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『アバレンジャー20th』5人で集まれた奇跡 西興一朗x富田翔x阿部薫x田中幸太朗、ダイノガッツみなぎる座談会

 スーパー戦隊シリーズ第27弾「爆竜戦隊アバレンジャー」(2003~2004)が、完全新作Vシネクスト『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』で20年ぶりに復活を果たした。20周年で再集結した西興一朗(アバレッド/伯亜凌駕役)、富田翔(アバレブルー/三条幸人役)、阿部薫(アバレブラック/アスカ役)、田中幸太朗(アバレキラー/仲代壬琴役)がインタビューに応じ、アバレンジャーへの思いや、テレビシリーズ当時の印象的な裏話を語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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壮大なドッキリかもしれない?

Q:「アバレンジャー」20周年おめでとうございます。待望の周年作品、キャストの皆さんはどのような思いで挑みましたか?

西興一朗(以降、西):『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』は自分たち発信で作った作品なので、はじめから「やるぞ!」という気持ちで臨みました。

富田翔(以降、富田):僕たちは10周年作品ができなかったので「もう絶対できないのかな……」と思っていたところ、西くんが中心になって動いてくれました。全員で集まれたことが奇跡です。映画の撮影が始まる時、ようやく実感が湧いてきました。

西:さすがに、今は20周年作品やるって信じているでしょ?

富田:まだ映画が公開されてないから、信じてないよ(笑)。

阿部薫(以降、阿部):もしかしたら、上映しないかも(笑)?

西:めちゃくちゃ予算を注ぎ込んだ、壮大なドッキリかもしれない(笑)!

Q:本作は、昨年の東京国際映画祭でサプライズ発表されました。会場で特報が流れると、「アバレンジャー」を応援してきたファンの方々が号泣している姿も見られました。

西:ファンの方たちが「アバレンジャー」は周年作品ないかも……と思っていたことが逆に良かったのかもしれないです。正直、僕たちも泣きそうでした。

田中幸太朗(以降、田中):会場に来てくださったお客さまも、結構泣いていたよね。「こんなに感激してくれるんだ!」ってこっちも感激しました。

阿部:ブラキオ(爆竜ブラキオサウルス)の「君は、覚えているブラか?」はヤバかったよね。

西:(アスカの)相方だったから、僕たちとはまた違う気持ちもあったんじゃない?

富田:アスカは涙もろい設定だから、それを薫が出してくれたことで、他のメンバーも少しウルッときてしまったよね。

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5人揃うことは本当に奇跡

Q:すでに芸能界を引退されている、いとうあいこさん(樹らんる/アバレイエロー役)も本作限定で復帰しており、久々にアバレンジャー5人が揃いました。

西:アバレンジャーって、なかなか5人揃うことがなかったんですよね。

富田:当時はアバレキラーが途中まで仲間ではなかったですし、今回も取材を受ける時に一人いないし……でも、それがアバレンジャーっぽい。5人の姿を観ることができるのは映画館だけだから、本当にレアだよね。

Q:この20年間、プライベートで連絡を取り合ったり、5人で会う機会はありましたか?

西:不思議なことに、「この日飲もうよ!」と5人で連絡を取ったとしたら、誰か一人がスケジュールの都合で来られないとか、5人揃うことがないんです。

阿部:確かに、この20年間みんなで会うことはあまりなかったよね。

西:だから、5人揃った姿は『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』でしか観ることができません!

田中:いとうさんが女優として演技するのは、これが最後かもしれないよね?

西:そう! だから5人揃うことは本当に奇跡なんです。

20年越しに実現した5人での変身バンク

Q:5人揃うといえば、アバレキラーも合わせた5人での変身バンク(変身シーン)も20年越しに実現しました。

田中:変身バンクの撮影をやったことがなかったので、「やり方がわかんない……」って戸惑っていました(笑)。

富田:初号試写で本編を観た時は、気にならないくらい自然だった!

西:俺、今初めて知ったもん(笑)!

富田:テレビシリーズ当時は縦割りで4分割だったからね。5人での変身バンクは、やはり感動ポイントです。

Q:テレビシリーズで伯亜舞を演じていた坂野真弥さんも、当時と同じ役で復帰を果たしました。成長した舞ちゃんと再会した感想は?

西:僕たちも舞ちゃんとは長らく会っていなかったので、撮影現場で初めて成長した姿を見ました。

田中:最初(舞ちゃんだと)わからなくて、現場で「おはようございます!」と言われた時、距離感が掴みづらかった(笑)。

西:新人の女子アナさんが、番組でインタビューに来ているのかなと思ったよね。そしたら、なんと舞ちゃんだったの!

