BE:FIRST・JUNONが誰よりも尊敬する存在

柳楽優弥主演の映画『RYUJI 竜二』(10月30日公開)で、主人公のヤクザ・竜二(柳楽)の舎弟であるひろしを演じているJUNON(BE:FIRST)。2作目の映画出演となる本作では「役者としても人としても成長できた」というJUNONが、撮影の裏側から自身のリスペクトする存在までを語った。
本作は、1983年に公開された『竜二』をリメイク。同作は主演・脚本を務めた金子正次が映画公開の8日後に死去し、日本映画史に刻まれる伝説となった。物語の舞台は、1984年(昭和59年)から1990年(平成2年)にかけての新宿・歌舞伎町。腕っぷしが強く情に厚いヤクザ・竜二(柳楽優弥)が、妻・まり子(川栄李奈)と生まれたばかりの息子のため、裏社会から足を洗いカタギとして奮闘しながらも、“もう一つの家族”との絆に揺れるさまが描かれる。監督を、ドラマ・映画「ゆとりですがなにか」シリーズや映画『おまえの罪を自白しろ』(2023)などの水田伸生が務める。
ヤクザらしくないヤクザを意識
JUNONが演じるのは、竜二の舎弟の一人であるひろし。竜二にとって“もう一つの家族”にあたる、かけがえのない存在だ。JUNONは出演を決めた理由について「自分の日常からはかなりかけ離れた役柄でもあるので、自分の知らない新しい世界を経験することができるんじゃないかと思い、やってみたいと思いました」と振り返る。
竜二のもう一人の舎弟・直(萩原利久)がけんかっ早くトラブルメーカーであるのに対し、ひろしは穏やかな性格。竜二に憧れ、ひたすらその背中を羨望のまなざしで見つめる。そんなひろしを、JUNONは「カタギの世界にもいそうな人」と語る。
「この作品、ヤクザの中でも、ヤクザらしくないタイプでもあるなと思っていました。竜二に憧れているので、なるべく竜二の背中を見て、真似をするわけではないですけど、いろいろなことを吸収して生きているようなキャラクターでもあるので、柳楽さんご本人を見て多くを学ぶことを意識していました。後半のシーンでひろしが竜二の服装をほぼ真似て、同じようにサングラスをつけて現れるところがあるんですけど、そういったシーンは前のシーンでの竜二の立ち振る舞いをよく見ていなければ、と」
竜二がカタギになって以来、ひろしとその相棒・直は明暗が分かれることに。複雑な立場に陥るひろしの心中を、JUNONはこう分析する。
「竜二と離れてからもひろしの頭の中には常に竜二がいて、竜二と自分たちの城であるカジノを守ることだったり、成り上がりつつも背景には“竜二のために”という想いがあるのが大事だと思っていました。ひろしがカジノで(竜二の兄弟分)カズ(三宅健)を追い返すシーンはその最たるもので、目力も強くしました。竜二の背中を見て学んできたことが出た場面だったのかなと思います」
誰よりも尊敬するのは両親
劇中では複雑な関係となる萩原だが、実際は「いろいろな趣味がマッチして。ゲーム、スポーツ、サッカーも好きなので、最初からすぐ仲良くしてくれて、とてもやりやすかったです」というJUNON。一方、主演の柳楽に対しては、抱いていた印象といい意味でギャップが大きかったようだ。
「初めに抱いていたイメージと全然違って、すごく物腰が柔らかい方で。以前から『ガンニバル』など柳楽さんが出演された作品を拝見していたのですが、穏やかではないキャラクターを演じられることが多かったので、初めはちょっと怖い人なのかなと思っていました(笑)。現場では気さくに話してくださって、すごくやりやすかったです。劇中と同様に“兄貴”のような感じでした」
なお、ひろしが竜二をリスペクトしているように、JUNON自身が誰よりもリスペクトしている存在を問うと「両親」を挙げた。
「父親、両親ですかね。親はやっぱりすごいなと思います。父親は音楽をやっていたんですけど、楽器は何でもできたりするので、尊敬するところはすごく多いです。何かあればまず家族に言います」
ところで、本作では人物デザイン監修・衣装デザインを、ドラマ・映画「岸辺露伴は動かない」シリーズや大河ドラマ「どうする家康」(2023・NHK)などの柘植伊佐夫が手掛けており、洗練された衣装も見どころの一つ。JUNONが柘植とのやりとりで特に印象に残っているのは、自身のチャームポイントでもある「襟足」だったという。
「衣装合わせのときにヘアメイクも見て頂いたのですが、僕は普段から襟足が長いので、それを切るか切らないかといったところを一緒に考えて、結局切らない選択肢にしてくださいました。時代的には襟足が長いヘアスタイルはあまりなかったそうなのですが、おそらく個性として残してくださったのかなと思います。特に気に入っている衣装は、(竜二の跡を継いでからの)カジノでのピシッとしたスーツとか、後半で竜二の家を訪問する際のホワイトのスーツ。“ようやく竜二のような衣服を着られた”気がしてすごく好きなシーンです」
歌うのが「怖かった」玉置浩二の名曲
本作でJUNONは俳優としてのみならずBE:FIRSTとして主題歌「It’s not a bad life」 を、ソロとして挿入歌も担当。挿入歌には、玉置浩二の名曲「メロディー」のカバーが起用されたが、「歌うのが怖かった」と振り返る。
「『メロディー』は、もともと好きな曲でしたが、歌うのは怖くて。有名な曲ですし、しかもこんな歴史のある映画で歌わせていただくというダブルのプレッシャーがありました。でもアーティスト業の方は本業でやらせていただいてるので、そこは自信持ってやらなければと。作品の中で流れることを意識しながら、玉置浩二さんのエモーショナルな歌唱を崩さないように。僕としては、あまりBE:FIRSTの曲ではない感情の入れ方といいますか、ここまでしっかりしたバラード曲はあまりないので、しっかり感情を込めて歌わせてもらいました」
主題歌「It’s not a bad life」 は、作詞にも参加している。撮影が終わってから作業を開始したといい、「竜二のことを書きたいと思いました。トラックを作る際も竜二らしい、どっしりした立ち姿や雰囲気を出したいと思ったので、そういう楽曲をリファレンスに出させていただいて、制作が始まりました」
BE:FIRSTとしては5周年を迎えるJUNON。世界4都市を回るワールドショーケース「BE:FIRST WORLD SHOWCASE 2026」が開催中だ。映画出演2作目となった『RYUJI 竜二』では、「役者として、人としても成長できた」という。
「前回『WIND BREAKER/ウィンドブレーカー』(2025)という作品に出させていただいて、その時よりも出演シーンが多く、人間らしい役柄でもあるので、しっかり演技レッスンも受けて臨ませていただきました。演技への取り組み方、集中の仕方みたいなのも定まったといいますか身に付いた気がします。また、ひろしという一人の人生を演じることによって、普段考えない人の気持ちを自分に取り入れることができたのかなと。アーティストとしてでもありますが、一つ選択肢が増えたり、思考も変わるんじゃないかと思います」と語り、“やり切った”充実感をのぞかせた。(取材・文:編集部 石井百合子)



