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キング原作映画のブームは最高潮!マイク・フラナガンの『ミスト』はどうなる?

画像は2007年公開の映画『ミスト』より
画像は2007年公開の映画『ミスト』より - Weinstein Company / Photofest / ゲッティ イメージズ

 『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)の大ヒット以降、スティーヴン・キング原作の映画化が一大ブームとなっており、2019年以降になんと12本の長編映画が公開されると同時に、多くのテレビドラマシリーズも製作される驚くべき事態となっている。日本では今年1月にエドガー・ライト監督のディストピアなSFアクションj『ランニング・マン』(2025)が公開され、今後もトム・ヒドルストン主演の『サンキュー、チャック』(2024)と、フランシス・ローレンス監督作『ロングウォーク』(2025)というキング原作小説を基にした2作品の封切りが控えている。

【画像】キング原作の感動作!『サンキュー、チャック』場面写真

 そんな中、今年2月にマイク・フラナガンが監督を務め、あの『ミスト』を再映画化することが発表され、世界中のファンの間で大きな論争を巻き起こしている。

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 映画『ミスト』は、キングが1980年に発表した中編小説「霧」をベースにし、同じくキング原作の人気作『ショーシャンクの空に』(1994)の監督フランク・ダラボンがメガホンを取った。2007年にアメリカで、日本でも2008年に封切られセンセーションを巻き起こしたトーマス・ジェーン主演のSFホラー映画だ(2017年にはアメリカでテレビドラマシリーズ『ザ・ミスト』も製作された)。

 メイン州の田舎町が突如謎の霧(ミスト)に覆われ、巨大スーパーマーケットに居合わせた主人公の画家デヴィッドと息子、他の住人たちは、恐ろしいクリーチャーたちの襲撃に遭い、一致団結してサバイブしようと試みるが……というストーリーのホラーで、あの「ストレンジャー・シングス 未知の世界」にも大きな影響を与えている(というか同作はほとんどスティーヴン・キングのグレイテスト・ヒッツのような作品に昇華されているわけだが)。

 『ミスト』がなぜ、他のキング原作映画とは少し異なり、長年に渡ってカルト的に語り継がれているかというと、やはりあの虚無的でショッキングなラストが大きい。ヘヴィで観る者を突き放すような絶望感に観客は激しく動揺し、その余韻に嫌悪感を抱く者もいれば、中毒になる人もいた。物議を醸し、激しく賛否がわかれたが、一度観たら忘れられないホラー映画、という部分では意見は一致していたはずだ。

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 突然の未知なる恐怖に直面し、死に怯える住民たちのそれぞれの人間としてのリアルな反応、生存本能、家族への愛といったドラマ的な側面や、ラヴクラフト的なクリーチャーたちの造形やショック描写なども含め、ラストまでの過程もスリリングかつパワフルで申し分がなく、映画としてのクオリティが高いことも、この映画が人気の理由の一つだろう。個人的には白黒版も含め、4回ほど鑑賞した作品だ。

 そして監督・脚本を務めるのが、マイク・フラナガンである。カレン・ギラン主演のスーパーナチュラルホラー『オキュラス/怨霊鏡』(2013)で注目を集め、その後カーラ・グギノ主演のサイコロジカルホラー『ジェラルドのゲーム』(2017)と、『シャイニング』(1980)の続編『ドクター・スリープ』(2019)、そして『サンキュー、チャック』という3本のキング原作映画でメガホンを取ったキング原理主義者である。それどころか、ブライアン・デ・パルマ監督でかつて映画化された、あのキングの代表作をベースにしたテレビドラマシリーズ「キャリー」を製作・監督し、同作は2026年に配信予定となっている。フラナガンのキング作品への激しいオブセッションには驚嘆せざるをえない。

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 フラナガンは今年2月、アメリカのソーシャルメディア「Bluesky」でファンからの質問に対し、「ダラボンの映画(ミスト)は大好きだけど、リメイクする可能性は0%だ。まったく別の方向に向かうつもりだ」と語っているが、では、彼はどんな『ミスト』を作るつもりなのだろうか?

 まず、原作小説により近い内容で、ダラボン版とはまったく異なるアプローチをすることは明白だが、フラナガン作品の特徴である、エモーショナルでドラマ性の高いホラーになる可能性は高い気がする。そうなると、キャラクターのさらなる掘り下げや人間ドラマが顕著になるだろう。フラナガン製作の秀逸なゴシックロマンスホラーで、ヒットドラマシリーズ「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」(2020)のようにラヴストーリーを絡めてくる可能性もある。クリーチャーのデザインも、どんな改変を試みるのか楽しみだが、いかにイマジネーションを発揮するかに期待したい。エンディングはもちろん大胆に変えてくるはずなので、印象がまったく異なる作品へと着地する予感がする。

 フラナガンは現在、ジェイソン・ブラム製作、スカーレット・ヨハンソン主演の『エクソシスト』のリブート版(タイトル未定)を撮影中で、同作は2027年3月に北米公開予定だが、早ければ今年の終盤か2027年の前半には『ミスト』の製作に入るのではないだろうか。フラナガンは同じくキング原作の『ダークタワー』の再映画化にも意欲を燃やしているらしいので、しばらくは「キング祭り」が続きそうな勢いである。(小林真里)

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