阿部:20年間の成長をめちゃくちゃ感じたよね。

西:子供から大人は全然違うからね……。俺たちは青年から中年に変わっただけだから(笑)。

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子役時代の神木隆之介も出演!20年前のエピソード

Q:(田中さん&西さんへ)テレビシリーズ第20話「キラーオー、アバレ初め!」では、アバレキラーが名乗り中のアバレッドを攻撃するという、ヒーロー作品では前代未聞のシーンが誕生しました。

田中:台本をいただいた時は、めちゃくちゃ嬉しかったです。絶対にやってはいけないことができるのは「アバレンジャー」ならではですし、名乗り中に攻撃するアバレキラーがすばらしいと思いました。

西:水戸黄門さまが印籠を出している時に攻撃することと同じですからね(笑)!

Q:(富田さんへ)第36話「初恋アバレミラクル」では、子役時代の神木隆之介さんが、人間態のトリケラ(爆竜トリケラトプス)役で出演しました。神木さんとの共演で印象的だったことは?

富田:トリケラが子供になる回を知って、「ゲストは誰がいいですか?」と言われたので、神木隆之介くんと答えたんです。まさか、本当に実現するとは思ってなくて……。神木くんも「アバレンジャー」の大ファンだったので、現場もすごく楽しかったです。

西:その回で、翔がカッコよかったエピソードがあります。神木くんはものすごくリアルなお芝居で、セリフとかも細かく刻んでいたのですが、当時はアフレコだったから、翔が「(アフレコ)大変になるよ」って神木くんに教えてあげていたんです。神木くんも賢いから「あっ、そうだ!」ってすぐに直っていました。

Q:(阿部さんへ)アスカといえば、ジャンヌ/マホロ(桜井映里)との関係性が印象的です。第32話「アバレ爆竜フルスロットル」などでは、二人で斬り合うシーンも登場しました。改めて二人のシーンを振り返って思うことはありますか?

阿部:映里ちゃんは優しい子で、斬る時も「当たったら怖い」と少し気を遣っていました。僕も「もう本気で当てていいよ」と言って、本気のぶつかり合いをしていました。

富田:バスの中でも、二人ですごく話し合っていたよね。

阿部:ジャンヌが斬りつけるところは「もっと本気で来てくれ」って、部屋を借り切ってすごく練習していました。映里ちゃんも本気を出してくれて、当時は失敗しちゃいけないくらいの勢いで、ピリついていたこともありました。

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観たままのアバレンジャーを感じてほしい

Q:「アバレンジャー」と同じく20周年を迎えた「仮面ライダー555(ファイズ)」キャストとの交流は、当時からありましたか?

西:別作品の撮影現場で、半田(健人)くん、村上(幸平)くん、唐橋(充)くんとかに会って話すことはあったけど、当時は映画の舞台挨拶くらいしか一緒にならなかったよね。

富田:僕は特に「555」メンバーと仲が良くて、一緒に祭りに行ったこともあります。泉政行くん(木場勇治役)は、ドラマ「ごくせん」で仲良くなった親友。そんな二人がニチアサ(注:テレビ朝日系で日曜日朝に放送されるアニメや特撮番組の愛称)に同時に受かったので、すごく交流を深めていました。

西:「仮面ライダー555」も20周年おめでとうございます! 仮面ライダーとスーパー戦隊が同時に20周年作品を発表するのは、史上初だよね?(注:「仮面ライダー555」の新作Vシネクスト『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』は2024年期間限定上映)

阿部:すごいよね!

Q:『アバレンジャー20th』で初めてアバレンジャーに触れる子供たちも、中にはいらっしゃいます。「アバレンジャー」世代ではない子供たちには、本作をどのように楽しんでほしいですか?

西:観たままのアバレンジャーを感じてほしいです!

田中:観てもらうところまでがハードル高いと思うよね。観てもらえれば、僕たちの魅力をわかってもらえると思いますし、そのハードルは何とかして越えたいです。子供たちが全く知らないスーパー戦隊にスッと入ることは難しいと思うので、お母さんやお父さんの力を借りて、ぜひ観ていただきたいです。

西:子供たちが確実に喜ぶワードもいっぱい入っているからね! みんなを置いてけぼりにはしない作品になっています。

阿部:子供たちが映画館に行く時は大人が一緒だと思うので、是非大人の皆さんには「アバレンジャーおもしろい!」と感想をたくさん呟いていただいて、それが子供たちの目に留まって、映画を観るきっかけになってくれると嬉しいです。

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 4人に宿るダイノガッツ(アバレンジャーの力の源)は、テレビシリーズから20年が経過しても消えることはない。インタビューでは、20年間暴れられなかった鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、ダイノガッツをたぎらせた彼らが爆笑トークを繰り広げていた。令和で復活したアバレンジャーが、再びアナザーアースで活躍する日はもう間もなくだ。

Vシネクスト『爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ』は9月1日より新宿バルト9ほかで期間限定上映、Blu-ray&DVDは2024年3月27日発売

(C) 2023 東映ビデオ・バンダイ・東映AG・東映 (C) 東映

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