長瀬智也~ハードボイルドからコメディまで ダイナミックな芝居と“らしさ”で魅せる役者

銀幕のジャニーズ

 映画で活躍する銀幕ジャニーズの俳優としての面にフォーカスして、デビュー作から最新作まで、どんな俳優なのかを見ていきます。第11回は、TOKIO長瀬智也。(文・新亜希子)

 1994年、TOKIOのボーカルとしてCDデビュー。シンガーソングライター、ギタリストとしても才能を発揮。ドラマを中心に数多くの作品に出演し、20代から主演の常連として活躍。1998年『ソウル』で映画初主演を果たした。

映画初主演作:『ソウル』(2002年2月9日公開)主演・早瀬佑太郎役(当時23歳)

 物語の舞台は韓国・ソウル。撮影はすべて韓国で行われ、長瀬は警視庁所属の新人刑事・早瀬を、韓国の俳優チェ・ミンスが現地のエリート刑事・キムを演じた。ソウルの街で現金輸送車の強奪事件に巻き込まれた早瀬は、犯人を目撃していたことから、現地警察の捜査に協力することになる。言語の壁や習慣の違いからことごとく衝突する早瀬とキムだが、一方で事件は深刻を極め、日韓両政府を揺るがす事態へと発展する。

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ドラマデビュー作:「ツインズ教師」(1993年4月12日 - 6月28日)落合守役(当時14歳)

 不良と呼ぶにはまだ幼い、やんちゃグループのひとりを演じている。長めに伸ばして分けた前髪や、ネクタイを緩めて着崩した制服がスタイリッシュ。整った顔立ちと不思議な透明感は、のちの人気俳優を多数輩出した生徒役のなかでもひときわ目を引く存在だ。当時ジャニーズJr.の一員であったV6井ノ原快彦も出演している。

映画俳優としての主な活躍:

 豪快で野性的、本能のままに動く人間を演じたら、ジャニーズにおいて長瀬の右に出るものはいない。そうした男くさいイメージを持つ役者である一方、繊細な芝居もまた高い評価を得てきた。数々見せてきた男泣きも多くの人の涙を誘った。

 線がしっかりした、三次元的な男らしさを持ち、同性からも支持されている長瀬。180cmを超える長身と抜群のスタイルでスーツもストリートファッションも着こなし、誰もが惚れ込む整った顔立ちにはワイルドな髭も似合う。計5本の映画作品に主演したが、職業も性格も、外見すらもまるで異なる役柄を、いずれも魅力的に演じた。

 ボーカリストだけあって、役によって大きく変わる声色や語調は、うまく役を捉えている。『ヘブンズ・ドア』で演じた勝人はぶっきらぼうな荒い言葉で話すのだが、ふとした瞬間の言葉尻の優しさが印象的だった。

 『真夜中の弥次さん喜多さん』では、長瀬のコメディーの才能が冴えわたる。彼のツッコミ、リアクションは実に間が良く、こういう芝居を“カンが良い”というのだろう。本作が持つディープでシュール、突き抜けた世界観は、好みも解釈も分かれることと思うが“長瀬智也らしい”芝居が楽しめる作品だ。

 ハードボイルドからコメディーまで、幅広い役柄を全力で演じてきた長瀬。これからますます年齢を重ね、渋みを増してゆくだろう長瀬の芝居をもっと見たかったという思いはもちろんあるが、数々の名シーンをありがとうという気持ちのほうが、遥かに大きい。

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最新作:『空飛ぶタイヤ』(2018年6月15日公開)主演・赤松徳郎役

 原作は「下町ロケット」「半沢直樹」シリーズで知られる人気作家・池井戸潤による社会派小説。池井戸にとっては初の映画化作品である。

 ある日、トレーラーの脱輪事故によりひとりの主婦が犠牲となった。走行中に突然タイヤが外れるという信じがたい事故の詳細に、運送会社社長・赤松(長瀬)は整備不良の疑いをかけられ、世間からバッシングを受ける。倒産寸前まで追い込まれるなか、車輌そのものの欠陥を疑い始めた赤松は、製造元である大企業・ホープ自動車に再調査を依頼。しかし、社員の沢田(ディーン・フジオカ)は一向に取り合わない。自社の無実を晴らすべく、真実を求めて奔走するうちに、大企業に隠された闇を知る赤松。愛する家族と社員を守るため、そして自身の正義のため、不正を暴く闘いに挑む。

 誹謗中傷、大企業との対立……ストレスと苦悩で疲れ切ってゆく赤松の様相は、これまで長瀬が演じてきた役どころでは見ることのなかったものであり、この年齢で演じたからこその渋みと説得力がある。また、サザンオールスターズによる主題歌「闘う戦士たちへ愛を込めて」が、本作をより一層盛り上げる。

 主要人物のひとりを演じる高橋一生とは、本作中での共演シーンはないものの、ドラマ「ハンドク!!!」以来17年ぶりに再会。それぞれに立場があり、それぞれに正義を持つ男たちの衝突と対立を、長瀬、ディーン、高橋という同年代の3人が熱演した。

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フィルモグラフィー(映画)

『ベル・エポック』(1998年)

