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北野武監督インタビュー

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時代劇、盲目の按摩、勝新太郎、と言えばかつての人気シリーズ『座頭市』。では金髪、タップダンス、コント、ビートたけし、と言えば? この全てが盛り込まれている映画が北野武版『座頭市』だ。2年ぶりの監督・主演作品はこれまでの生け花的‘間’を生かした北野流演出から一転、スピード&リズム感あふれる作品になっている。筆者は幸運にも(?)仕込み杖を持たせたら確実に斬られているであろう至近距離で、たけしさんに話を聞く事ができた。

―以前お世話になった方に『座頭市』を撮ってほしいと言われたのがきっかけと聞いていますが…。

うん。その人は勝さんファンだったんだけど、結果的に「勝さんの『座頭市』と全然違うものでいい」って言ってくれて。ちょっとでも勝さんくさいのは外した。勝さんのは濡れ場があったりすんじゃん? 今考えると残念だと思ってんだけど

―(笑)。では勝さんのイメージが強いからこそ、金髪や赤い杖など、あえて斬新なアイディアを盛り込んだという事ですか?

うん。『座頭市』だからだよね。杖も普通の茶とか白木は嫌だなと。髪も、冒頭から金髪の俺がいて、ドンってタイトルが出て、誰がなんと言おうと座頭市! って編集で余計な事言わせないようにしちゃった。わりかし当たったかな。

―殺陣のシーンはスピード感ありますね。

最後、盆踊りをイメージしたタップダンスのタッタッタッタッっていう心地良いリズムに映画全体を合わせたくて、自然と殺陣も速くなってった。斬られ役は可哀想だったね。「あ~」と苦しむ間もなく倒れてもらってたから。血に一部CGを使ったのはあの方が痛々しくないかなぁと。

―時代劇でタップダンスとは驚きました。

盆踊りを普通に踊るんじゃなぁ…って思ってて。運よく、俺が習ってるタップの先生でTHE STRIPESって集団がいて、その先生達が神楽みたいなタップを踊ったのを見て、あ、それやろうって。俺と浅野君が踊らなかったのは悪者だからね。

―座頭市を演じる上で大変だった事はありましたか?

座頭市は逆手斬りなんで、相手とすごく近づかないと斬ったように見えないから、相手の刀が俺の目をかすめたり、結構危なかった。

でも殺陣は、浅草のコメディアン時代に斬られ役やってたから元々できたし、それと俺、昔、深夜番組で座頭市のコントやってんだよね。追われてる娘がいて、座頭市の俺が敵を斬ってくんだけど、娘も斬っちゃって親分だけ残る。座頭市が「娘さん、行きましょう」、親分が「はい」って言うオチ(笑)。そんな悪い番組作ってて、まさか自分が映画でやるとはなぁ。

「俺が死んだ後、タケチャンマンを誰かがやったら恥ずかしいよね」と笑うたけしさん。そんなジョークからも、人気キャラクターを新たに撮ることがたけしさんにとっても挑戦だった事が伝わってくる。枠にとらわれないエンターテーメント、『座頭市』は9月6日より全国松竹・東急系で公開される。
(文・インタビュー/安田佑子)

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