驚異の変身!「TRUE DETECTIVE」3弾はマハーシャラ・アリの真骨頂

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TRUE DETECTIVE
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 第91回アカデミー賞をにぎわせた俳優たちの多くが、映画と並行してテレビシリーズにたずさわっている。『グリーンブック』(公開中)で2度目の助演男優賞に輝いたマハーシャラ・アリも、その一人。アカデミー賞授賞式が開催された2月24日(現地時間)に、テレビシリーズで初主演を務めるHBOの人気シリーズ3弾「TRUE DETECTIVE/迷宮捜査」の最終話(第8話)が放送されたことは、まさに時代を象徴していると言えるかもしれない。

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TRUE DETECTIVE
事件当時、事件から10年後、事件から35年後の3つの時代を演じ分けるアリ

 本シリーズは、1シーズンで一つの物語が完結し、キャストも一新されるアンソロジー形式の刑事ドラマだ。マシュー・マコノヒーウディ・ハレルソンが共演した第1作「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」(2014)は、キャリー・ジョージ・フクナガが全話を監督して作り上げた映像世界も秀逸な傑作として名高い。小説家ニック・ピゾラット(「逃亡のガルヴェストン」)によって書き下ろしされた脚本は、かつて相棒だった二人の刑事の現在と過去に何があったのかを二つのタイムライン、二人の視点から描き出し、見応えのあるミステリーである以上に人間ドラマだった。アメリカ中西部ミズーリ州の空気感も独特の味わい深さから一転、ロサンゼルスを舞台にしたコリン・ファレル主演の第2作「TRUE DETECTIVE/ロサンゼルス」(2015)は残念ながら視聴者の大きな期待に応えることはできなかった。それから約3年半の時を経たシーズン3は、南部アーカンソー州を舞台にしている。引き続きピゾラットを主軸として、マコノヒーやハレルソンらが製作総指揮に名を連ねて1作目のテイストに近いものがある。

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失踪した幼い兄妹

 物語は小さな町で自転車に乗って遊びに出かけた幼い兄妹の殺害&失踪事件が起きた1980年、再捜査が行われた1990年、そして再び事件の記臆を呼び起こされる2015年の3つのタイムラインが並行して描かれる。アリはベトナム戦争のPTSDをわずらいながら事件の捜査に当たる若かりし頃、その10年後、さらにアルツハイマーを患う初老の3つの時代を演じ分けている。冒頭、白髪で眉間に深い皺が刻まれた、アリが演じるウェイン・ヘイズの顔がアップで映し出された瞬間、息をのむ。頬の肉が落ち、見開かれた目には深い悲しみとともに、どこか怯えているように感じられる。すぐに彼がアルツハイマーを患っていることがわかるのだが、彼の表情を見ただけで、気持ちが混乱し、自分を見失いつつあることへの恐怖が伝わるあたりは、もうさすがとしか言いようがない。

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相棒刑事はスティーヴン・ドーフ

 もちろん、単に見た目の変化だけがすごいわけじゃない。1980年の事件が、ヘイズの人生にどんな影響を与えたのか。セリフや説明はなくとも、そのことが各時代のヘイズの表情やたたずまいから伝わる繊細で緻密な役作りは、じわじわとこちらの胸に迫りくるものがある。ヘイズは静かな印象があるが、有無を言わさず圧倒される感じは『グリーンブック』のドクター・シャーリーを思わせるものも。スティーヴン・ドーフが演じる相棒の刑事ローランド・ウェストとの、言葉は少なくとも醸し出されるバディ感も味わい深い。

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失踪した兄妹の両親役にメイミー・ガマー&スクート・マクネイリー

 第1話と第2話の監督を手がけているのは、バイオレンス描写が話題となったスリラー『ブルー・リベンジ』(2013)、故アントン・イェルチン主演のホラー『グリーンルーム』(2015)、Netflixで配信中の異色作『ホールド・ザ・ダーク そこにある闇』(2018)のジェレミー・ソルニエ。作品の映像世界の方向性を決定づける監督として、ソルニエの作風や個性は本シリーズと非常に相性が良いように思う。子供たちの足跡をたどるヘイズが見つける不気味な印や、南部の空気感など確かにシーズン1に通じる要素はある。だが、強迫観念的に町の住人とヘイズが反応してしまう、事件に遭う日に子供たちが乗っていた自転車のホイールが回転する音の使い方。暗がりの中で警察が広大な国立公園で懐中電灯をかざしながら子供たち捜す俯瞰のショットなど、ソルニエの随所に感じられるホラー味のある渇いたテイストは、また異なる魅力があると思う。そして言わずもがな、人生を形作る“記臆”をめぐる物語において、アリの演技が要であることは間違いない。

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ここで観られる!

「TRUE DETECTIVE/迷宮捜査」(全8話)はBS10スターチャンネルにて独占日本初放送
【STAR2 字幕版】5月30日より毎週木曜よる11:00~(第1話無料放送)
【STAR3 二ヵ国語版】6月3日より毎週月曜よる10:00~(第1話無料放送)

今祥枝(いま・さちえ)ライター/編集者。「小説すばる」で「ピークTV最前線」、「yom yom」で「海外エンタメ考 意識高いとかじゃなくて」、「日経エンタテインメント!」で「海外ドラマはやめられない!」を連載中。本サイトでは間違いなしの神配信映画幻に終わった傑作映画たちを担当。Twitter @SachieIma

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