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土屋太鳳
『PとJK』
新婚さんの気持ちがちょっぴり想像できた
『PとJK』土屋太鳳 単独インタビュー

取材・文:前田かおり 写真:奥山智明

真面目な警察官・功太と、ピュアな女子高生・カコが恋に落ちる。でも警察官と女子高生の恋愛なんて許されない。それならば……と二人が選んだのは結婚だった!?  三次マキの人気コミックを実写化した映画『PとJK』で、ヒロインのカコを演じた土屋太鳳は、『さよなら歌舞伎町』『オオカミ少女と黒王子』などを手掛けた廣木隆一監督のもと、どのように胸キュンなラブストーリーを演じたのか。1か月間に及んだ北海道・函館ロケに懸けた意気込みや役づくりのこと、そして相手役の亀梨和也との撮影秘話を語った。

■自炊をして、体も絞って役づくり

Q:原作のコミックはご存じでしたか?

はい。高校生のときに、所属していたダンス部のキャプテンと副キャプテンが原作の大ファンで。今回、実写化でヒロインのカコを演じさせていただくことになったので伝えると、すごく喜んでくれたんです。それで、改めて『PとJK』は女の子に希望やキュンキュンを与えていたんだなと思いました。でも、かわいらしい内容なのかなと思って原作を読んでいると、意外と深い話なんです。人として大切なことが、全編にちりばめられている物語だなと感じて。演じる上で、そこを表現していけたらいいなと思いました。

Q:カコを演じるために、どんな役づくりをしたのですか?

原作が素晴らしく面白いので、実写化させていただく上で、参考書のように読みました。原作もので大事になるのは、再現度だと思うんです。でも残念なことに、わたしとカコちゃんの外見は全く違っている。それで、少し体を絞って、女子高生らしく外見を近づけるよう頑張ったんですけど、やっぱり越えられない一線があって(笑)。それでも、心はカコちゃんでありたいと思っていました。カコちゃんは、友達や功太くんや両親に、お花にお水を注ぐように愛情を注ぐ女の子なので、息をするように自然に愛情を注ぐことをとくに心掛けて演じました。

Q:ロケ先の函館では短期滞在型のマンションにいたそうですね。

はい。映画が結婚から始まるラブストーリーなので、なるべく自炊をしました。作るものはスープとか簡単なものなんですけど、たとえば、功太くんの家に行って料理をするように、朝食をちゃんと作るとか、洗濯や掃除をするとか。家事を大事にすることで、生活感が出る。それがカコちゃんの心に近づくポイントだなって思っていましたし、新婚さんの気持ちもちょっぴり想像できました(笑)。お料理を作っているときに「今、功太くんはどうしているのかな?」なんて思ったりして。

Q:本作は、警察官と女子高生の結婚から始まるラブストーリーですが、演じてみてそんな恋愛をどう思いましたか?

ステキだなと思います。二人の間には年の差もあり、経験値や価値観、立場などいろいろと違います。でもそれを超えて、お互いちゃんと気持ちを伝えようとすれば、好きという思いはつながる。そのことをこの作品をやらせていただいて、感じることができました。

■地に足の着いた演技ができた

Q:『orange−オレンジ−』や『青空エール』に続き、本作も人気コミックの実写化ですが、何を大事に演じているのですか?

わたしは演技の基礎や、技術を習ったことはなく、どう演じたらいいのか、どうやったら役づくりがうまくいくのか、というのが難しくて。だから、どんなシーンも全力でやるしかない。それを大切にしています。そして、原作のコミックを参考書のように読ませていただいて、原作をリスペクトしつつ、原作を入口にして、そこから映画で表現できるものを伝える。やっぱり原作があるからこそ、映画で伝えられるものがあると思いますから。

Q:とくに今回の現場で、得たことは何でしょうか?

