中


