尾美としのり「鬼平犯科帳」火野正平さんの彦十役を引き継ぐ “うさ忠”からの抜擢に最初は「無理無理無理!」

池波正太郎さん原作のオリジナル時代劇シリーズ「鬼平犯科帳」のファンイベント「第2回 鬼平犯科帳祭」が26日に浅草公会堂で行われ、松本幸四郎と尾美としのりが出席、故・火野正平さんが演じていた密偵・“相模の彦十”役の後任を尾美が務めることが明かされた。
5月26日、27日の2日間にわたって行われる「第2回 鬼平犯科帳祭」は、松本幸四郎主演の「鬼平犯科帳」最新作をスクリーンで上映する、『鬼平犯科帳 本所の銕』『鬼平犯科帳 密告』特別先行版の7月10日公開に先駆けて実施される催し。最新作の完成披露、およびキャスト陣によるアフタートーク番組の公開収録などが行われる。
この日は、『本所の銕』をもって、尾美が火野さんが演じていた彦十役を引き継ぐことがサプライズで発表。尾美といえば、二代目中村吉右衛門版のドラマシリーズにおいて、“うさ忠”の愛称で知られる火付盗賊改方の同心・木村忠吾役でもお馴染みだ。
尾美は、彦十役のオファーについて「『鬼平犯科帳』なんですが……と言われた瞬間に無理無理無理! 怖い怖いという感じでしたね」と振り返る。その理由として「前回の『鬼平』で27~28年くらい木村忠吾でやってきたのに、違う役で出ることで、視聴者の方に邪魔な感情が入ってしまうんじゃないかと思った。そういうのが怖いなと思ったんです」と正直な思いを告白する。
さらに「しかもその時は、三代目江戸家猫八師匠がずっとやってきた役。自分の実力じゃちょっと厳しいなと。さらに火野さんがやっていた作品を観て、これはやらない方がいいんじゃないかと思い、逃げの体制に入ってました」と付け加えて会場を沸かせた。
そんな腰の引けていたところ、なぜ彦十を演じようと思ったのか。尾美は「“尾美さんがいい返事をくれないと、京都から山下智彦監督が説得にやって来る”と詰められて。面倒くさいなということでやろうと思ったという感じです」と冗談めかすと、会場からは歓迎の拍手がわき起こった。
そんな本作の撮影について「クランクインは幸四郎さんと一緒で、『密告』のクライマックスシーンから。緊張の中で幸四郎さんとふたりで芝居をしていたんですけど、細かいことを覚えてないんですよ」と振り返った尾美。幸四郎も「新たに尾美さんの彦十がはじまるんだなという感じで、不思議な感じがしましたね」としみじみと語った。
2024年11月14日に火野さんが逝去したことを受けて、スタッフの中からは「彦十を出さないということも考えた方が良いのでは?」という意見もあったという。だが幸四郎は、首を振ってその提案を拒否したという。「もちろん、火野さんと一緒にたくさんの作品を作っていこうと思っていました……ただ、彦十がいない『鬼平』って面白いですかと。僕はそうじゃないと思ったので、止まらずに歩み続けましょうと言いました。それで、尾美さんが引き受けてくださった。本当に尾美さんのおかげで今日があると思っています」と感謝を述べた。
特別先行版「鬼平犯科帳 本所の銕/密告」は7月10日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開


