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『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』長瀬智也インタビュー

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『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』長瀬智也インタビュー

公開延期から約半年を経て公開となる映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』。従来の死や地獄のイメージを塗り替える斬新な世界を作り出したのは、NHKの朝ドラ「あまちゃん」(2013)でおなじみの宮藤官九郎監督。宮藤とは「池袋ウエストゲートパーク」(2000)以来、15年の付き合いとなる長瀬智也が、地獄専属のロックバンド「地獄図(ヘルズ)」のボーカル&ギターで赤鬼のキラーKにふんし、笑って泣ける快(怪)演を披露。長瀬がこの破天荒な役に込めた、ロックへの熱い思いを語った。(取材・文:那須千里)

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ジミヘン+コバーン+ジャクソン+清志郎=キラーK!?
『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』長瀬智也インタビュー
キラーKのイメージイラスト

Q:一度見たら忘れられない強烈な出で立ちのキャラクターですが、衣装を身に着けた自分の姿を見てどう思いましたか?

最初は「これが僕だってわかるかな!?」と思ったけど、完成した映画を観たら、どこからどう見ても僕だなと。角とかの特殊メイクも併せて全てが完璧だと思いました。ギターを含めると全部で10キロぐらいになるんですよ。それをつけて飛び跳ねるのは難しかったですけど、それでも勝手に体が動いてしまう音楽があったし、勝手に体が動くようなセットだったし、勝手に体を動かしてくれる共演者がいたので、その全てが混ざり合ったからこそ、キラーKに成り切れたのかなと思います。

Q:このファッションのお気に入りポイントは?

ロックファンとしては、ジミヘン(ジミ・ヘンドリックス)、カート・コバーンマイケル・ジャクソンの中に忌野清志郎が混在しているっていうところですね。右手はジミヘンっぽいペイズリー柄の袖、左腕はカートの象徴でもあるネルシャツの生地、下半身はマイケルだからピタピタの黒いパンツをはいたところに、忌野清志郎さんがよく手首に巻いていた布みたいなストールを……そこはやっぱりグッときますね。清志郎さんは日本が世界に誇れるロッカーだと思っているので。

死ぬこと自体は怖くない

Q:子どもの頃の長瀬さんが思い描いていた地獄はどんなところでしたか?

何となくカッコいいイメージがあったんですよね。何かもう「HELL」っていうつづりからして、何でLが二個なんだろう!? とか。

Q:そこがカッコいいポイントだったんですか?(笑)

はい(笑)。子どもなんてそんなもんですよ。7歳でスケートボードを手に取ったときにはもう骸骨とか炎のグラフィックが好きだったし、バイクに貼るステッカーもそんなのばっかりだったし、小さい頃から地獄に囲まれて育ったようなものなんですよね。

Q:じゃあ、死についてもあまり「怖い」とは思いませんでしたか?

うーん、死ぬのが怖いというより、大事な人と離れ離れになるのが怖いんじゃないかな。死ぬこと自体は怖くないと思う、多分。ただ、遺した人を悲しませたりするのがつらいかなあ。でもこの映画に出てくるような地獄だったら、死後に行ってもいいかなと。だから監督の狙った通り、楽しい地獄が描けたんじゃないかなと思っているんですけどね。

ロックはシンプルさが重要!
『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』長瀬智也インタビュー
ドラマーのCOZY(桐谷健太)

Q:劇中バンドの地獄図(ヘルズ)はCDデビューも果たしましたね。

最近の若いロックバンドは、カジュアルな恰好で髪の毛もサラサラなのに音はラウド、みたいな形が主流になっているんだけど、地獄図は僕らが昔見ていたようなロックスターなんですよね。どこかバカっぽいというか……ビジュアルからして「自分じゃない自分になってやる!」みたいな感じ。ステージでリズムに乗って歌っているだけで「うわー、ロックだ!」っていうあの感じが今はあまりないので、地獄図にはそういう鬱憤も落とし込まれている気がするんですよ。

Q:かつて自分がロックから受け取ったものを、次の世代にも伝えていきたいというような気持ちがあるんでしょうか?

