アン・リー監督独占インタビュー<まほの突撃インタビュー>
前作「グリーンデスティニー」(green destiny)では、CGを駆使した映像美で観客を魅了し、アカデミー賞を受賞したアン・リー監督がアメリカの人気コミックマーヴェルのスーパーヒーローである超人ハルクのリメイクに挑戦した。
A いやあ、あんまり。
A 私と一緒に映画を作ってくれる人たちは、本当に大変だと思います。時代の最先端の技術をもった彼らに、アナログ人間の私と古典的な映画を作っていってもらわなければいけない。それがいつでも一番大変なんです。
まほ それではCGの技術を学んだことはなかったのですか?
でも、この映画はハルクが人間であるときの俳優はいても、“ハルク”を演じる俳優は存在していなかったので、エンターテイメント的要素を含んだシーンでは私の頭の中で観客を沸かせるほどに大暴れするハルク自身をヴィジュアル化させながら演出していかなければなりませんでした。 そのために、ストーリーボーダーに頼み、アニメーションも作りました。ハルクが画面に入ってくるのは、当然のことながら全てを撮り終え編集作業の時ですので、それは私にとって初めての試練でした。
まほ ということは、ハルクの代わりに動きだけ見せるような代役もたてなかったのですか?
「ハルクはこのくらいの大きさで、こんな表情をして、こんなふうに話すよ」、というふうに説明するんです。でもまあ、恐竜から逃げろっていうよりは大変じゃなかったんじゃないかな(笑)? 目に見えない相手に演技するのも大変だったけど、それよりも、いかにもコミック的なセリフをいかにドラマチックに話すかの方が彼らにはハードだったようだよ。
A そうですね。彼女は、全て瞳で演技をしてくれた。出来上がったものを観たとき、彼女が見つめる瞳の中に、確かにハルクが映っていた気がしました。
まほ 実際、俳優“ハルク”はいかがでしたか?
まほ 素晴らしい演技でしたね A そう願いたいです。 まほ 出来上がったハルクには満足なさいましたか? A 2003年という時代のおかげで、とても満足のいくハルクが作れたと思います。ここ1,2でCGを使った映像の技術は飛躍的に進歩しましたから、その成果を多いに生かせたと思いますし、また、そういった特殊効果だけではなく、愛や、芸術的な面でも大変優れたものが作れ、私自身はとても誇りに思っています。
まほ この作品では女性のヒロインがとてもたくましかったですね。このようなアメリカンコミックの女性ヒロインというのは、バットウーマンを除いては被害者の女性が多い。例えば、敵に捕まって「助けてー!」というような。それが、この作品では、むしろヒロインに助けられるハルク。であり、母親のような強さをもっていましたが。
(インタビュー・文/森田まほ)
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