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小泉なつみ×きくちあつこ「ファッションと映画 ‐映画はオシャレが9割!‐」#7

 オシャレな映画しか、観たくない! かわいくなくちゃ、ヒロインじゃない! ファッションを愛してやまないあなたのために、キュートでスタイリッシュな映画だけをセレクトします。小泉なつみさんのエッセイ&きくちあつこさんのイラストで、オシャレ映画のエッセンスを盗んでしまいましょ!(presented by U-NEXT×シネマトゥデイ/文:小泉なつみ/イラスト:きくちあつこ)

【Theme #7:女が豹変する勝負服】

女が豹変する勝負服
illustration by:きくちあつこ / oookickooo

いつものあの子がなんか違う! 女が豹変する勝負服

 普段使っているクリーニング屋の店員が気になっています。パートのおばちゃん5人ほどでシフトを回しているようなのですが、おばちゃんAもおばちゃんBもおばちゃんCもみな一様に小太りでオイリーな髪質であり、化粧っ気がない。ある意味、クオリティーコントロールが徹底されているクリーニング屋なのであります。

 そんなある日、5人の中でも最も接触率の高かったおばちゃんAと駅の改札で遭遇。彼女は雨の中、夫か彼氏と思しき男性を迎えに来ていたのです。店のカウンターの中では能面のように無表情だったおばちゃんAがほんのりピンクに頬を染め上げ、露出度の高いヒラヒラとした衣を身にまとい、男にしなだれかかっていました。奇しくもわたしは、“おばちゃんA”が“女A”になった瞬間を目撃してしまったわけであります。

 さて、本題。映画ライターのギンティ小林氏は「ナメてた相手が、実は殺人マシンでした映画」という、男子が燃えるアクションをよく紹介されていますが、女子向け作品にこれを置き換えるならば、「地味なあの子が、実はイケてる女でした映画」ではないでしょうか。

 クリーニング屋のおばちゃんが雨の夜に変身を遂げたように、女なら誰しも、周囲を「ハッ」とさせるくらい生まれ変わりたい願望を持っているものです。

 なかでも「周囲からキレイになることを強制されるパターンは、女子映画の王道。自分で書いていても意味がわからなくなるほど現実にはありえない展開ですが、『デンジャラス・ビューティー』や、『プリティ・プリンセス』、そして『パリの恋人』などなど、女子好みの映画にはよくあるストーリーですよね(そうそう、『パリの恋人』に出てくる狂った編集長は、#6で紹介したダイアナ・ヴリーランドがモデルです)。

 
『デンジャラス・ビューティー』(2001年製作)
監督:ドナルド・ペトリ
出演:サンドラ・ブロックマイケル・ケインベンジャミン・ブラットほか

『プリティ・プリンセス』(2001年製作)
監督:ゲイリー・マーシャル
出演:ジュリー・アンドリュースアン・ハサウェイヘクター・エリゾンドほか

『パリの恋人』(1957年製作)

『パリの恋人』
(C)Paramount Pictures/Photofest/MediaVast Japn

監督:スタンリー・ドーネン
出演:フレッド・アステアオードリー・ヘプバーンケイ・トンプソンほか
 

 そしてこのパターンに加えて大好物なのが、男性が驚きと喜びの表情で生まれ変わったヒロインを見つめるシーン!

 『ザ・エージェント』では、「世界一老けている26歳」と自ら語るヒロインのレニー・ゼルウィガーが、トム・クルーズとの初ディナーで大変身。シンプルなブラックのキャミドレスで登場した彼女を見て、思わずトムも「オードリー・ヘプバーンかと思ったよ!」と目をキラキラさせていました(その後、いざコトに突入しようとレニーが寝室のドアを開けると、キリッとしたトムが直立不動で待ち受けているシーンも必見です)。

『ザ・エージェント』(1996年製作)

『ザ・エージェント』
(C)Tri-Star/Photofest

監督:キャメロン・クロウ
出演:トム・クルーズキューバ・グッディング・Jrレニー・ゼルウィガーほか

 そして本丸はなんといっても、『麗しのサブリナ』であります。

『麗しのサブリナ』(1954年製作)

『麗しのサブリナ』
(C)Paramount Pictures/Photofest/MediaVast Japan

監督:ビリー・ワイルダー
出演:オードリー・ヘプバーンハンフリー・ボガートウィリアム・ホールデンほか

 お父さんから「月に手を伸ばすな」と釘を刺されるほど高嶺の花であった御曹司デイヴィッドを落とすべく、パリでオシャレを研究し舞い戻ってきたサブリナ。その美しさにデイヴィッドもすぐさまイチコロになるわけですが、そこでサブリナは改めてお父さんにこう返します。
 「昔と違うの。今は月が手を差し伸べるのよ」
 こんなせりふ、吐いてみたいですねえ。そして相手に気づかれぬほど変身してみたいものですねえ。

 イーディス・ヘッドとジバンシィが手掛けた超・有名な衣装の数々はきくちさんのイラストを堪能していただきたいと思いますが、女が変身するとき、それは勝負に出るときであります。身近なあの人に「ホゥ……」と喜びのため息をついてもらうべく、わたしもまずはパックでもして寝ようかと思います。

Inspired by:Fasion Movie #7『麗しのサブリナ』
illustration by:きくちあつこ / oookickooo

プロフィール

小泉なつみ Natsumi Koizumi
http://natsumikoizumi.com/
ライター/編集者。「日経ウーマンオンライン」などで執筆。恋愛、結婚、セックス、ファッション……etc、切実でいてすぐ忘れるような女子ネタ全般が好き。

きくちあつこ Atsuko Kikuchi
https://www.instagram.com/oookickooo/
京都在住illustrator。 著書「FASHION SKETCH BOOK」「TODAY'S DIARY BOOK」が宝島社より発売中。Instagram&Twitter ともにアカウントはoookickoooです。

≫「ファッションと映画 ‐映画はオシャレが9割!」#1‐#4はこちらから
≫「ファッションと映画 ‐映画はオシャレが9割!」#5はこちらから
≫「ファッションと映画 ‐映画はオシャレが9割!」#6はこちらから

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