単に昭和っぽい音楽をやりたいというだけじゃなくて、僕たちが歌うことによって、現代的なポップの要素も入れていく感じでしょうか。日本でも偉大な先輩たちがロックシーンを作ってきて、僕もそういうものに影響を受けて大人になったから、昔、自分が彼らから与えられた喜びを、今度は僕たちが次の世代に与えていくのが使命というか。役者としてはもちろん、TOKIOのボーカルとして活動させてもらっている以上は、責任を持ってやらなきゃいけないなと思いますね。

『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』長瀬智也インタビュー
ベーシストの邪子(清野菜名)

Q:地獄図(ヘルズ)の音楽もロックですね?

そうです。僕のロックの捉え方は、メッセージ、言葉、気持ちなんですよね。シンプルゆえに突き刺さる音楽が一番の名曲だと思っているんです。そうそう、世界の名曲ってシンプルなものが多いんですよ! 少ない音で人の心に触れたり人の心を動かしたりする、それってすごいことだなと。(THE BEATLESの)「Hey Jude」も(ジョン・レノンの)「Imagine」も、(ボブ・ディランの)「Knockin' on Heaven's Door」もそうだけど、地獄図の「天国」(※ZAZEN BOYS向井秀徳が作曲、宮藤官九郎が作詞した劇中歌)っていう曲はそれに近いものだなと思っているんです。

宮藤官九郎との関係が15年たっても変わらないワケ
『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』長瀬智也インタビュー
宮藤官九郎監督

Q:出会ってから15年の間に、宮藤監督との関係や、お互いに求めるものに変化はありましたか?

それが、ないんですよね。だからこそ今があるのかなとも思ってて……だって15年もたって作った作品が、コレですよ!? お互いブレてないな! って(笑)。その間に僕も監督もいろんな人と仕事をしてきたけど、僕は監督のことをいつも気にしているし、監督もきっと僕のことを気にかけてくれているから、こうしてオファーをくれたんだろうし。

Q:現場では、宮藤監督が長瀬さんにしかわからないような言い方で演出されることもあったとか。

ああ~それねえ。難しいんですよね、説明するのが。例えばヘヴィメタのミュージシャンがステージで激しく頭を振って「おまえら全員地獄に堕ちろ~!」とか言っているのを見ると、僕はめちゃくちゃ面白いなあと思って笑っちゃうんです。やっている人はいたって真面目なんですけど、そこを面白がる感覚が監督にもあって。ロックのダサさとか笑えるところがわからないと、今回の役は絶対にできなかったと思う。

『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』長瀬智也インタビュー
フライング(?)で地獄に堕ちる高校生の大助(左)と彼が思いを寄せるクラスメイト・ひろ美(右)

Q:そんなキラーKにも現世に思い残すものがありますが、長瀬さんご自身はいかがですか?

……僕はまだ結婚もしてないですからね。劇中で神木隆之介君の演じた高校生の大助が「まだキスもしてないのに」って言うのと同じで、もし今自分が逝っちゃったら「まだ結婚もしてないのに」って思うかなあ……。まだ乗りたいバイクや車もたくさんあるし、自分の子供にもこういう映画を観せたいですもんね。

Q:キラーKは、子供にとってはまさにアイドルになっちゃいそうな役ですね。

そう、僕は何でもそうだけど、子供に観てもらうのが一番うれしいんですよ。ロックというと親としては教育上ちょっと……と思う人もいるかもしれないけど、自分を貫くとか自分のスタイルを持つとか、生きていく上で大事なことがロックにはたくさん詰まっているから、子供たちにもこの映画からそういうことを感じてもらえたらうれしいなと思いますね。

取材後記

ロックの話となると目を輝かせて熱弁をふるう長瀬。そこからつながってスケートボードやバイクカルチャーの話題にも花が咲く。子供のように無邪気な魂と圧倒的なカリスマを放つキラーKの役は、子供の頃から変わらないロックへの真っ直ぐな思いと、ステージで大勢の観客を楽しませてきたエンターテイナーとしての顔を併せ持つ長瀬にしか演じられなかっただろう。本作には、そんな彼のカリスマ性、あふれんばかりのオーラがみなぎっている。5月21日の野外ロックフェス「TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL」に続き、6月には「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)に神木らと共に地獄専属のロックバンド「地獄図(ヘルズ)」として出演する予定。

映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』は、6月25日より全国公開

© 2016 Asmik Ace, Inc. / TOHO CO., LTD. / J Storm Inc. / PARCO CO., LTD. / AMUSE INC. / Otonakeikaku Inc. / KDDI CORPORATION / GYAO Corporation

映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』オフィシャルサイトはこちら>

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