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『燃えよ剣』オールスターキャストが秘めた「信念」

 『関ヶ原』の原田眞人監督&岡田准一主演コンビにより、司馬遼太郎(遼のしんにょうは点2つ)の同名ベストセラー小説を映画化した『燃えよ剣』。動乱のさなかの幕末期、新選組としてわずか6年だけ存在した若者たちの熱き志と壮絶な戦いを描いた本作に、豪華俳優陣が集結した。それぞれの「信念」が激しくぶつかり合う物語の中で、彼らは何を感じたのか? 岡田准一、柴咲コウ鈴木亮平山田涼介伊藤英明の5人が、役柄として、自身としての「信念」について真摯(しんし)に語った。

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岡田准一(新選組副長 土方歳三役)

「本気」の人には、それを上回る「本気」で応える

 土方は、見えるもの、触れるもの、自分の手が届くものだけを信じ、それを守るために懸命に生きた人。時代が変わり、いろいろな情報が錯綜しても、決して惑わされない、というところに信念を感じます。僕自身も時代劇を愛し、勉強してきましたが、それなりに歳も重ねてきて、今はもっと同志を増やしたいという思いがあります。そういった意味では、最近、「殺陣を教えてほしい」という若手の役者さんも多くなってきたので、すごくうれしいです。「本気」で教えてほしい人は、多忙なスケジュールの合間を縫って自分からやって来てくれます。その時は気持ちを倍にして「本気」で応える。強いて言えば、それが僕の信念というかスタンスでしょうか。

柴咲コウ(土方と惹かれ合うお雪役)

写真:杉映貴子

自分に「リミット」をかけないこと

 動乱の中、夫を亡くしたお雪は、土方と出会ったことで、絶望が希望に変わり、「この人を支えたい」「何かのお役に立ちたい」という信念が芽生えたように思います。女優としては「作品に貢献したい」という点では少し似ているところがありますが、現場によって全然違うので、あえてあまり自分の中で「わたしのやり方はこう」というものは持たないようにしています。もちろん、脚本を読み込んで、それなりにイメージはつくっていきますが、原田監督のように的確に言語化してくださる方もいますし、「何となくこうかな?」という感覚的な方もいるので、現場に合わせてセッションを楽しんでいる感じですね。わたし自身、「これ!」と決めず、いろいろと挑戦しながら成長していくのが好きなので、「自分にリミットをかけないこと」が信念と言えるかもしれません。

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鈴木亮平(新選組局長 近藤勇役)

写真:杉映貴子

やらない後悔よりもやる後悔

 「誰よりも武士でありたい」という武士への強い憧れこそ近藤の信念なのかなと。自分たちが本物の武士ではないからこそ、「武士よりも武士らしく生き、歴史に名を残したい」という上昇志向が彼を突き動かす原動力になったのではないでしょうか。僕自身は器用なタイプではないので、こういった人物の考察をはじめ、いろんな情報を集めたり、ゆかりの地を訪ねたり、あるいは彼が学んだ天然理心(てんねんりしん)流の道場で剣を学んだり、役に入る前の徹底した「準備」を心がけています。そこが信念と言えるかもしれません。あとは、「やらない後悔よりもやる後悔」をモットーに、常に夢を追い続けていたい。そのためには、いろいろな寄り道はあったとしても、どこに向かっているのか、目的をしっかり見据えておくことも僕にとっては大切なことですね。

山田涼介(新選組一番隊組長 沖田総司役)

嫌われる「リスク」を背負って先頭に立つ

 沖田は、殺伐とした新選組の空気をガラッと変えられる癒やし系末っ子キャラであると同時に、近藤さんや土方さんにひるむことなく物申せる唯一無二の存在。剣の才能も一番優れていると言われ、子供好きも有名な話です。ただ、その反面、恩人さえも手にかける残虐な一面を持っているので、人としてどこか壊れている。この狂気はどこから生まれたのか、謎なんですよね。Hey! Say! JUMP を新選組に例えるなら、僕は土方のポジションに当たるでしょうか。土方は、常に自分が先頭に立ち、嫌われてもいいから危険な橋を渡らなければいけないとも思っている。僕もみんなに好かれようとは思っていなくて、「嫌われるリスク」を背負わないと、心の底から好きになってもらうことはできないと思うんです。

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伊藤英明(新選組初代筆頭局長 芹沢鴨役)

写真:杉映貴子

自分にとって大切な人たちを守ること

 信念って、幕末期にすごく合う言葉ですよね。芹沢と土方の関係もそうですが、新選組の志士たちは国を良くするために、あるいは自分の野心を貫くために、互いに「信念を曲げられない」からこそぶつかり合って、命懸けの戦いに身を投じていくわけです。そういう意味では、自分たちが成したい夢に向かって突き進むというのが一番近いのかもしれませんね。では、現代を生きる僕たちにとって、信念とは何か? 口に出した時点で軽々しくなってしまいそうですが、例えば、家族や友人など自分が愛情を注ぐ人たちを守ること、子供のために進むべき道を作り自分がロールモデルとなってアイデンティティーを確立させてあげること。命懸けの戦いはなくとも、「国を良くしたい」という根底は変わらないのかもしれません。

 キャストそれぞれの心の中にある「信念」をひもといていくと、彼らが長きにわたりトップランナーでいられる理由がよくわかる。俳優として、人として、人生の荒波や心が折れそうな失敗を幾度となく乗り越えながら、築き上げてきたその「信念」こそ、“今”の輝きの礎(いしずえ)になっているのではないだろうか。(取材・文:坂田正樹)

映画『燃えよ剣』予告編

(C) 2021「燃えよ剣」製作委員会

映画『燃えよ剣』は10月15日より全国公開

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