「アバレンジャー」これが最後という気持ちで…西興一朗、20年ぶり新作に全力注ぐ
20周年を迎えた特撮ドラマ「爆竜戦隊アバレンジャー」（2003～2004）で主演を務めた西興一朗（アバレッド／伯亜凌駕役）が17日、新宿バルト9で行われたVシネクスト『爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ』の完成披露舞台あいさつに出席し、20年ぶりに再集結したアバレンジャーへの思いを語った。この日は、メインキャストの富田翔（アバレブルー／三条幸人役）、阿部薫（アバレブラック／アスカ役）、田中幸太朗（アバレキラー／仲代壬琴役）、坂野真弥（伯亜舞役）、木村ひさし監督も来場した。
「爆竜戦隊アバレンジャー」は、爆竜と心を通わせることができる若者たちと、異次元にある別の地球「ダイノアース」からやってきた侵略者エヴォリアンの戦いを描いたスーパー戦隊シリーズ第27弾。完全新作となるVシネクストでは、当時のキャストが再集結し、アバレンジャーの新たな戦いが描かれる。
すでに芸能界を引退しているいとうあいこ（樹らんる／アバレイエロー役）は欠席となったが、木村監督が「アバレイエロー代理！」と名乗りをあげると、おもむろにシャツのボタンを外し、アバレイエローがプリントされたシャツを披露した。
その後、西が改めて観客に「面白かったですか？」「アバレンジャーでしたか？」と問いかけると、観客は大きな歓声と拍手で返答する。続けて西は、「元気ですか！」となぜかアントニオ猪木風に呼びかけ、会場全員で「1、2、3、ダー！」と大合唱。自由奔放なアバレンジャーのスタイルで、会場は大盛り上がりとなった。
本編を鑑賞したばかりの観客を前にした西は、「今日は初めてお客さまに観ていただいたので、さっきからソワソワしていたんですけど、面白かったという声が聞けてすごく安心しています」と語ると、隣にいた田中が「“甘味料（感無量）”というやつですか？」とダジャレで続く。西にその意味が伝わっていないと思ったのか、田中が「感無量……」と西の耳元で耳打ちする姿に会場は大爆笑。富田からは「そんなに面白くないボケをする？」とツッコミを受けていた。
そんな中、阿部が「発表から今日まで10か月くらいですかね。長かったんですけど、その間にみんなとLINEのやり取りも多くて、公開まで『アバレンジャー』を意識しながら生活していたので、見せることができてうれしく思います」としみじみ語ると、田中も「やっとこの日が来たかという感じですよ……」と同調。“甘味料”を期待する周囲からの圧力に「もう言わないですよ」と笑ってみせた。そんなワチャワチャしたキャストの姿を見た木村監督は、「めちゃめちゃ楽しかったです。皆さん真面目にやられたと思うけど、僕は毎日（東京ドームシティでヒーローショーを開催している）Gロッソに通っていたような気分でした」と撮影を振り返った。
20周年作品ということで、さらなる続編に期待の声も上がっているが、プロデューサーも兼任する西は「正直に言うと、今回の20thに全力を注ぎました。この5人で見られるのは今回が最後という気持ちでやらせていただきました。ただ未来なんてわかりません。僕らは20年後にアバレンジャーになるなんて思ってなかったですから。だから皆さんの気持ち、ダイノガッツ（アバレンジャーの力の源）が東映さんに届けば、また皆さんにお会いできる日が来るかもしれません」と観客に呼びかける。
「また観たいですかね？ アバレンジャー」と西が問いかけると、客席から大歓声が。4人そろって変身ポーズも披露するなど、会場を大いに盛り上げた。
イベントには、当時子役だった坂野もサプライズ登場。田中が「ちなみにアバレンジャーに出たのは何年ぶりですか？」と坂野に尋ねると、キャスト全員から「20年ぶりだよ！」と総ツッコミ。久々に“舞ちゃん”を抱っこした当時を思い出した西が感激の思いに浸っている中、田中は「どんな気持ちですか？」と西に問いかけるなど、やはり“甘味料（感無量）”を引き出そうとしていた。（取材・文：壬生智裕）
Vシネクスト『爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ』は2023年9月1日より新宿バルト9ほかで期間限定上映、Blu-ray＆DVDは2024年3月27日発売
