【完全ネタバレ】『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』がもっと楽しめる!小ネタ&オマージュ徹底解説

映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』には、『スパイダーマン』シリーズやマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)、そして原作コミック関連まで、膨大な数のイースターエッグ(小ネタ)が盛り込まれている。ここでは、項目別にその一部を紹介していく。(文・平沢薫)
※ご注意:本記事はネタバレを含みます。『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』をまだ観ていない方はご注意ください。
マーベル・コミックとのリンク
本作の最大のリンクは、これまで旧20世紀フォックスで映画化されてきた「X-MEN」シリーズの人気キャラクター、ジーン・グレイをリキャストして登場させたことだろう。他にも、原作コミック関連のイースターエッグは多い。
ジーン・グレイ
「X-MEN」出身キャラクター、ジーン・グレイ(セイディー・シンク)がMCUに初登場。コミック初登場は「X-Men #1」(1963)の古参キャラクターで、強大なテレパシー能力やテレキネシス能力を持つという設定はコミックと同じ。旧20世紀フォックス製作の映画『X-MEN』シリーズでは、ファムケ・ヤンセン(若きジーンはソフィー・ターナー)が演じた。
また色にもイースターエッグがある。コミックでは定番コスチュームの色が緑と黄の配色で、この映画のキーアイテムである、ジーンの姉サラが髪を束ねていたシュシュが緑と黄の配色なのはそれを踏まえたものだろう。
原作コミックでは、プロフェッサーX/チャールズ・エグゼビアの設立したミュータントの少年少女のための学園「恵まれし子らの学園」で学び、サイクロプスやウルヴァリンと交流する。彼らの今後のMCUでの再会はあるのか注目だ。
サラ・グレイ
コミック初登場は「X-Men #136」(1980)。サラ・グレイ(オリヴィア・ブース=フォード)はジーンの姉だが、映画と違い、結婚して子供がいる。原作では、ミュータントを憎む集団に殺されてしまう。
刑事ジーン・デウォルフ
刑事デヴォルフ(ライザ・コロン=ザヤス)はコミックにも登場。やはりニューヨーク市警の刑事で、スパイダーマンと出会い、仲間になる。初登場は「Marvel Team-Up #48」(1976)。
フォスウェル
スパイダーマンが刑事デウォルフとの電話で名前を出す「フォスウェル」は、ビッグマンという異名を持つ、ニューヨークの犯罪王フレデリック・フォスウェルのことだろう。コミック初登場は「Amazing Spider-Man #10」(1963)。
ビル・メッツガー
映画に登場する組織ダメージ・コントロール局(DODC)の長官。原作コミックでは、反ミュータント団体のリーダーとして同名キャラクターが登場する。演じたのはトラメル・ティルマン。
エンパイア・ステート大学
ピーターがブルース・バナー博士(マーク・ラファロ)を訪ねていく大学は、コミック「Amazing Spider-Man #31」(1965)で初登場。コミックでは、ピーターはこの大学に通う。
原作カバーアートのオマージュ
本編冒頭、スパイダーマンがニューヨークで暴れるヴィランと対峙する様子をまとめたモンタージュは、「スパイダーマン」原作コミックの表紙を再現したオマージュカットとなっている。スパイダーマンが対峙しているヴィランは、以下の4名だ。
トゥームストーン(石のような肌のヴィラン)「Spectacular Spider-Man #142」
ブーメラン(ブーメランが武器の暗殺者)「Amazing Spider-Man #345」
タランチュラ(南米出身の凄腕の傭兵)「Amazing Spider-Man #134」
ラムロッド(鋼鉄の身体を持つサイボーグ)「Amazing Spider-Man #221」
『スパイダーマン』シリーズとのリンク
