高橋一生が妖怪「すねこすり」題材の映画で主演!監督は「岸辺露伴は動かない」渡辺一貴

荒木飛呂彦の人気コミックを実写化したドラマ・映画「岸辺露伴は動かない」シリーズの渡辺一貴監督、主演・高橋一生がタッグを組む、岡山の妖怪伝承「脛擦り(すねこすり)」に着想を得た映画『脛擦りの森』(読み:すねこすりのもり)が4月10日より公開されることが明らかになった。共演に本作が2作目の映画出演となる16歳の新星・蒼戸虹子、第78回カンヌ国際映画祭監督週間出品作品『見はらし世代』の主演を務めた黒崎煌代。併せて特報映像、ティザービジュアル、場面写真が公開された。
本作は、渡辺一貴監督が岡山の森に足を運び、この地に伝わる物語からインスピレーションを得てオリジナル脚本を執筆し、岡山県の高梁市、新見市で撮影を実施。人里から離れた深い森で足に傷を負った若い男(黒崎煌代)は、女の美しい歌声に導かれ、古めかしい神社にたどり着く。そこには謎の男(高橋一生)と、若い妻・さゆり(蒼戸虹子)が暮らしていた。看病を受け、傷も癒えた若い男は、この場所で夢のような、時の止まったような時間を過ごす。繰り返される穏やかな日々、すべては永遠に続くかに思えたが……。
撮影地の岡山は、渡辺監督が放送局に勤めていた時期に4年程過ごした思い出の場所でもある。渡辺監督は当時、山間の里村で、母屋の中で牛と共に暮らす老夫婦を取材したことがあるそうで、「その取材中に不思議な体験をしたのです。ある春の昼下がり、撮影の合間に私は田んぼの畦道でぼんやり佇んでいました。その時一陣の風が吹き、雑木林がざわめきました。瞬間、不思議な感覚に包まれたのです。今が現代なのか、遥か昔なのか…自分が何百年前にも同じ場所に立っていた記憶が立ちあがり、しばらくその場に立ち尽くしていました。今でも、あの時の感覚は忘れていません」と本作の制作にも繋がった記憶を明かしている。
主演の高橋と渡辺監督は、高橋が漫画家・岸辺露伴役で主演を務めた人気シリーズ「岸辺露伴は動かない」をはじめ、大河ドラマ「おんな城主 直虎」(2017)、単発ドラマ「雪国 -SNOW COUNTRY-」(2022・NHK)などで組んでいる。高橋は「一貴監督とは長くご一緒していますが、芝居において余白を信じてくださる方です。脚本には、妖怪がどのように語られ、伝えられ、物語として残っていくのかという「継承」の感覚が通底していて、言葉を重ねすぎない世界の中で演じられることに、手応えを感じていました」と、渡辺監督との本作の撮影を回顧。思いを明かした。また、元々「すねこすり」が自身の一番好きな妖怪という高橋は、「初めてこの妖怪を知ったとき、その正体の掴めなさや、どこか人の生活に寄り添う佇まいに強く惹かれました。今回、一貴監督がすねこすりを題材に作品を撮ると聞き、不思議と腑に落ちるものがあり、この物語に関わることになりました」と本作への思いを語っている。
「岸辺露伴は動かない」シリーズや大河ドラマ「どうする家康」などの柘植伊佐夫が人物デザイン監修・衣裳デザインを、監督作『血を吸う粘土』が第42回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門のクロージング作品に選出された梅沢壮一が特殊メイクを手がける。
特報映像では、人里から離れた森の中を彷徨う二人の男の姿を静かに追っていく。そしてある女の歌声のような声が響き、洞窟の入り口が映し出され、「あなたに出逢える日を、焦がれていました」というミステリアスな言葉で締めくくられる。ティザービジュアルには苔が生え緑濃く切り立った岩場のような場所で小さな祠が佇んでいる。
