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『エルヴィス』『キングダム2』など7月公開映画の評価は?

今月の5つ星

 山崎賢人主演『キングダム』の続編、エルヴィス・プレスリーの半生を描く伝記ドラマ、『トイ・ストーリー』シリーズのバズの原点を描くディズニー&ピクサー最新作、スタジオ・A24が手掛ける新作ホラー、太宰治賞&三島由紀夫賞をW受賞した原作の映画化などの作品をピックアップ。これが7月の5つ星映画だ!

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アンディ少年がバズに夢中になった理由がわかる

バズ・ライトイヤー』7月1日公開

 『トイ・ストーリー』(1995)で新しいおもちゃ、バズ・ライトイヤーを誕生日プレゼントにもらって大喜びしていたアンディ少年。バズはアンディが大好きな映画の主人公のフィギュアであり、本作は彼が観た“その映画”だ。

 宇宙を舞台にしたバズのめくるめく冒険をスケールの大きなアニメーションで表現することで生まれた没入感はすさまじく、アンディが夢中になったのもうなずける。そしてスペースアクションが大迫力だからこそ、同じピクサーの『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)のオープニングを思わせる繊細なアニメーションでつづられるバズと親友アリーシャの切ない友情がより鮮やかに浮かび上がり、涙腺を刺激する。『トイ・ストーリー』ファンはもちろん、家族みんなで楽しめる夏の超大作だ。MVP級の活躍と愛らしさを見せるのは猫型ロボットのソックスで、猫好きは必見!(編集部・市川遥)

オースティン・バトラーのスター性に夢中になる

エルヴィス』7月1日公開

 伝説のスーパースター、エルヴィス・プレスリーの誕生から謎の死を遂げるまでを描いたミュージック・エンターテイメント。バズ・ラーマン監督ならではのきらびやかで臨場感のあるライブパフォーマンスが体感できる、一級の音楽映画だ。

 エルヴィス役に大抜てきされたオースティン・バトラーは、ほぼ全編吹き替えなしで歌い上げ、独特な動きや話し方まですべてがエルヴィスそのもの。その憑依ぶりは神懸っており、劇中でエルヴィスを初めて見た女性たちが発狂するのと同じように、オースティンの演技にくぎ付けになる。そして、それ以上に引き込まれるのは、悪徳マネージャーにふんするトム・ハンクスとの演技バトル。エルヴィスが抱える孤独、戸惑い、野望、混沌などを表現しながら、オスカー俳優のトムと渡り合う姿に魅せられる。エルヴィスの真の姿を知るとともに、オースティン・バトラーというスターの誕生を目撃することになる。(編集部・香取亜希)

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あみ子を見つめる視線に希望を見出す

こちらあみ子』7月8日公開

 あみ子は普通じゃない。何年も思いを寄せる男の子の苗字を知らず、チョコクッキーのチョコだけを舐めて彼に食べさせる。果ては、流産した母親を慰めるために行った彼女なりの善意も普通じゃない。そんなあみ子だから学校や家庭で誰からも相手にされなくなっていくが、彼女は事態の深刻さを少しも理解していない。周囲の人が次々とバランスを崩す中で彼女だけが変わらない。驚くほどに変わらないので、見ている側もどちらの側が「普通」なのか、わからなくなる。

 今村夏子の原作小説は、あみ子の目を通した視点でのみ書かれていたが、映画もあみ子という特異な存在が絶妙な距離感で映し出されていく。その異様な言動を淡々と追い、純粋で無垢なる存在とも、知的障害を抱える子どもともカテゴライズせず、そっと寄り添うように「わからない存在」として描く。あらゆるものが安易にラベリングされる現代社会で、はみ出してしまった者をただ肯定すること。切なくも捉えどころのない本作はそんな希望を与えてくれる。(編集部・大内啓輔)

70年代ホラー映画の復活を期待させる快作

X エックス』7月8日公開

 カルト教団の集団自殺事件を基にした『サクラメント 死の楽園』など、挑戦的な作風を貫くタイ・ウェスト監督が手掛けたエクストリームホラー。1979年のテキサス州を舞台に、ポルノまがいの自主映画で成功を夢見る映画クルーが、ロケ先に選んだ、不気味な老夫婦が所有する片田舎の農場で恐怖の一夜を体験する。

 アメリカンドリームを信じるセクシーな若者と、外の世界を知らずに年齢を重ねた老人の対比は、巧みなキャスティングもあって、誰もが避けられない老いへの本能的な恐怖を訴えかける。都会からやってきた人間が田舎で恐怖に直面する構図は、伝説的ホラー『悪魔のいけにえ』(1974)を想起させるが、ウエスト監督はさらに、過激な暴力と性描写の間に深いテーマ性を潜り込ませることで、当時の才能あふれるクリエイターたちの志まで再現。3部作になる予定で、すでにパート2が撮影済みということもあり、1970年代ホラーの復活を期待させる。(編集部・入倉功一)

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清野菜名が実写キングダムを進化

キングダム2 遥かなる大地へ』7月15日公開

 原泰久の人気漫画を山崎賢人主演で実写化し、スマッシュヒットを記録した映画『キングダム』の続編。隣国の魏が秦に侵攻を開始し、主人公・信(山崎)は決戦の地・蛇甘(だかん)平原での戦いに身を投じていく。国内で起きたクーデターを描いた前作に対して、今作は「キングダム」の醍醐味ともいえる、戦場での大軍と大軍のぶつかり合いが繰り広げられる。

 実写化のハードルや規模も段違いとなっているが、進化を遂げたアクションはファンの期待を裏切らず、壮大なスケールの戦闘シーンの映像がスクリーンいっぱいに広がる。そして、なんと言っても注目なのは原作でも人気のキャラクター・羌カイ役でシリーズに加わった清野菜名だ。複雑な生い立ちである羌カイの心の機微を繊細に演じつつ、日本トップレベルのアクション俳優としての実力をいかんなく発揮。実写『キングダム』をさらに進化させた清野の、熱いセリフに心が震える。(編集部・海江田宗)

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