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メル・ギブソン『サイン』インタビュー

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メル・ギブソン インタビュー
メル・ギブソン インタビュー

(C)TOUCHSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED
『サイン』
元牧師のグラハム(メル・ギブソン)は妻を亡くし、元マイナー・リーグの野球選手の弟(ホアキン・フェニックス)と2人の幼い子供たちと農場で平穏に暮らしていた。ある日、子供の悲鳴を聞きつき駆けつけたグラハムが見たものは巨大なミステリーサークルだった……。

製作年: 2002年
製作国: アメリカ
日本公開: 9月21日
(日比谷スカラ座1他全国)
上映時間: 1時間47分
配給: ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)


『サイン』公式サイト

史上14番目の興行的ヒットとなった『シックス・センス』と、その次の作品『アンブレイカブル』で、M・ナイト・シャマラン監督はブルース・ウィリスを主役にキャストし、成功を収めた。しかし、この秋公開になる最新作『サイン』の主役に、シャマランが思い描いたのは、メル・ギブソンだった。2人の子供を持つ、元牧師のグラハムに、実生活でも7人の父親で、信心深いことで知られるギブソンを配するというアイディアは、非常に納得のいく選択だ。『パトリオット』や『ワンス・アンド・フォーエバー』など、子供を持つ父親の役が続いている彼に、そのことを指摘すると、あっさりと肯定して笑う。「そうそう。しかも、どれも妻に先立たれているんだよね。どうも僕は最近、シングルファザーに縁があるな。今回の場合は、シャマラン監督が僕に脚本を送ってきて、さらに電話をかけてきたんだ。『ぜひ読んでみてほしい。そして、気に入ったら、主演してほしい。そうなることを願っている』ってね。読んでみたら、すごく気にいった。物語の初めの部分では、観客には、この男が何か辛い思いをしていることは分かるが、その理由が何なのかは分からない。最初に与えられるのは、物語を進めるに必要な最低限の情報だ。細かい事情は、ストーリーが流れるにしたがって、少しずつ明らかにされていく。それはシャマランが『シックス・センス』の時も使った手法だが、物語の語り手としての彼の才能があってこそ、できるテクニックだよ」

基本的に僕は、余計な提案は、あまりやりたくないんだ

自らも『ブレイブハート』でオスカーの最優秀監督賞を受賞しているが、他の監督の作品に俳優として出演する時は、あれこれと口出しをするのは好まないのがギブソンだ。「時々、向こうから、『どう思う?』と意見を聞かれたりする時もあるけど、基本的に僕は、余計な提案は、あまりやりたくないんだ。映画は、監督のヴィジョンに従って作られるべきだと思うから。今回も、僕はシャマランの腕に完全に信頼を寄せていた。彼みたいな監督だったら、何も心配する必要もないさ」自分の子供を演じる子役のキャスティングも、キャスティング・ディレクターや監督に完全に委ねるというギブソン。しかし、たとえどんな子供たちが選ばれても、うまくやっていけるのは、ギブソンの得意技のようだ。「もともと僕は子供が大好きだからね。子供たちは、経験も浅いかわりに、大人の俳優が抱えているような余計なお荷物も持っていない。複雑さがないんだ。経験がないことを自分でも知っているから、非常に正直でもある。そういうピュアな態度を観察するのは、僕にとって、とても楽しいことなんだ」

神の存在は信じるよ。自分たちより偉大なもの、と言った方が正しいかな

一方で、自分の子供には、少なくとも大人になるまでは、俳優デビューを絶対させないというポリシーを通してきている。「18歳や19歳になって、どうしてもやりたいと思うなら、やればいい。でも、子供のうちは、普通に学校に行きなさいと言いきかせてきた。理由? ハリウッドは子供にとっては不自然な環境だから。それに彼らをダメにするのも嫌だったしね。その結果、今、娘は自分のやりたいことを見つけたようだし、年長の3人の息子たちも、それぞれ大学に行っている。残りの3人はまだ14歳以下だけど、このうちの1人は、俳優になりたいと言っているな。かなり本気みたいだし、こいつは、顔もすごくハンサム。もっとも、妻に似ているからなんだけど(笑)。こいつと、そのすぐ下の息子は、もしかすると、俳優になるかもしれないね。もしもそうなったら僕は応援するさ」そもそも、7人もの子供を持つことになった背景のひとつには、ギブソンが敬虔なカトリックであることもあると言われる。ある意味で保守的な価値感を持つ彼は、22年間、同じ女性と結婚し続け、世間から感心されている一方で、フェミニストの反感を買うような発言をして、話題になったこともある。この映画で彼が演じるグラハムは、信仰に疑問を感じて牧師をやめるのだが、その気持ちは、ギブソン自身、理解できる心理だという。「神の存在は信じるよ。神、というより、自分たちより偉大なもの、と言った方が正しいかな。自分たちより優れたものがクリントンやブッシュなんだとしたら、悲しいじゃないか(笑)。いや、彼らも悪くはないけど、もっと違う水準で卓越したものというのはあると信じたいんだ。それでも、信仰を疑うことは、誰でも、一度ならず何度かは、必ずある。辛いことが起こった時、『なんだ、結局、神なんて助けてくれないんじゃないか』って思ったことは、誰でも覚えがあるはずさ。だけど、そんな時こそ、信じているものを維持し続けることが大切なんだ。悲惨な状況にあっても、なるべく平常心を保ちながら、クリアなヴィジョンで物事をとらえる。結局、それが問題解決への一番の道でもあるんだから。辛い状況、それは、自分の信仰心をテストされる時なんだ。残念ながら、実に多くの人が、そこであきらめてしまうんだけど」

僕は、今までで最高に、この結婚に心地良さを感じている

人生で訪れる困難は、自分へのテスト。それをひとつひとつくぐり抜けることで、大事なものを守り通す。それは、彼の結婚にも、そのまま通じる態度だ。「結婚というのは、今後一生を共に過ごそうという約束、契約だ。でも、どんなパーフェクトな相手を見つけても、困難は絶対に、絶対にやってくる。その時『もうやめちゃえ』と、結んだ約束をあっさり破棄してしまうのか。それとも、相手と一緒にそれを乗り越えようとがんばるのか。障害は、実のところ、2人を殺す『敵』ではなく、むしろ関係を強くしてくれるチャンスなんだ。結婚して22 年の今、僕は、今までで最高に、この結婚に心地良さを感じている。今後もトラブルは起こるさ。そう思うと怖いよ(笑)。でも、何が来ても彼女とまた一緒に立ち向かっていくことができる、今はその自信がたっぷりある。この業界、とくに僕のようなレヴェルの人間には、僕ら夫婦みたいな例はごくごく稀。自分はラッキーだと思うよ」困難を恐れず、信念をもって進み続けるギブソン。『マッド・マックス』や『リーサル・ウエポン』のような、派手はアクションはなくても、彼はヒーローを演じるにふさわしい、強い精神とモラルを持った男なのだ。

(猿渡由紀)

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