なお、1月22日朝10時より前売り券、ムビチケオンライン券が発売。高橋、蒼戸、黒崎、渡辺監督のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
主演:高橋一生(謎の男役)
『脛擦りの森』は、妖怪・すねこすりをモチーフにしたオリジナル作品です。初めてこの妖怪を知ったとき、その正体の掴めなさや、どこか人の生活に寄り添う佇まいに強く惹かれました。今回、一貴監督がすねこすりを題材に作品を撮ると聞き、不思議と腑に落ちるものがあり、この物語に関わることになりました。一貴監督とは長くご一緒していますが、芝居において余白を信じてくださる方です。脚本には、妖怪がどのように語られ、伝えられ、物語として残っていくのかという「継承」の感覚が通底していて、言葉を重ねすぎない世界の中で演じられることに、手応えを感じていました。撮影中は、観る方が物語の中に迷い込んだような感覚を持てるような空気の中で、スタッフの皆さんと試行錯誤を重ねながら、挑戦的な時間を過ごしました。また、すねこすり発祥の地とされる岡山の風土に身を置けたことも、この作品にとって欠かせない体験だったと思います。劇場でこの世界に触れていただける日を、楽しみにしています。
蒼戸虹子(謎の女・さゆり役)
真冬の岡山県、雪の降る幻想的な景色の中で私は一体どこにいるのか、現実かどうもわからなくなるような不思議な感覚に陥りながら、ゆっくりと流れる時間がとても、好きでした。そして渡辺監督の世界の中に、高橋さん、黒崎さんと一緒に居られたことも、私にとって特別なものでした。映画をみている内にいろいろな境界線がなくなっていくような、そんな感覚をご覧いただいた方もきっと体験いただけると思います。沢山の方にご覧いただければ嬉しいです。
黒崎煌代(若い男役)
『脛擦りの森』に若い男役で参加させていただきました、黒崎煌代です。岡山の素晴らしいロケーションで撮影された本作は、どのシーンも洗練された美しさと妖しさが漂っています。私にとって妖怪「スネコスリ」は、とても身に覚えのある感覚の妖怪でした。観ていただいた方にスネコスリがどう映るのか、今からとても楽しみです。ぜひ物語に身を委ね、劇場で神秘的で妖しい『脛擦りの森』の世界を味わっていただきたいです!
渡辺一貴(監督/脚本)
日本には数百以上の「妖怪」が棲んでいると言われています。妖怪とは、人知を超える現象や不可思議な事象に昔の人が名前を付けたもの。自然への畏怖、未知のものへの恐怖が産んだ、想像力の結晶なのだと思います。本作のモチーフとなった「スネコスリ」もそんな妖怪の一つです。雨の夜。灯りのない暗い道を歩いていると、ぬかるみに足を取られて転んでしまう。「見えない何かに悪戯された」と思いこみ、皆に吹聴する…岡山県に伝わる妖怪「スネコスリ」の伝承です。岡山は私が放送局に就職して、最初の4年間を過ごした大切な場所です。当時、山間の里村で、母屋の中で牛と共に暮らす老夫婦を取材したことがありました。田の神に感謝し、牛の神に祈りを捧げ、日々を送る。数十年間変わらない静かな暮らし…。その取材中に不思議な体験をしたのです。ある春の昼下がり、撮影の合間に私は田んぼの畦道でぼんやり佇んでいました。その時一陣の風が吹き、雑木林がざわめきました。瞬間、不思議な感覚に包まれたのです。今が現代なのか、遥か昔なのか…自分が何百年前にも同じ場所に立っていた記憶が立ちあがり、しばらくその場に立ち尽くしていました。今でも、あの時の感覚は忘れていません。妖怪は昔の人々の自由で豊かな発想力が産んだ、オリジナリティ溢れる創造物です。そんな妖怪のひとつ「スネコスリ」に新たな命を吹き込み、思い出の地である岡山で、映画を作ることができました。先達の想像力には遠く及びませんが…「スネコスリ」に感謝です。


