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『死ねばいいのに』京極夏彦、原作ものに持論「原作通りである必要はないけど、いかに原作を汲むか」

『死ねばいいのに』公開記念舞台挨拶での京極夏彦
『死ねばいいのに』公開記念舞台挨拶での京極夏彦

 作家の京極夏彦が4日、都内で行われた、自身の小説の映画化作品『死ねばいいのに』の公開記念舞台挨拶に出席し、主人公の性別が変わるなど、変更が加えられた映像化作品に、原作者の立場から持論を述べた。

【画像】奈緒、伊東蒼らが登壇した『死ねばいいのに』公開記念舞台挨拶の様子

 本作は何者かによって殺害された女性・鹿島亜佐美(伊東蒼)を巡り、渡来映子という女性(奈緒)が彼女と関わりのあった人たちを尋ね歩き、死の真相に迫るミステリー作品。この日は主演の奈緒と伊東、本作のメガホンを取った金井純一監督も登壇した。

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 冒頭、原作者の京極は「書いたのは15年くらい前。書いてからずいぶん経っている。この企画も長くかかっていて、この日は来ないと思っていたので、無事に、難産の末に生まれた感じがあります」と感慨深げ。「今回、僕のところに来ている話もいい話が多い。(映画の)評判は悪くない。ちょっと驚いています。このタイトルですよ」といじりつつ、笑顔を見せる。

 原作と映画では主人公の性別や属性が変わるなど、大幅な変更が加えられている。京極はその点についても「そもそも僕の小説では亜佐美は出てこない。映子もいない。原作だと男なので。原作をそのまま映像に移植することはできないので大丈夫だと思っていた」と不安はなかったといい、キャスティングを聞いた時も、おまかせというスタンスだったと明かす。「元々僕は(映像化の際は)何も口を出さない。完成を楽しみにしていただけ。でも、結果、楽しませていただいた」と作品の仕上がりに満足げな表情を見せる。

 京極は原作を実写化した作品についても「僕は原作付きの映画というのは、原作に輪をかけ、お金をかけ、力を入れた評論だと思っている」と持論を述べ、「原作通りである必要はないけど、いかに原作を汲むかだと思っています。原作を読まれた方もいるでしょうが、読んだ皆さんの中にある風景とこの作品の風景は違います。これは監督や脚本家が作った、行間を読んだ僕の作品であり、そして奈緒さんや伊東さんが具体化してくれたもの。作品としては全く別物ですが、でも、同じものです。僕はとてもありがたいなと思いました」と映像化された本作を楽しんだという。

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 客席へも「ぜひ、読んでない方は読んでもらえたら嬉しい。そして同じような風景が見えるかどうか考えていただけたら嬉しい」と話していた。

 奈緒も「昨日映画館へ観に行きました」と述べ、「反響も『#死ねばいいのに』で見ています。試写でも観ているけど映画館で観るのとやっぱり全然違う」と述べ、「何より席にいると、皆さんが真剣に見ている姿を見られていいなと思いました。終わった後に息が漏れるような、皆さんそれぞれ自分の中で噛み締めている感じが伝わってきて、とても幸せな時間でした」と話す。

 今回、伊東とは初共演だったというが、「わたしは元々蒼ちゃんをスクリーンで観ていた」と述べ、「憧れもあるし、好きだし、ご一緒できることが嬉しかった」と共演の感想を述べる。

 「最初は本読みの時に、お顔を見ないようにしていた。(伊東への)ファン心を抑えるために。役を掴むことに集中しようとしていましたが、本読みで蒼ちゃんのセリフや声を聞いた時に、あ、わたしは映子になれるって思ったんです。掴めなかった糸の端を掴んだような気持ちにさせていただいた。言葉にできない惹かれる気持ちが彼女の中に存在していたんじゃないかなって」としみじみとコメント。伊東も「笑顔が素敵で、奈緒さんがいるだけで場が明るくなる。わたしも本読みの時に、一目惚れのような感覚がありました」と共演の感想を振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)

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