「VIVANT」後半戦、アリはバルカで“留守番”なのか 山中崇「最後まで気が抜けない」

日曜劇場「VIVANT」(TBS系・毎週日曜よる9時~)で、解体した国際テロ組織「テント」の元幹部・アリを演じている山中崇。第1シーズンでは、別班に所属する主人公・乃木憂助(堺雅人)から過酷な尋問を受け、第2シーズンでも再び乃木に拘束された。そんな“受難続き”の彼は現在、再びテントとつながり、ノコル(二宮和也)からバルカ共和国で留守を託されるまでになっている。4日に開幕する第2シーズン後半戦を前に、山中が撮影秘話や初挑戦となったタイ語の苦労について語った。
ノコルの言葉で「アイデンティティを取り戻せた」
ーー第2シーズンのアリは、人間味や温かさがより感じられるようになりました。山中さんはどのような人物として捉えていますか?
第2シーズンのアリは、組織の中では会計係のような立ち位置なのかなと捉えています。財務に強いだけでなく、ノコルから任されていることを考えると、行き過ぎた部分を正したり、全体のバランスを整えたりできる人物なんじゃないでしょうか。
みんなが奪還作戦に向かうときも、自分は前に出るのではなく、後方に残って守る。「みんなが思い切って作戦を遂行できるように、自分はここを守っておく」という役回りですよね。そういう意味では、前に出るというより、後ろからみんなを支える“守り役”なんだと思います。
ーーノコルとの関係性については、どう捉えていましたか?
ノコルはベキ(ノゴーン・ベキ/役所広司)の養子で、アリも幼い頃からその成長を見守ってきた存在です。尊敬するベキの後継者であるノコルから直接誤解していたことについて謝られ、「頼りにさせてもらう」と言われたことは、やっぱりうれしかったでしょうね。
アリ自身には、テントを一度「裏切った」という思いがずっとあった。でも、彼のアイデンティティはバルカにあり、テントにあると思うんです。新たなリーダーであるノコルに受け入れてもらえたことで、失っていた自分のアイデンティティを取り戻せたような感覚もあったんじゃないでしょうか。
初挑戦のタイ語に苦戦「何言っているか分かんない」
ーーアリはタイ語、モンゴル語、日本語など、さまざまな言語を話します。多言語を使っての演技はいかがでしたか?
とにかく、可能な限りレッスンをお願いしました。言葉って、その人が生きてきた人生の一部だと思うので、いい加減にはできないという気持ちがあるんです。ネイティブではないからと考える前に、まずは自分にできることをやろうと思って、しっかり練習しました。
タイ語でセリフを言うのは初めてだったのですが、レッスンの初日に監修の先生から「え? 何を言っているか全然分からない」と言われて(笑)。かなりショックでした。以前、中国語を少し習った時に、四声(※しせい/言葉の意味を区別するための「声の高さや高低の変化(声調)」の数)があってすごく難しかったんですよ。それなのに、タイ語は五声(ごせい)あると聞いて、「五個ある!?」って(笑)。本当に難しかったですね。
それでもレッスンを重ねるうちに、先生から「聞こえるようになってきた」と言っていただけて。やっぱり積み重ねは大事だと感じました。撮影現場にも先生がいてくださったので、セリフの話し方が変更になったときにもすぐ相談できて心強かったです。とはいえ本番では、かなり緊張しました。
ーータイの有名実業家・チョッキー役のオーム・タナパックさんとのタイ語での芝居はいかがでしたか?
さすがに全部を聞き取ることはできないので、「このタイミングで終わる」という感覚に合わせていました。ただ、言葉は分からなくても感情は分かる。激昂して、そこから沈んでいくリズムの中で「あ、ここかな」と感じることはありました。
堺雅人は「超パーフェクト」二宮和也には安心感をもらえる
ーー乃木役の堺さん、ノコル役の二宮さんとの共演はいかがでしたか?
二宮さんはすごく気さくで話しやすいですし、周りを緊張させないような居方をしてくださるので、とても心強かったです。「VIVANT PREMIUM SUMMER PARTY」でも自然に話を振ってくださったりして、さりげない優しさを持っている方なんだなと感じました。
緊張感のあるシーンの撮影後に、二宮さんが「あの時はさすがに緊張しましたよね」と話していて。「あ、僕だけじゃなかったんだ」と分かって、少し安心したんです。
堺さんはもう、「超パーフェクト!」みたいな感じなんですよ(笑)。一方で二宮さんは、「でも、やっぱり人ってミスするよね」と思わせてくれるような安心感がある。そういう意味でも、あの兄弟はすごくバランスが取れているんじゃないでしょうか。
ーー海外ロケで印象に残っていることはありますか?
アゼルバイジャンで一人で観光していた時、タクシーに乗ったんです。ドアの閉め方で運転手さんにものすごく怒られて、「怖っ」と思って(笑)。気をつかって静かに閉めたはずなんですけど。ところが、日本から来たと伝えた瞬間、「ジャパン!?」って態度が一変したんです。
そこから「日本が大好きなんだよ!」って、とても親切にしてくれて。降りるときには、わざわざ後部座席まで回ってドアを開けてくれました(笑)。最初との変わりようには驚きましたけど、日本に対してそんな気持ちを持ってくれているんだと知って、少し誇らしくなりました。
ーーファンの方からの反響はいかがですか?
「VIVANT」は、ファンの方の熱量がすごいんです。街で「観ています」と声をかけていただくときも、本当に次の展開を楽しみにしてくれていることが伝わってきます。握手を求められて手を握ると、その力がすごかったりして(笑)。「ああ、これは本気だな」って。そこまで作品を楽しんでくださっているんだと思うと、うれしいですね。
「来週まで待てない」子どもの頃のワクワク感
ーー山中さんが感じる「VIVANT」の魅力とは何でしょうか?
冒険心をくすぐられるところだと思います。「次はどうなるんだろう」「あの人、実はこうなんじゃないか」と考察できる余地があって、子どもの頃のようなワクワクを思い出させてくれるんですよね。
僕は小学生の頃、週刊漫画の続きを毎週楽しみにしていて、「ここで終わるの!? 来週まで待てない!」と思っていた感覚に近いです。次の展開が気になって仕方がない。そんな気持ちを大人になってからもう一度味わえるところが、「VIVANT」の魅力なんじゃないでしょうか。
ーー第19話では、いよいよ別班員奪還作戦が動き出します。アリはバルカの留守を預かることになりますね。
お留守番します(笑)。ちょっと一緒に行きたい気持ちもありましたけど、そこはしっかり守ります。
……でも、待ってください。僕、「留守番」って言いましたけど、どうなるか分かんないですからね(笑)。そこは油断できないですよ。アリは本当に守れるのか。「ちゃんと留守番できるかな?」というところもあります。
「VIVANT」は、本当に「その角度から来る!?」という展開があるので、最後まで気が抜けません。ここからは冒険の色合いもさらに強くなって、また少し違った雰囲気になっていくと思います。ぜひ引き続き楽しんでいただけたらうれしいです。