本作は、前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)の出来事から4年後を描くストーリーなので、トム・ホランド主演の『スパイダーマン』シリーズとのリンクは多い。冒頭のマーベル・スタジオのロゴには、これまでのピーター・パーカー(トム)とMJ(ゼンデイヤ)、ネッド(ジェイコブ・バタロン)の思い出のシーンが次々に映し出される。ピーターが大事にしている、コーヒーカップとその中の手紙も前作に登場したもの。ラストシーンのピーターとネッドのハンドシェイクは、第1作『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)からしていた2人の秘密のあいさつだ。
MJのネックレス
ピーターがパーティで数年ぶりにMJと対面する時、彼女がしている黒い花のペンダントトップの首飾りは、2作目『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)でピーターが彼女に贈ったもの。
「親愛なる隣人」
MJがパーティで出会ったピーターを「親愛なる隣人」と呼ぶと、ピーターは思わずむせる。MJは言葉通りの意味で言っているが、ご存知の通り「親愛なる隣人」はスパイダーマンのニックネームだ。
LEGO『スター・ウォーズ』
ピーターとネッドは『スター・ウォーズ』の大ファンで、一緒にLEGOのデス・スターを作ると約束していた。『ホームカミング』でネッドがピーターがスパイダーマンだと知って驚いた時、作成中のデス・スターを落としてしまう。また『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のラストでは、ピーターがそのLEGOのセット部品らしい銀河皇帝のミニフィギュアを持っていることが描かれた。
そのLEGOが本作にも登場しており、銀河皇帝のフィギュアがピーターの机の上に置いてあることが確認できる。また、ピーターがパーティでネットの部屋に迷い込むと、その机の上には同じセットに入っていたらしいLEGOのチューバッカがある。その後、ピーターがMJに誘われて部屋を訪れた時、ネッドが見ていたのは『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』。親しくなった2人が一緒に作っているのは、LEGOのX-ウィングだ。
スコーピオン/マック・ガーガン
冒頭でスパイダーマンと戦うスコーピオン/マック・ガーガン(マイケル・マンド)は、『スパイダーマン:ホームカミング』 にも登場。この時はスコーピオンには変身せず、ヴァルチャー(マイケル・キートン)との違法武器取引現場でスパイダーマンに逮捕された。本作でのバトルシーンの構図は、コミック「Spider-Man Adventures #2」(1994)のオマージュだ。
ミステリオ
ピーターがブラック・ウィドウ/エレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー)のオフィスを訪ねたとき、彼女が「あんたと10人のミステリオ(ジェイク・ギレンホール)」のファンアートを見たと言う。ミステリオは『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のヴィランだ。
ピーター2
遺伝子変化が起きたピーターは、クモの糸がうまく出せなくなり「ピーター2みたいに」と言って、ウェブシューターを使わずに直接手首から発射しようとする。その「ピーター2」とは、前作『ノー・ウェイ・ホーム』で歴代スパイダーマン3人が集まったとき、トビー・マグワイア版を「ピーター2」、アンドリュー・ガーフィールド版を「ピーター3」と呼んだことを踏まえたもの。この時のクモの糸を出すシーンは、マグワイア版第1作『スパイダーマン』(2001)で彼がウェブスリングの練習をするシーンに似ている。
「スパイディ・トラッカー」の着信音
ネッドが作ったスパイダーマンの出現場所を表示するアプリ「スパイディ・トラッカー」の着信音は、最初のTVアニメ版「スパイダーマン」(1967~1970)のテーマソング。このメロディは、ガーフィールド版第2作『アメイジング・スパイダーマン2』(2014)ではピーターのスマホの着信音になっていた。
ダメージ・コントロール局
この組織は『スパイダーマン:ホームカミング』でMCU初登場した、スーパーヒーローやスーパーヴィランへの対応に特化した連邦政府機関。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ではスパイダーマンを逮捕しようとする。
