『スター・ウォーズ』スカイウォーカー家の人々:第1回アナキン・スカイウォーカーの物語

スター・ウォーズ特集

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 『スター・ウォーズ』シリーズを締めくくる『エピソード9』である『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー(原題)』が12月20日世界同時公開される。これまでの壮大なサーガは、極論すればスカイウォーカー家の歴史だった。彼らはどんな人物なのか、スカイウォーカー家の歴史を公式に“正史”とされている映画とTVシリーズから振り返ってみる。第1回目はシリーズ屈指の人気を誇る最重要人物の一人、アナキン・スカイウォーカーの生涯に迫る。(平沢薫)

※この連載はその人物の生涯を知るために、作品が公開された順ではなく出来事の起きた順で紹介する。

アナキン・スカイウォーカー、愛する者を失い続けた悲劇のジェダイの生涯

名も無き少年、輝けるジェダイ、そして暗黒卿ダース・ベイダーへ

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まだあどけないアナキン少年。 Lucasfilm Ltd. / 20th Century Fox / Photofest / ゲッティ イメージズ

 『スター・ウォーズ』をスカイウォーカー家三代にわたる物語として捉えると、最初の中心人物となるのは、アナキンだ。彼はこのシリーズ中で、もっとも変化の激しいドラマチックな人生を送った人物でもある。辺境の惑星で母と2人で暮らしていた機械修理が好きな幼い少年が、偶然出会ったジェダイの弟子となり、才能あふれるジェダイとなるが、やがて暗黒面に落ち、味方からも恐れられる冷酷な暗黒卿ダース・ベイダーに変ぼうしてしまうのだから。

 そして、もっとも悲劇的な人物かもしれない。アナキン自身、優れた才能の持ち主であるゆえに傲慢になり、自分が正当に評価されていないという不満を抱くという問題点はあるが、それにしてもアナキンの人生を見ると、愛する者を失うことの連続だったことに気づかされる。だから彼の暗黒面への転落は、怒りや野望のせいではなく、また愛する者を失うのではないかという“恐れ”からの衝動にも見えるのだ。

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9歳で母と引き離される

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大好きなママとの別れ。 Lucasfilm Ltd. / 20th Century Fox / Photofest / ゲッティ イメージズ

 まず、『スター・ウォーズ エピソードI/ファントム・メナス』で描かれる9歳の少年時代。アナキン(ジェイク・ロイド)は、銀河の辺境にある砂の惑星タトゥイーンで、奴隷である母が「自然に妊娠した」と説明する父親のない子供として生まれ、母と2人で暮らしていた。機械修理が大好きで、その腕を買われて奴隷として働き、才能あるレーサーとして賭けレースにも出場する生活は、貧しくはあっても不幸ではなかった。

 だが、たまたまこの惑星に宇宙船で不時着したジェダイのクワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)と惑星ナブーの女王パドメ・アミダラ(ナタリー・ポートマン)に出会ったことから、運命が激変する。クワイ=ガンは、アナキンのフォースの力が強いことを知り、彼が“フォースに均衡をもたらす者”と予言された存在ではないかと考えて、アナキンを弟子にするのだ。

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つかの間の幸せ。 Twentieth Century Fox / Photofest / ゲッティ イメージズ

 しかし弟子になって一人で惑星を出ることは、9歳の少年にとって愛する母親を失うことでもあった。その上、彼を弟子にしたクワイ=ガンは、すぐに敵との戦いで死ぬ。アナキンはここでも自分を信じてくれた人を失うのだ。

 加えて、9歳で運命の相手に出会ってしまったのも、彼の悲劇だろう。アナキンは初めてあった若い女王パドメに一目で恋に落ちる。それからずっと彼女を思い続け、10年後を描く『スター・ウォーズ エピソードII/クローンの攻撃』でアナキン(ヘイデン・クリステンセン)はその思いを告白する。このとき、彼は将来を期待されるジェダイの弟子として活躍しており、ジェダイは恋愛禁止なのだが、パドメと再会した19歳のアナキンの気持ちは熱くなるばかり。不運なことに彼女の護衛を任されて2人きりで過ごすことになり、「みんなに知られなければいい」と極秘結婚してしまう。

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母の死、そして妻の死への恐れ

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弟子アソーカと。 Lucasfilm Ltd. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 そして、『スター・ウォーズ エピソードII/クローンの攻撃』でもアナキンは愛する人を失う。アナキンは母が苦しんでいる予知夢を見て救出に向かうが、砂漠の部族に誘拐された母は彼の腕の中で死ぬ。するとアナキンは、その部族の集落を子供も含めて皆殺しにしてしまうのだ。

