東映、閉館直後の「丸の内TOEI」をぶっ壊すアクション撮影!成宮寛貴が青木マッチョと規格外の死闘『藁にもすがる獣たち』前代未聞のロケ密着

ぶっ壊れた場内入り口で城定秀夫監督、青木マッチョ、成宮寛貴、ニノ宮隆太郎
ぶっ壊れた場内入り口で城定秀夫監督、青木マッチョ、成宮寛貴、ニノ宮隆太郎 - (C) 曽根圭介/講談社 (C) 2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

 2025年7月27日、65年の歴史に幕を閉じた東京・銀座の東映直営館「丸の内TOEI」。それから数日後、役目を終えた劇場内では、東映の新作映画『藁にもすがる獣たち』(2026年9月25日公開)の撮影が行われていた。取り壊しを待つ映画館のありし日の姿をスクリーンに刻んだ、車が突っ込み、筋肉が躍動する撮影の様子をレポートする。

【動画】激闘シーンも!『藁にもすがる獣たち』予告編

 1960年の開館から歴史を刻み続け、閉館した直後の丸の内TOEI。閉館後の同館で映画のロケが行われるのは初のこと。劇場内にはカメラや照明、撮影機材が所狭しと並び、膨大な数のスタッフがせわしなく行き交い、客席に観客役のエキストラがずらり。役目を終えた劇場とは思えない、活気にあふれていた。

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 映画『藁にもすがる獣たち』は、韓国でも映画化された、作家・曽根圭介のミステリー小説が原作のサスペンス。地方都市を舞台に、鈴鹿央士演じる弱小YouTuberで大学生の主人公・佐藤寛治が、偶然にも1億円入りのボストンバッグを手にしたことから、どん底に生きる人間たちのマネーサバイバルが繰り広げられる。

 丸の内TOEIのロケに参加したのは、本作が俳優復帰後、初の映画出演となった成宮寛貴。成宮にとって、丸の内TOEIは思い出の地だ。「本当に思い出深い、歴史ある劇場。まさかここを『ぶっ壊す』ことになるとは(笑)。最高のタイミングで映画に使わせてもらえて本当に光栄です」と笑顔を見せる。

ボロボロの死闘 成宮寛貴と青木マッチョ

 成宮が演じる江波戸良介は警察官。ヤクザとの癒着でうまい汁をすすってきた良介は、組から5,000万円の借金を負うハメとなり、決死のマネーサバイバルに参戦する。

 この日撮影されたのは、廻り廻って1億円を手にした良介が、彼を追うヤクザ、郷田組の懐刀・エリンギ(青木マッチョ)と激闘を繰り広げる場面。逃走のため、舎弟・デメキン(ニノ宮隆太郎)の車に乗り込んだ良介だが、後部座席に隠れていたエリンギと乱闘に。車内乱闘の末に車は営業中の映画館に突っ込み、劇場内で死闘を繰り広げるという、本作の見せ場となるアクションシーンだ。

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劇場に突っ込んだ車。ボンネットには…

 撮影現場に入ると、多くの観客が通った丸の内TOEIのドアはすでに破壊されており、その先には黄色い乗用車が。ド派手な破壊とチンピラ愛用の小型乗用車のギャップが面白い。入念な準備の後、本番の声と共に座席をなぎ倒しながら車が劇場に突っ込み、観客が逃げ惑う。まさに閉館後の映画館でしか撮影できない、どんなに予算をかけても再現できない贅沢なシーンだ。

 場内の座席の一部は取り外され、壮絶なクラッシュの後を再現。ボロボロになったボンネットの上には、東映を代表するヤクザ映画『仁義なき戦い』のポスターが。さらに映画館では『仁義なき戦い』を上映中という設定。東映の歴史を支えてきた、アウトローたちへの惜別の思いが滲むようなスタッフの映画愛がのぞく。

 観客が逃げ惑うなかで繰り広げられるバトルは、座席や人が吹っ飛ぶ、ワイヤーも駆使した骨太なアクション。青木マッチョが演じるエリンギは、筋肉を生かしたパワフルな攻撃だけでなく、意外な身軽さで良介を追い詰める。圧倒的な筋肉の塊を相手に、良介は窮地を脱することができるのか。

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撮影は和気あいあい。青木マッチョのバースデー祝いも

 将来のアクションスターの片鱗をのぞかせた青木は「映画館は本来静かにする場所。そこで『騒ぐ、走る、壊す』といった、“やってはいけないこと”を全てやり尽くしたので、背徳感があって楽しかったです」と笑顔。成宮は「マッチョさんの一撃のパワーが想像以上で、もちろん怪我がないよう調整してくれているのですが、(打撃の)重さが凄かったです(笑)。このシーンはクライマックスにぐっと向かっていく重要なシーンなので、大切に演じました」と手応えをのぞかせる。

 その言葉に、青木は「筋肉を大きくしたせいで少し動きが遅かったり、成宮さんへのダメージが強くなったりしたので、筋トレしていて悪かったなと思う気持ちもあります(笑)。ただ、その分アクションに“重厚感”は出せたと思うので観てください」とジョーク。ニノ宮が「ずっと間近で見ていて、成宮さんとマッチョさんのバトルにワクワクしっぱなしでした。ぜひ、注目してほしい」と語ると、青木は「ニノ宮さんのデメキンも、とにかく可愛すぎるんです。その素晴らしい演技と表現力にぜひ注目してください」と共演者を賞賛していた。

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 本作のメガホンを取るのは、『名無し』『嗤う蟲』『アルプススタンドのはしの方』などの城定秀夫監督。青春映画から成人映画まで、100本以上もの幅広い作品を手掛けてきた城定監督にとっても、今回はかつてない挑戦になったという。

 「脚本段階で『今まで見たことのない、面白いアクションをやりたい』という意見が出ていたなか、まさにこの東映本社でプロデューサーやアクション部と会議をしていた際、ちょうど撮影のタイミングでビル(丸の内TOEI)の取り壊しが決まっていると耳にして。そこから『映画館を使えるんじゃない?』と。できるかできないかわからない中で準備をして、皆さんの強引な頑張り(笑)と調整のおかげで、やっと実現にこぎつけることができました」

歴史ある場内でどんな死闘が繰り広げられるのか

 閉館した自社の劇場に車を突っ込ませるという、会社ぐるみで“アウトローの東映”を地でいくような試みに、どんな映像が完成するのか。「アクションあり、サスペンスあり、怖い部分もあり、涙はあまりない感じですが(笑)。僕の思う娯楽の要素を詰め込んだ作品。あまり深く考えずに楽しみながらも、今まで見たことのない表現に出会える作品になっているはずなので、ぜひ楽しみにしていてください」という城定監督。数々の歴史を刻んだ映画館をスクリーンに刻む一本としても、完成が楽しみでならない。(編集部・入倉功一)

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