コミック初登場は「Marvel Age Annual #4」(1988)。「ダメージ・コントロール」という組織名は映画と同じだが、仕事内容はまるで別。スーパーヒーローたちによる建物など物質的損害を修復する組織となっている。
歴代スパイダーマンにオマージュを捧げた新スーツ
今回のスパイダーマンのスーツのデザインや素材には、歴代スパイダーマンのスーツのオマージュが込められている。
MCUとのリンク
MCUで活躍するヒーローたちが、『スパイダーマン』シリーズに結集することも本作の見どころだ。ハルク/ブルース・バナーは元祖アベンジャーズのメンバー。ブラック・ウィドウ/エレーナ・ベロワは自分の所属するチームを「ニュー・アベンジャーズ」と呼ぶが、その名称は『サンダーボルツ*』(2025)で誕生したもの。また、パニッシャー/フランク・キャッスル(ジョーン・バーンサル)や、忍者集団ザ・ハンドは、Netflixのマーベルドラマ「デアデビル」出身。他にもMCUとのリンクが複数盛り込まれている。
ニューヨーク決戦
スパイダーマンが街で遭遇したツアーバスでは、ガイドが観光客に「ニューヨーク決戦で壊されましたが」と説明をしている。ニューヨーク決戦とは、『アベンジャーズ』(2012)でアベンジャーズとロキ(トム・ヒドルストン)率いる異性生物チタウリの軍団との大規模な戦闘のこと。
キングピンのポスター
ピーターが落下した路地裏にあるゴミ箱に、ドラマ「デアデビル」「デアデビル:ボーン・アゲイン」のヴィラン、キングピン/ウィルソン・フィスク(ヴィンセント・ドノフリオ)のポスターが貼ってある。
シーラ・リベラ市長
冒頭のモンタージュで、スパイダーマンを表彰しているニューヨークの市長シーラ・リベラ(サブリナ・ゲバラ)は、「デアデビル:ボーン・アゲイン」ではキングピンの主席補佐官だが、彼が同ドラマのシーズン2最終話でNYを去ったため、今は市長になっているようだ。
その他の小ネタ
ピーターとネッドが、一緒にレゴを組み立てながらセリフを引用し合うのは、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の第1作(2001)の冒頭付近に登場するフロドとガンダルフの会話だ。2人のオタクぶりがよくわかる。
EVの声
ピーターの新たなAIアシスタント「EV」の声を担当しているのは『21グラム』(2003)や『マルホランド・ドライブ』(2001)のナオミ・ワッツ。ピーター役のトム・ホランドとは『インポッシブル』(2012)で共演し、母と息子を演じていた。
MJのボーイフレンド
ピーターがパーティで見かけるMJのボーイフレンドを演じているのは、『スター・ウォーズ』ファンなら見覚えがあるかもしれない。彼はドラマ「スター・ウォーズ:アソーカ」で、アニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」の主人公エズラ・ブリッシャーの実写版を演じているエマン・エスファンディ。本作の役名が「ボーイフレンド」なので、重要なキャラクターではなさそう?
「NARUTO-ナルト-」
ネッドの部屋の壁に日本のアニメ「NARUTO-ナルト-」のポスターが貼ってあるのは、ネッドもオタク気質を考えると意外ではないが、これは本作の監督デスティン・ダニエル・クレットンにまつわるセルフオマージュ。クレットン監督は、「NARUTO-ナルト-」ハリウッド実写版を監督することが発表されている。
ポストクレジット・シーンの意味
ネッドが開発したアプリ「スパイディ・トラッカー」が表示するスパイダーマンの出現場所は、なんと地球ではなく宇宙のどこかだ。これはスパイダーマンが、映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』(12月18日日米同時公開)もしくは続編『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ(原題)』(2027年12月17日全米公開)に登場するという予告だろう。
スパイダーマンの『ドゥームズデイ』登場はアナウンスされていないが、『ブランド・ニュー・デイ』の大ヒットを受けて、サプライズ参戦という可能性も捨てきれない。スパイダーマンの次なる活躍が待ち遠しい。
映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は全国公開中
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