 その後、『スター・ウォーズ エピソードII/クローンの攻撃』と『スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐』の間を描くアニメ「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」シリーズでも、アナキンは愛する者を失っている。アナキン(声:マット・ランター)はジェダイとなり、弟子アソーカ・タノ(声:アシュリー・エクスタイン)を教育するが、アソーカが爆破犯の濡れ衣を着せられたとき、アナキンは彼女の無罪を信じるが、ジェダイ評議会は彼女を有罪だと判断してジェダイから追放する。その後、別の真犯人が判明するが、アソーカはジェダイには戻らないという選択をする。こうしてアナキンは愛する弟子を失い、ジェダイ評議会への不信感も抱く。

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恐れはダークサイドに通じる……。Lucasfilm Ltd. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 その直後を描く『スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐』でパドメが妊娠。アナキンは彼女が出産で死ぬという予知夢を見て、母の死の予知夢を見たことを思い出し、パドメの死を恐れるようになる。そこで、元老院議員パルパティーン(イアン・マクディアミッド)、実はジェダイの敵であるシスに「フォースの暗黒面には人間を死から救う力がある」と言われると、心が動いてしまうのだ。

 だからアナキンは、パルパティーンの罠にはまる。パルパティーンの正体がシスだと知ったジェダイのメイス・ウィンドウ(サミュエル・L・ジャクソン)が彼を殺そうとした時、アナキンの脳裏にパルパティーンの「私が死ねば、パドメを救う手段はなくなるぞ」という言葉がよみがえる。そして、メイスの腕を切り落としてしまうのだ。するとパルパティーンはメイスを倒し、アナキンは彼の弟子になる。アナキンの転落は、愛するパドメを失うことを恐れたからなのだ。

 すぐにアナキンは、オビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)との戦いで負傷して半分機械の身体となり、ダース・ベイダーと呼ばれるようになる。パドメは双子のルークとレイアを生んで死ぬが、それを知ることもない。

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もう愛する者を失いたくない

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師匠との戦い。 Lucasfilm Ltd. / Twentieth Century Fox Film Corp. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ダース・ベイダー(デヴィッド・プラウズ)となったアナキンが、かつての師オビ=ワン(アレック・ギネス)と再会するのは、その19年後の『スター・ウォーズ』。オビ=ワンは成長したルーク(マーク・ハミル)たちを逃がすためにベイダーと戦い、まるでわざとのようにベイダーに倒される。

 彼が息子ルークと直接対面するのは、その3年後の『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』。ルークに皇帝となったパルパティーンを一緒に倒して銀河を支配しようと呼びかけるが、ルークは応じない。しかし、ルークを殺すこともできない。

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父と息子の葛藤。 Lucasfilm Ltd. / 20th Century Fox / Photofest / ゲッティ イメージズ

 そして2人は1年後の『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』で再会。ベイダーは、ルークを誘惑しまたも拒絶されるが、皇帝がルークを殺しそうになると、それをそのまま見ていることはできずに皇帝を倒す。このときのベイダーの行動も、愛する者を失うことへの恐れゆえではないだろうか。これまでずっと愛する者を失ってきた彼は、おそらくここでまた愛する者を失うことに耐えられなかったのだ。

 皇帝との戦いで瀕死の状態をなったベイダーは、ルークの顔を自分の目で見たいと彼にヘルメットを外させ、「父さんを救うんだ」というルークに、「もう救ってくれた。お前が正しかった、私には善の心が残っていた。妹にもそう言ってやれ」といって死ぬ。最期にやっとアナキンは愛する者を失わずに済んだのだ。それがアナキンの最期を幸福な思いで満たしたのに違いない。

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<ヴィランズ列伝:ダース・シディアス>

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(C) & TM Lucasfilm Ltd. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 このシリーズ最大のヴィランはこの人物だろう。シリーズでもっともフォースの暗黒面を巧みに使うシスの暗黒卿だ。最初は、銀河共和国の元老院議員パルパティーンとして登場。若いジェダイ、アナキンを暗黒面に落とし、ダース・ベイダーに変ぼうさせる。それだけでなく、元老院議員たちやジェダイ評議会までをも策略に乗せて、自ら銀河元老院の最高議長となり、そこから銀河帝国を興し、その皇帝となった恐るべき人物。

 そして最新作『スター・ウォーズ/ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー(原題)』の予告編の最後に聞こえる笑い声は、この人物のもの。『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』ではベイダーが彼を墜落させたが、『スター・ウォーズ エピソードI/ファントム・メナス』で同じような最後を遂げたシスのダース・モール(レイ・パーク)がアニメ「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」シリーズで生きていたことが判明したことを考えると、シディアスも生存している可能性が!?  12月20日公開の新作にその答があるはずだ。

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