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【ネタバレ解説】「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」のアレって?シーズン1で出た謎とギモン

シーズン2はどうなる?

 J・R・R・トールキンのファンタジー小説「指輪物語」に基づくドラマシリーズ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」シーズン1が全話配信された。最終話は、シーズン1を通して引っ張ってきた2つの謎に意外な答を提示し、ファンを歓喜させた。ここでは、まだ少し残っているモヤモヤを一気に解消し、シーズン2に持ち越された謎を整理しよう。(文・平沢薫)

※本記事はネタバレを含みます。「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」シーズン1視聴後にお読みいただくことをおすすめします。

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■ヴァラールと創造主(エル)

 いきなり登場人物たちのセリフに出てくるこれらの用語は、トールキンの世界創世の設定に関連している。簡略化すると、トールキンの設定では、すべては創造主(エル、別名イルーヴァタール)が創造する。彼は精霊アイヌアを生み出し、彼らの中でアルダ(中つ国を含む世界)に住むようになったものが、上級霊的存在ヴァラール(単数形はヴァル)と下級霊的存在マイアール(単数形はマイア)になる。

 ちなみにドラマで語られる冥王モルゴス(別名メルコール)は、元はヴァラール。そして、冥王サウロンや怪物バルログは元マイアールで、モルゴスに誘惑されて悪の存在となった。そして、賢人や魔法使いと呼ばれるイスタリ(単数形はイスタル)も元はマイアールで、彼らはヴァラールによって、サウロンに対抗するため中つ国に送られたという記述がある。ドラマ中で、白装束の3人組が“よそびと”をサウロンと間違えるのは、どちらも元はマイアールだという設定を踏まえているのだろう。

■“よそびと”の正体は?

イスタルと呼ばれていた“よそびと”

 突如空から降ってきた謎の男“よそびと”の正体は、シーズン1では描かれていない。ただ、映画『ロード・オブ・ザ・リング』1作目で魔法使いガンダルフがモリアの坑道で言った「道に迷ったら 鼻を利かせることが大事だ」とよく似た台詞を放つので、製作陣がガンダルフを意識して描いていることは確実だ。

 しかし、彼がガンダルフではない可能性もある。トールキンの著作では、第三紀のイスタリは5人で、そのうち東方に渡った青の魔法使いが2人、中つ国にはガンダルフ、サルマン、ラダガストがいたという記述があるが、第二紀のイスタリについては書かれていない。第二紀には、第三紀の5人以外の存在がいた可能性もあるかもしれない。

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■白装束の3人組

サウロンを探していた3人組

 彼らはドラマオリジナルのキャラクター。本編では、サウロンに仕えるために彼を探していたことしか描かれないので、その正体は不明だが、かつてのサウロンの部下たちかもしれない。クレジットでの役名は、The Dweller(住民)The Nomad(遊牧民)The Ascetic(苦行者)だ。

■サウロンはなぜ人間の姿に?

実はサウロンだったハルブランド

 先述の通り、もともとサウロンはアイヌア。彼らはみな姿を変える能力を持っているので、この時期のサウロンはどんな姿にも変貌できた。トールキンの著作には、ある時にサウロンが美しく立派な容姿を選んだという記述もある。映画『ロード・オブ・ザ・リング』のような姿になったのは、後に第二紀の最後に起きた戦闘により、この能力を失ったから。

■ガラドリエルの兄&夫

ガラドリエルの夫、シーズン2に登場?

 ガラドリエルの兄フィンドロは、トールキンの著作に書かれたガラドリエルの兄3人中の長兄。サウロンと戦ったことも書かれている。ガラドリエルの夫ケレボルンもトールキンの著作にあり、本作ではセリフに出てきただけだが、映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作には登場済み。ドラマのシーズン2に登場するとの噂もある

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■バルログ

 映画『ロード・オブ・ザ・リング』第1作で旅の仲間たちがモリアの坑道で遭遇したバルログが、霧ふり山脈の奥深くに存在しているのはトールキンの著作通り。ただし著作では、バルログがドワーフと遭遇するのは第三紀のドゥリン6世の時代。ドラマに登場するエルロンドの友人はドゥリン4世なので、2代後の王の時代だ。

■三つの指輪

最終話ラストで完成した三つの指輪

 最終話に登場した3つの指輪の形と、その創作者はトールキンの著作通り。著作では、風の指輪ヴィルヤ(青の指輪)はギル=ガラドが持ち、エルロンドに譲られ、水の指輪ネンヤ(金剛石の指輪)はガラドリエルに託され、火の指輪ナルヤ(紅玉石の指輪)は灰色港の領主であるエルフのキールダンに渡され、後にガンダルフに譲られる。このキールダンはドラマ未登場だが、クリエイターコンビの一人、パトリック・マッケイがDeadlineのインタビューでシーズン2に登場すると発言している。また、最終話のスタッフクレジットで流れた歌に登場する人間の9つの指輪、ドワーフの7つの指輪、そしてサウロンの1つの指輪が創造された経緯もこれから描かれるはず。

■シーズン2に持ち越された謎

行方不明になったイシルドゥル

 まず、南方国の戦いで行方不明になったイシルドゥルはどうなったのか。王の肖像画を描いていたイシルドゥルの妹エアリエンが、パランティア(見る石)で何を目撃したのかも謎のままだ。

 そして気になるのは、オーク(彼曰くウルクの)リーダー・アダルの言葉。第4話でガラドリエルに言った「お前たちは嘘を教えられてきた。そのもつれを解くためには、新しい世界を創造するしかない」のとは何なのか。第6話の「俺がサウロンを殺した」はどんな意味なのか。この発言の背後にある、彼とサウロンの関係はこれから描かれるに違いない。

 さらに気がかりなのは、サウロンの今後の動き。「モルゴスが破れた時、俺の首を絞める手からようやく解放されたと感じた」「俺が壊したものをすべて直す」と語るこの存在は、『ロード・オブ・ザ・リング』のサウロンとはまるで別人。彼がこれから何をして、あのサウロンに変貌していくのか。それを見届けずにはいられない。

 ガラドリエルの今後、“よそびと”とノーリの旅、ブロンウィンら南方国の住民たち、ヌーメノール王国の未来と、気になる問題は山積み。シーズン2は現在、イギリスで撮影中だが、配信時期は未発表。まずは配信時期の発表を待とう。

「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」は Prime Video で独占配信中

(c)Amazon Studios

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