若い男子二人が時間を共有する間に愛情が芽生え、その後20年間、人目を避けて関係を続けてきた……切なさ120パーセントの映画『ブロークバック・マウンテン』。
二人にとってひと夏の過ちだったわけではないけれど、時代や環境が同性の恋愛を許すわけがなく、イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)は互いに家庭を持ちます。イニスは貧しいながらも妻子を養う日々、ロデオに明け暮れていたジャックは逆玉の輿婚。しかし、4年ぶりの再会で二人は燃え上がり、その関係を知ってしまったイニスの奥さんは、何ごともなかったかのように耐える日々が始まるのです。
イニスとジャックの心のズレ。それは牧場経営をして一緒に暮らそうと夢見るジャックと家庭を壊したくないと同時に、この関係が絶対バレてはならないというトラウマを抱えるイニス。年に数回、会うだけの月日。結局、イニスは離婚をしてもジャックと暮らすことを拒み、「この20年間は何だったのか!」と怒り爆発のジャック。20年は長いですよ。
変えられたかもしれない過去と、何一つ変えることができなかった現実。それで良しとするかどうかは本人次第だけれど、本作を観て「自分はこのままでいいのかなぁ」と感じる部分があるかもしれません。それにしても二人の奥さんは彼らの関係に薄々気付きつつも、冷静を装っているのは時代が時代だからなのでしょうか? |