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「豊臣兄弟!」足利義昭役・尾上右近が揺さぶられたシーン「自然と涙があふれてきた」

第13回より尾上右近演じる足利義昭
第13回より尾上右近演じる足利義昭 - (C)NHK

 仲野太賀主演による大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK総合・毎週日曜午後8:00ほかで放送中)で室町幕府将軍・足利義昭を演じる歌舞伎俳優・尾上右近が、本作で描かれる義昭像や、対峙する織田信長(小栗旬)との距離感、そして主演・仲野に刺激を受けたシーンなどについて語った。

【画像】信長が仕込んだ隠し部屋にドン引きの義昭

 大河ドラマ第65作となる本作は、戦国乱世を舞台に、「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」と言わしめた天下一の補佐役・豊臣秀長の目線で戦国時代を描くサクセスストーリー。尾上演じる義昭は、数奇な運命に翻弄された、室町幕府最後の将軍。足利将軍家の再興を目指し、明智光秀(要潤)を通じて信長に接近し、上洛を持ちかける。

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 尾上にとって大河ドラマへの出演は「青天を衝け」(2021・孝明天皇役)以来、約5年ぶり。本作で描かれる足利義昭について、尾上は「人の心を読むことに長け、状況に応じて相手が求める姿を演じることができる人物」といい、「政治的な頭脳だけでなく、人間の感情に対する理解も非常に深く、政治家としての才能もあると感じています。一方で、明智光秀の前では素の部分を見せるところがあり、その人間味も魅力的ですね。本音と建前が交錯する世界で生きる人ほど、義昭に共感していただけるのではないかと思います。将軍という特殊な立場にある人物ではありますが、できるだけ身近に感じてもらえるよう意識しながら演じています」と役へのアプローチに触れる。

 第11回「本圀寺の変」(3月22日放送)では仲野太賀演じる主人公・小一郎に刺激を受けたシーンがあったという。

 「三好三人衆が義昭の滞在する本圀寺を襲撃した回。絶体絶命の状況に追い込まれ、覚悟を固めた義昭に対して、小一郎から放たれた「ぶざまでも生き延びてくだされ!」というセリフには、義昭と同じように僕自身も心を大きく揺さぶられました。脚本を読んだ段階では想像もしていなかった芝居の展開でしたし、自分があそこまで感情を動かされるとは思いませんでした。太賀さんのお芝居に突き動かされるように、自然と涙があふれてきたので、その感情を思い切ってさらけ出しました。結果として、とても美しいシーンになったのではないかと感じています」と振り返り、小一郎と池松壮亮演じる藤吉郎(秀吉)演じる兄弟の印象を「意外なところで笑わせてくれたり、ふとした瞬間に励ましてくれたりと、人間の「隙」をくすぐるのが本当にうまい兄弟だと思います」

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 また劇中、火花を散らす信長との距離感については「義昭と信長(小栗旬)は、お互いに探り合っている関係に見えるかもしれませんが、私としては第13回「疑惑の花嫁」(4月5日放送)で信長に伝えた「そなただけが頼りじゃ」という言葉に、嘘はなかったと思っています」としながら、足利義昭を象徴する場面として「ただその一方で、信長という人物の計り知れなさも、義昭はひしひしと感じています。その思いが最も象徴的に表れているのが、同じく第13回で信長から、五ヶ条の条書を突きつけられた場面です」と第13回を回顧。

 同シーンにおける義昭の心情を「臣下の前では「自分のことを思ってこその忠言だ」と受け止めますが、内心では相当悔しかったでしょうし、政治の世界における自分の未熟さも思い知らされた瞬間だったと思います。信長にはどうしても届かない部分があるのではないか、という恐怖や不安も感じていたはず。その思いが怒りへと転じ、藤戸石を斬りつけるという行動として爆発する。あのシーンは、「豊臣兄弟!」における足利義昭を象徴する場面だと考えています」と分析している。(石川友里恵)

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