名コンビ、ダリルとキャロルが…意外な展開!?
今週のウォーキング・デッド
今回の主役は「ウォーキング・デッド」の名コンビ、ダリルとキャロル。3話前の第18話「俺を見つけてくれ」でケンカしてしまった2人が、あれからどうなったかが描かれる！（平沢薫）
※ご注意 なおこのコンテンツは「ウォーキング・デッド」シーズン10について、後半の「もう観ちゃった方向け」はネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。
今週のウォーキング・デッド～シーズン10第21話
＜これから観る方向け：ネタバレなし＞口ゲンカして気まずくなったダリルとキャロルはどうなった？
追加エピソード全6話中で、2度も描かれるのはシリーズ中でも人気の名コンビ、ダリル（ノーマン・リーダス）とキャロル（メリッサ・ マクブライド）だけ。今回の第21話「分岐」では、2人が一緒に食料を探しに出た第18話「俺を見つけてくれ」の翌朝からドラマがスタート。第18話の最後でお互いの性格を批判して言い争いをしてしまい、気まずい雰囲気になった2人はあれからどうなったのか。ダリルとキャロルのファンなら必見のエピソードだ。
第18話直結のドラマなので、監督も同じデヴィッド・ボイド。「ウォーキング・デッド」には2011年のシーズン2からときどき参加している古参監督だ。脚本は、シーズン6以来久々のシリーズ復帰になるヘザー・ベルソン。彼女はシーズン5と6の製作にも参加していたので、ダリルとキャロルの性格をよく知っている。今回は、ダリルとキャロルが、ファンのイメージ通りでありつつ、ちょっとだけ新たな側面を見せてくれるのも見どころだ。
＜もう観ちゃった方向け：ネタバレあり＞シリアスドラマ回かと思いきや、シリーズ初の「何もない日」のエピソード！
第18話ラストのダリルとキャロルの口論の雰囲気と、今回のエピソードタイトル「分岐」から推測して、2人の関係をより深く描くシリアスなドラマになるのではないかと思ったら、予想は大ハズレ。なんとシリーズでも珍しい「何も事件が起きない日」を描くエピソードだった。
大きな出来事は起こらず、いつものダリルといつもよりちょっとかわいいキャロルが見られる、2人が最後に言うとおりの「いつも通り」の日。そのうえシリーズの2大癒し系アイテム、モフモフの犬・ドッグとジェリー（クーパー・アンドリュース）の魅力もたっぷり味わえる、癒し系、和み系のエピソードでもある。エピソード全体を通して穏やかな日常が描かれるのは、おそらくシリーズ初ではないだろうか。
ドッグがキャロルの近くをうろちょろしたり、ネズミを追いかけたりするのを見ているだけで癒されるし、ジェリーがいつも黙々と肉体労働をしているのにも心和まされる。その癒しの雰囲気が極まるのは、ラスト近くのキャロルとジェリーのシーン。ジェリーは、キャロルを慰めようとしてうまい言葉が見つからず「エゼキエルなら何て言うかわからない」と言い、キャロルが「あなたは何て？」と問うと、ジェリーは黙ってキャロルを抱きしめる。ジェリーならではの名シーンだ。
また今回は、キャロルが普段はあまり見せない愛らしさを発揮するのも見どころ。ドッグに自分の気持ちを話したり、ダリルとの関係がギクシャクしていることへのイライラを、ちょうど出てきたネズミに転嫁して、ネズミが隠れた壁を破りまくったり、その姿はなんだか愛らしく、それでいて、キャロルならこんなこともやりそうだと思わせる説得力がある。振り返れば、シーズン10のキャロルは復讐に執着しすぎてちょっと怖かったので、こういう姿が見られるのはうれしい。すでに発表されている、ダリルとキャロルのスピンオフ・シリーズへの期待も高まってしまう。
そして、このエピソードは「ウォーキング・デッド」の世界の奥行きをより深めてくれている。ウォーカーたちが動き回る世界でも、人々の日々の暮らしの中にはきっと、このエピソードのように「何も起きない日」「いつも通りの日」もたくさんあるのに違いない。そんな日々を、人々は悩んだり笑ったり、薪を割ったり食事を作ったりしながら生きている。わたしたちと同じように。このエピソードはそれを痛感させてくれるのだ。
さて、いよいよ次回は追加エピソードの最終話、ニーガン（ジェフリー・ディーン・モーガン）の過去が描かれる注目回。ここにもきっと、ファンの期待をいい意味で裏切る仕掛けが用意されているのに違いない。
