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『ザ・タウン』大絶賛の3つのワケ

今週のクローズアップ

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週のクローズアップ 『ザ・タウン』大絶賛の3つのワケ

アメリカで初登場ナンバーワンに輝き、早くも世界中の映画評論家やメディアから高い評価を得ている映画『ザ・タウン』がいよいよ公開。映画『ゴーン・ベイビー・ゴーン』以来、監督2作目となるベン・アフレックがメガホンを取った本作が、なぜ絶賛されるのか? そのワケを徹底紹介!
絶賛のワケその1:アカデミー賞受賞も近い!? ベン・アフレック監督

 作品の評価が高いのは、ベン・アフレックが監督&主演を務めたことが理由の一つといって間違いない。もともと映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で親友のマット・デイモンと脚本を書き上げ見事アカデミー賞脚本賞を受賞し、監督デビュー作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』では複数の批評家協会賞をはじめ、全米批評家協会賞の最優秀監督デビュー賞やハリウッド映画祭のブレイクスルー・オブ・ザ・イヤー賞も受賞したという過去を持つベン。それだけに本作でも映画作りへの才能は光っていた。


 例えば冒頭の銀行を襲撃するシーン。手際良く(!?)銀行襲撃の準備に取り掛かり、あっという間に金を奪い取ってしまう圧倒的なクライムシーンは映画開始5分で観客を魅了してしまう。そんな序盤からいきなりジェットコースターに乗ったときのような痛快な気分を味わうわけだが、ラストまで飽きさせずに楽しませてくれるストーリー構成と演出は見事だ。


本作ではすでに昨年のヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、日本でも公開前からすでに多くの映画評論家から絶賛の声が上がっている。アメリカでも初登場第1位に輝き、「数十年に1本のクライム・ドラマの傑作」など数多くのメディアから高い評価を受けた。本年度のノミネートは逃したが、もしかするとベンがアカデミー賞監督賞を受賞する日もそう遠くはないかもしれない!?

 

アカデミー賞受賞も夢じゃない!?

絶賛のワケその2:クライム・サスペンスだけでなくドラマ性も重視

 次にいえるのは、ただのアクション重視のクライム映画にとどまらず、エモーショナルな作品に仕上がっている点だ。


主人公のダグの家庭は複雑で、父親は犯罪を繰り返し、ろう獄行き。母親はダグが幼いころに出て行き、それっきり戻ってこない。自分はというと、一時期はアイスホッケーの選手として活躍し、将来へ希望を抱いていたがそれも破れ、幼なじみのジェムや仲間と一緒に犯罪を繰り返し、酒とドラッグにおぼれる毎日を送っていた。「このままではいけない」と苦悩した矢先に、ある出来事が起こる。それはヒロインのクレアとの恋だった。


自分を輝かしい未来へ導いてくれる女性と出会ったことで、新しい人生を歩みたいと願いながらも共に育ってきた仲間を捨てられない葛藤を持つダグ。「自分を変えたい」という志を持ちながらも、仲間と愛する女性との間で苦悩する主人公の姿は、犯罪者を題材にしたドラマではあるが観客の心をつかむに違いない。ある意味その「ギャップ」が本作の魅力といえるだろう。

 

ただの犯罪ドラマではないところも魅力の1つ!

絶賛のワケその3:多彩な演技が光る!魅力的なキャスト

 本作には主人公たち犯罪グループを追うFBI捜査官にふんした「マッドメン」のジョン・ハムをはじめ、ベテラン俳優のピート・ポスルスウェイトクリス・クーパー、テレビドラマ「ゴシップガール」シリーズで人気のブレイク・ライヴリー、映画『それでも恋するバルセロナ』のレベッカ・ホール、そして映画『ハート・ロッカー』でアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされたジェレミー・レナーなど多彩なキャストが数々出演しているのも魅力だ。


 特にダグの親友のジェムにふんしたジェレミーの演技は圧巻。ジェムには、ダグと違って犯罪を重ねることに罪の意識も感じず、単細胞でカッとなったらすぐ暴力を振るってしまうという欠点もある。しかし、仲間を思う気持ちや自分の行動に対する責任感は人一倍強い。そんな一見ただの友情にアツイ極悪人だが、常に行動を共にしていたダグの変化を察したとき、引き止めようとするジェムの姿に人間らしさが見て取れる。このどこか憎めないジェムを表現するのは難役とされていたが、見事演じ切ったジェレミーは、アメリカで高い評価を受け、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたほか、ゴールデン・グローブ賞の最優秀助演男優賞、全米映画俳優組合賞(SAG賞)の助演男優賞にもノミネートされている。ちなみにジェレミーはトム・クルーズ最新作『ミッション:インポッシブル / ゴースト・プロトコル/Mission: Impossible - Ghost Protocol 』(原題)へ出演するなどいまやハリウッドの売れっ子俳優。今後最も注目すべき若手スターだろう。


 そして主演を務めたベンにも注目してほしい。主人公のダグが抱える暗い過去、仲間と恋人の間で揺れ動くシーン、そして最後の決断には心打たれる。俳優兼監督ベン・アフレックの今後の動向にも注目だ!


特集もチェック!
『ザ・タウン』特集第1弾:映画ライター絶賛の嵐!そのワケを徹底解析!


映画『ザ・タウン』は2月5日より丸の内ルーブル、新宿ピカデリーほか全国公開

人気テレビシリーズでも人気のブレイク・ライブリー

ジェレミー・レナーは本作でアカデミー賞助演男優賞候補に!

(c) 2010 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES

文・構成:シネマトゥデイ編集部

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