“ファンタジー小説の映画化3部作もの”という位置付けは、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズから始まりました。2001年から2003年にかけて公開された本シリーズは、当時無名だったピーター・ジャクソンが監督を務め、キャストは主人公のイライジャ・ウッドとリヴ・タイラー以外はほぼ無名の俳優ばかり。一見するとヒットの要因はまったく見当たりませんが、撮影期間15か月、総製作費約340億円もの超大作。最新のCGが駆使され、見たこともない怪物や迫力の戦闘シーンが映像化され、観客を魅了しました。
そして、原作は全世界で1億冊を売り上げたJ・R・R・トールキンのベストセラー小説。1954年に出版していらい、多くの映画人が映画化を試みましたが、1度も成功しなかったというファンタジー小説の金字塔です。何でもトールキン自身が映画化には乗り気ではなく、特にディズニーの関与を一切拒否していて、「ディズニーがかかわるのなら映画化の権利は譲らない!」と公言していたというのは有名な話。
そんな中、原作の大ファンだというジャクソン監督の熱心な説得のかいもあって、無事映画化することに成功。シリーズすべての全世界での興行成績は約3,480億円を稼ぎ出し、歴代1位を記録しました。作品自体の評価も高く、アカデミー賞ではシリーズを通して作品賞、監督賞を含む、合計17個のオスカー像を会得しました。特にシリーズ最終章である『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』では、11部門にノミネートされ、そのすべてを受賞するという快挙を成し遂げました!
これらの成果から、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズが成功したセオリーは4つあり、“ベストセラーとなったファンタジー小説の映画化であること” “製作費が巨額であること” “最新の技術が駆使されていること” “主人公の俳優は無名であれ”などが挙げられます。 |