仮面ライダー夢現、アシメトリーなデザインの狙い 映画『ゼッツ』谷中寿成P&PLEX山本輝デザイナーが明かす誕生秘話

映画『仮面ライダーゼッツ さよならのミッション』のプロデューサーを務める谷中寿成(東映)と、キャラクターデザインを担当した山本輝(PLEX)がインタビューに応じ、曽野舜太(M!LK)扮する玖門宗馬(くもん・しゅうま)が変身する仮面ライダー夢現のデザイン秘話を明かした。
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本作は、現在放送中の特撮ドラマ「仮面ライダーゼッツ」の集大成となる劇場版。エージェントとして活動する主人公・万津莫(今井竜太郎)が、現実世界を「白昼夢」の世界へと作り変えようと目論む国家公安委員長・玖門宗馬に立ち向かう。
映画で初登場する仮面ライダー夢現のデザインは、物語のカギとなる白昼夢を体現したもの。左右非対称な見た目も特徴的だ。谷中プロデューサーは「敵のキャラクター設定が『白昼夢の仮面ライダー』、つまり夢と現実、夜と昼の両方の力を持つという方向性になったため、アシンメトリーなデザインを考えていただきました」とデザインの出発点を明かす。
発注を受けた山本は、左右で色や造形を大きく変えたデザインを考案した。「左肩には突起があるのに対し、右肩は大人しめにしたり、Vアンテナの長さも変えています」
「特に目に関しては、今までにないチャレンジとして、右目を完全に無くすのではなく、寝ている状態と起きている状態を表現するために『薄く覗き込んでいるように少しだけ開いている』というデザインにしました。谷中プロデューサーからも多くのフィードバックをいただきながら、これまで見たことのない、バランスの良いダークライダーが完成したと思います」
谷中プロデューサーによると、仮面ライダー夢現は左側=「起きている方」の力で攻撃し、右側=「寝ている方」の力で吸収する戦い方をするという。こうしたアクションの変化も、左右非対称のデザインに反映されている。
また、仮面ライダー夢現の武器となる刀は、谷中プロデューサーや上堀内佳寿也監督の要望で追加されたもの。「変身者である玖門宗馬が剣術を嗜(たしな)む設定になったため、キャラクターの統一性を持たせるために、日本刀に近いシルエットの刀で戦うスタイルにしていただきました。剣道には、精神統一のために目をうっすら開ける『半眼』という状態があります。仮面ライダー夢現の右目のデザインと刀の組み合わせからも、その要素が感じられて、素晴らしい統一感だなと改めて思いました」
刀もデザインした山本は「実は、この武器は造形チェックの現場で急に決まったんです」と意外なエピソードを明かした。「谷中プロデューサーと上堀内監督から『今から刀を描いて!』とタブレットを渡され、その場で撮った刀の写真をもとにデザインを描いていきました。10年以上この仕事をしていて初めてのことで、非常に貴重な経験でした」
玖門を演じる曽野は、撮影のために剣術の所作指導を受け、本格的な殺陣に初挑戦している。谷中プロデューサーは「劇中のアクションのために熱心に刀の扱いを練習してくださったのですが、もの凄く飲み込みが早く、経験者かと思うほど上達されました。変身前のアクションの説得力が、変身後の仮面ライダー夢現の強さへと綺麗につながっています」と曽野のポテンシャルの高さを評価しており、「主人公と完全に敵対する仮面ライダーは、『ゼッツ』史上初めてです。二刀流の仮面ライダードォーンとはまた違う、日本刀スタイルのアクションをぜひ劇場で堪能していただきたいです」とアピールしていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
映画『仮面ライダーゼッツ さよならのミッション』は7月24日(金)より全国公開(映画『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ 太陽が泣いた日』と2本立て上映