『ソウル』(2002年2月9日公開)早瀬佑太郎役(オール韓国ロケにて撮影)

『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005年4月2日公開)栃面屋弥次郎兵衛役(長瀬と数々の作品でタッグを組んできた、宮藤官九郎脚本・監督作品)

『ヘブンズ・ドア』(2009年2月7日公開)青山勝人役(余命わずかの青年と少女を描いたロードムービー)

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(2016年6月25日公開)キラーK/近藤善和役(劇中のロックバンド・地獄図としてフェスや歌番組に出演)

空飛ぶタイヤ』(2018年6月15日公開)赤松徳郎役(作業着姿で運送会社社長を熱演)

フィルモグラフィー(ドラマ)

「ツインズ教師」(1993年4月12日 - 6月28日)落合守役

「アリよさらば」(1994年4月15日 - 7月1日)小杉護役

「先生はワガママ」(1994年7月5日-8月30日)魚住春樹役

「好きやねん父ちゃん」(1994年10月2日)本田一郎役

「伊達政宗」(1995年1月1日)豊臣秀頼役

「最高の片想い」(1995年1月11日 - 3月22日) 麻生哲役

「息子よ蘇れ!」(1995年1月27日)森口直樹役

「好きやねん父ちゃん2」(1995年4月2日)本田一郎役

「カケオチのススメ」(1995年7月3日 - 9月11日)恵比寿保役

「好きやねん父ちゃん3」(1995年10月1日)本田一郎役

「恋人よ」(1995年10月19日 - 12月21日)藤田達彦役

「白線流し」(1996年1月11日 - 3月21日)大河内渉役

「その人の匂い」(1996年9月27日)新庄謙一役

「Dear ウーマン」(1996年10月13日 - 12月22日)石丸広見役

「竜馬がゆく」(1997年1月1日) 岡田以蔵役

「Dear ウーマンスペシャル」(1997年4月6日)新庄謙一役

「ふぞろいの林檎たちIV」(1997年4月11日 - 7月4日)桐生克彦役

「D×D Dangerous Angel Death Hunter」(1997年7月5日 - 9月20日)相沢悟役

「白線流し 19の春」(1997年8月8日)大河内渉役

「DAYS」(1998年1月12日 - 3月23日) 矢部鉄哉役

「ラブとエロス」(1998年7月2日 - 9月17日)合田次郎役

 「白線流し 二十歳の風」(1999年1月15日)大河内渉役

「リング ~最終章~」(1999年1月7日 - 3月25日) 高山竜司役

「砂の上の恋人たち」(1999年10月12日 - 12月21日)高野朗役

「池袋ウエストゲートパーク」(2000年4月14日 - 6月28日)真島誠役

「三億円事件」(2000年12月30日)ジョー役

「ムコ殿」(2001年4月12日 - 6月28日)桜庭裕一郎役

「白線流し 旅立ちの詩(うた)」(2001年10月26日)大河内渉役

「ハンドク!!!」(2001年10月10日 - 12月12日)狭間一番役

「ビッグマネー! 浮世の沙汰は株しだい」(2002年4月11日 - 6月27日) 白戸則道役

「やんパパ」(2002年10月9日 - 12月11日)真淵優作役

「池袋ウエストゲートパーク スープの回」(2003年3月23日)

「ムコ殿2003」(2003年4月17日 - 6月26日)桜庭裕一郎役

「ふたり ~私たちが選んだ道~」(2003年8月23日)鎌形芳行役

「白線流し ~二十五歳」(2003年9月6日)大河内渉役

愚痴2「ラブソングを君に」(2004年1月2日)ミュージシャンを目指す青年役

「彼女が死んじゃった。」(2004年1月17日 - 3月13日)安西ハジメ役

「弟」(2004年11月17 - 21日)石原慎太郎役

ドラマスペシャル「タイガー&ドラゴン」(2005年1月9日)山崎虎児役

「タイガー&ドラゴン」(2005年4月15日 - 6月24日)山崎虎児役

「明智小五郎VS金田一耕助」(2005年2月26日)金田一耕助役

「白線流し ~夢見る頃を過ぎても」(2005年10月17日)大河内渉役

「マイ★ボス マイ★ヒーロー」(2006年7月8日 - 9月16日)榊真喜男役

「歌姫」(2007年10月12日 - 12月21日)四万十太郎役/及川勇一役

「華麗なるスパイ」(2009年7月18日 - 9月26日)鎧井京介役

「うぬぼれ刑事(でか)」(2010年7月9日 - 9月17日)うぬぼれ(小暮己)役

「みぽりんのえくぼ」(2010年8月28日)岡崎照生役

「泣くな、はらちゃん」(2013年1月19日 - 3月23日)はらちゃん役

「クロコーチ」(2013年10月11日 - 12月13日)黒河内圭太役

「フラジャイル」(2016年1月13日 - 3月16日)岸京一郎役

「ごめん、愛してる」(2017年7月9日 - 9月17日)岡崎律役

「俺の家の話」(2021年1月22日スタート)

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受賞歴

第15回日刊スポーツ映画大賞 石原裕次郎新人賞(『ソウル』)

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