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ハルクとフルCGウィル・スミス制作、どっちが大変?アン・リーを直撃!

『ジェミニマン』のプロモーションで来日したアン・リー監督
『ジェミニマン』のプロモーションで来日したアン・リー監督

 『ブロークバック・マウンテン』『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』でアカデミー賞監督賞を受賞したアン・リー監督がインタビューに応じ、最新作『ジェミニマン』(公開中)で取り組んだデジタル技術について語った。

若きCGウィル・スミスはこうして生まれた!【動画】

 『ライフ・オブ・パイ』でトラをCGで表現したことも記憶に新しいリー監督は、『ジェミニマン』で主人公ヘンリー(ウィル・スミス)の若かりし頃にそっくりなクローンをフルCGで制作した。リー監督は、「CGウィル制作のために、莫大な投資をしました。若返りや肌に関する科学的なリサーチや実験など、多岐にわたって情報を収集しました。肌の質感や光彩の調整には、約1年ほどかかりましたね。リアリティーにこだわってキャラクターを作り上げるのは、かなり苦労しました」と明かす。

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 革新的な映像体験にこだわってきたリー監督が、初めてデジタル技術と出会ったのは25年以上も前のこと。「デジタル編集で使う機材でした。フィルムをカットしてつなげる手間がなくなった時は、『なんて素晴らしいんだ』と感じましたね」と振り返る。今や映画製作はもちろん、社会やメディアがデジタル化を遂げており、リー監督も「私たちクリエイターも、古き良き映画の技法を守りつつ、デジタル技術を採用していくことで、独自の表現技法や映画の新たな扉が開かれると思います」と変化を説く。

『ジェミニマン』
アン・リー監督(右)、『ジェミニマン』ではCGウィル制作に挑戦!- (C) 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

 リー監督は、マーベルの人気ヒーローを当時のCG技術で映像化した『ハルク』(2003)を手がけたことでも知られている。「当時は、特殊なスーツを着てモーションキャプチャーを実行し、約3週間ほどかけてハルクを作っていました」とリー監督。「『ハルク』の場合、ジャッキー・チェン並みの俊敏性がある緑色の巨人は実在しないので、私がジャッキーのような速さを再現する方法を用いました。『ジェミニマン』の場合は、ウィル・スミス本人の動きを参考にしているので、その点では映像化の難易度は低かったです。ただ、(CGウィルの)肌の質感や照明の当て方など、細かな部分においては今回の方がはるかに大変でした」

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 現在はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属しているハルクだが、2008年の『インクレディブル・ハルク』以降、単独映画は製作されていない。リー監督に、再び『ハルク』を監督してみたいか尋ねてみると「私がもう一度ではなく、他の方に託しますかね」と笑顔で返答。「今後は、デジタルの世界をもっと探求したいと思っています。アクションに深みをもたせたいし、リアリティーも追求したい。新たなデジタル技術を用いることで選択肢が広がると思うので、試行錯誤しながら新作に取り組んでいきたいですね」とさらなる映像技術の追求に意欲を示した。(編集部・倉本拓弥)

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