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ズバリあの映画おいくら?史上最高額から限りなく0円に近い映画まで

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Buena Vista Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 普段何気なく観ている映画。“超大作”“低予算”と言われても、イマイチピンと来ない方も多いのではないでしょうか。昨今の映画業界では、大手スタジオがヒットを狙って莫大な資金を注ぐ大作か、まだ無名のドリーマーたちが手掛ける低予算のインディペンデントか、という具合に二極化していっているのです。映画の製作費を知ったら、その作品の観方も変わるかも? そんな映画の製作費事情をご紹介します。(編集部・石神恵美子)

■史上最高額の製作費がかかった映画は…?

 これまでにつくられた映画の中で最も高額だったのは、ジョニー・デップ主演の人気シリーズ第3弾『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(2007)で、製作費なんと3億4,100万ドル約375億1,000万円・1ドル110円計算)。それに続く作品は下記のようになっております(Business Insider 2016年度調べ・インフレ反映済み)。

1位『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(2007)3億4,100万ドル(約375億1,000万円)

2位『クレオパトラ』(1963)3億4,000万ドル(約374億円)

3位『タイタニック』(1997)2億9,440万ドル(約323億8,400万円)

4位『スパイダーマン3』(2007)2億9,100万ドル(約320億1,000万円)

5位『塔の上のラプンツェル』(2010)2億8,170万ドル(約309億8,700万円)

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豪華絢爛!テイラー様主演『クレオパトラ』 - Keystone-France / Gamma-Keystone via Getty Images

 エリザベス・テイラー主演のスペクタクル史劇『クレオパトラ』は、監督・キャストの交代、ロケ地の変更による大掛かりなセットの建て直し、テイラーのスキャンダルなどトラブルが相次ぎ、製作費が膨れ上がったと言われています。映画はヒットしたものの、興収は高くつきすぎた製作費には及ばず、20世紀フォックスを倒産の危機に追い込んだとまで。

 また、人気を博したシリーズの続編ほど、キャストの維持などにお金がかかるため製作費が上がるとされており、『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『スパイダーマン』もそれにあてはまるのでしょう。一方、アニメ作品ながらも5位にランクインしたのがウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの『塔の上のラプンツェル』。伝統的な手描きアニメと、CGIアニメ(Computer Generated Imagery)を組み合わせた複雑な手法を用いたために、ここまで莫大な金額がかかったとされています。さすがディズニーアニメーション……!

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■『アベンジャーズ』新作が歴代記録を更新?

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今度は67人も! - Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 そして、一大ブームを巻き起こしている『アベンジャーズ』シリーズの第3弾『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー(原題) / Avengers: Infinity War』(全米公開2018年5月4日)には、総勢67人ものヒーローが登場すると言われており、史上最高の製作費を更新するのではないかとささやかれています。確かに主役級のスターが一挙に集結したらギャラだけでもすごいことになりそうですね。

■資金が足りずお蔵入りした作品も…

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17年越しの企画…!ギリアム監督 - Venturelli / GC Images / Getty Images

 前述の『クレオパトラ』のように、トラブル続きでもどうにか完成を迎えることができる映画もあれば(それが結果的に良いのか悪いのかは別として……)、資金が足りなくなってしまい途中で製作中止を余儀なくされた作品もあります。そんな不遇な運命をたどった作品として有名なのが、『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』などの鬼才テリー・ギリアム監督の『ザ・マン・フー・キルド・ドン・キホーテ(原題) / The Man Who Killed Don Quixote』です。ドン・キホーテ役に『髪結いの亭主』のジャン・ロシュフォール、ドン・キホーテの従者・トビー役にジョニー・デップ、トビーが思いを寄せる女性にヴァネッサ・パラディが起用され、2000年に撮影が開始されたものの、屋外ロケで大雨にみまわれ機材が押し流されたり、ジャンが腰を痛めて降板せざるを得なくなったりするなど、予期せぬ事態が続き、製作費もかさんでいきました……。そして、ついには製作中止に。資金集めもあってか、後にそのトラブルの一部始終を収めたドキュメンタリー映画『ロスト・イン・ラマンチャ』(2002)が公開されています。

 そして! あきらめきれなかったギリアム監督は、同企画に再挑戦しています。キャストはもちろん入れ替わり、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』のジョナサン・プライスがドン・キホーテ役、アダム・ドライヴァーがトビー役で、今年3月に撮影を開始。つい先日には、ギリアム監督自らクランクアップの報告をしています。

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■あの大ヒット作、実は低予算だった!

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もはや伝説級…『マッドマックス』 - MGM / Photofest / ゲッティ イメージズ

 逆に、低予算ながら大ヒットを飛ばした作品も存在します。2015年に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が映画界を沸かせたことは記憶に新しいですが、そのシリーズ1作目『マッドマックス』の予算はおよそ35~40万オーストラリアドル(約2,905~3,320万円・1オーストラリアドル83円計算)とかなり低め。しかし、全世界興行収入はおよそ875万ドル(約9億6,250万円)と成功を収め、「製作費と興行収入の差が最も大きい映画」としてギネスブックに載っていたことがあるほど。

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低予算であれだけの恐怖…『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』 - Getty Images

 そんな『マッドマックス』をギネスブックからひきずりおろしたのが、1999年のホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』。なんと製作費6万ドル(約660万円)と超低予算にして、全世界興収およそ2億4,800万ドル(約272億8,000万円)と驚異の成績

 そして2007年には、それを下回る製作費1万5,000ドル(約165万円)のホラー映画『パラノーマル・アクティビティ』が公開され、約1億9,300万ドル(約212億3,000万円)の全世界興収をたたき出しました。

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■限りなく0円に近い映画も?

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全編iPhoneで撮影!『タンジェリン』 - (C) 2015 TANGERINE FILMS, LLC ALL RIGHTS RESERVED

 携帯電話で映画が撮れるようになったと言われる今、映画製作はとても身近なものになったのかもしれません。およそ10万ドル(約1,100万円)の低予算だったために、監督がストリートで出会った実際のトランスジェンダーの女性2人をキャスティングし、全編を3台の iPhone 5s で撮影した映画『タンジェリン』(2015)は大きな話題を呼びました。また、携帯電話で撮影された作品を対象にした「iPhone Film Festival」などもあります。

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才能があれば予算は問題じゃない? クリストファー・ノーラン監督 - Frazer Harrison / Getty Images

 さすがに全くの0円はムリかもしれませんが、海外では“ノーバジェット映画”という概念もあって、予算なしかあってもわずかな金額で製作される映画もあります。その成功例が、今となっては映画界を代表するクリストファー・ノーラン監督の長編デビュー作『フォロウィング』で、たったの6,000ドル(約66万円)で制作され、監督自ら脚本・製作・撮影・編集も担当しました。

 そして極めつけは45ポンド(約6,300円・1ポンド140円計算)で製作されたゾンビ映画『コリン LOVE OF THE DEAD』。マーク・プライス監督は、運送会社で夜勤をしながら脚本を執筆し、休日を中心に18か月かけて撮影を行い、劇中で使用された銃声などの効果音はお祭りの日に聞こえた花火の音を録り、編集は自前のパソコンで……という具合に、製作・脚本・撮影・録音・編集を1人でこなしたのです。そもそも製作費0円を目指していたそうなのですが、エキストラ用の軽食、撮影でどうしても必要だった小道具、撮影に持っていくのをうっかり忘れて買った新品のミニDVテープを購入せざるを得なかったそうです。低予算ながらもそのクオリティーの高さで話題になりました。

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