(NHKの連続テレビ小説)「まれ」の後、1つの作品が終わってその次の日に違う作品の現場に入ったり、同時に違う作品をやるということがずっと続いていたので、自分のお芝居にヘンな癖がついているんじゃないかなと不安になっていたんです。というのも、演じるということは、自分の時間を削ること。魂を削ることが役づくりだと思っていました。ところが、この作品の撮影初日に廣木監督に言われたのは、「自由でいいから」ってことだったんです。だから「えっ、自由でいいってどういうこと?」と思いました。「別に演じようとしなくていい。土屋太鳳としてそこに立っていればいいから」と監督に言われて。自分としては自分の時間を削って、女の子になることが演じることだと思っていたから。それじゃ、演じることにならない……って悩んだんです。そしたら亀梨さんが、どうやったら1つ1つウソのないシーンを作り上げられるか、お互いがどういう風にキャッチボールをしていくか、一緒に悩んでくださって。おかげで、キュンキュンとする物語の中にも、カコという一人の女性としてちゃんと地面に足を着けることができたのかなと思います。

■「主役とは?」亀梨和也から学んだこと

Q:もともと亀梨さんにはどんなイメージを抱いていたのですか?

「野ブタ。をプロデュース」(2005年のテレビドラマ)での亀梨さんが印象に残っています。そのときは誰にでもいい顔をする役で、文化祭を「やるやる!」って言っておきながら、結局、本当にやりたかったことができなかったというエピソードがあったんですが、それにすごく感動したんです。教訓にもなって、女優として、学園ドラマを演じる上でも根っこになっている。だから、亀梨さんは役者さんとして憧れでした。実際にお会いしてみたら、すごく優しくて温かい方で、そして面白い。たくさん、ツッコんでくださるんです(笑)。

Q:楽しい撮影現場だったんですね。函館では、ステキな思い出があったのでは?

(共演している)高杉真宙くんが20歳の誕生日を迎えました。それで亀梨さんが「みんなでご飯を食べに行こう」と連れて行ってくださったんです。「乾杯するときはこうやったほうがステキだよ」とか、「こういう料理もあるんだよ」とか、そういったお料理の美味しさや、お料理とお酒を組み合わせることとか教えてくださって。そのときに、主役という立場はどういう風にいればいいのかという話になったんです。たとえば、「『orange−オレンジ−』は誰が主役なの? 『青空エール』は?」とか。それで、「わたしが主役ですけど、相手の方の名前も一緒に並んでいるんです」と答えると、亀梨さんが「でも最初は太鳳ちゃんなんだよね」って。「主役っていうのは、自分が主役だという自覚を持って、責任と誇りを持つべきだ。だから相手がいてとかではなくて、誇りを持ったほうがいいよ」っておっしゃったんです。とても尊敬できる方で、勉強もさせていただきました。

Q:今回のような作品に出演して、結婚に対する夢や憧れを持ちましたか?

本当に、カコちゃんのような女の子になりたいなという願望も含めて演じていたので、彼女のような愛情を持って、功太くんとお互いを尊重し合える結婚は素晴らしいなと思いました。でも結婚は、した後が大事だと思います。「何かあったら、言ってね」というよりは、お互いに「こういうことがあったんだけど、どう思う?」とか。いつも真剣に話し合える関係が持てたらいいなと思います。

撮影中、ワンピースの裾を軽くひるがえして踊るような仕草をしたり、弾けるような笑顔を見せた土屋。そのキュートな表情には誰もが虜になってしまいそう。かと思えば、インタビューでは1つ1つの質問に丁寧に言葉を尽くして、自分の気持ちをきちんと伝えようとする。その生真面目さや素直な人柄が『PとJK』で演じたカコに重なり、功太を演じる亀梨とも抜群のコンビネーションを見せる。二人が築いていくピュアな恋愛関係。夢物語のようでも、土屋が演じればこそ、ひたむきな姿に、思わず胸をキュンと締め付けられずにはいられない。

映画『PとJK』は3月25日より全国公開

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