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【ネタバレあり】「スター・ウォーズ:アソーカ」は何を描いた?まとめて総復習!

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 『スター・ウォーズ』の新たな実写ドラマシリーズ「スター・ウォーズ:アソーカ」シーズン1(全8話)が完結した。本作はいったいどんなドラマだったのか。あのアイテム、あのセリフにはどんな意味があったのか。シーズン全話をまとめて振り返る。(平沢薫)

※この記事は「スター・ウォーズ:アソーカ」のネタバレを含みます。シリーズ視聴後にお読みいただくことをおすすめします。

アニメキャラが続々と実写に

再び師弟関係となるアソーカとサビーヌ・レン

「アソーカ」の物語は、アニメ「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」「スター・ウォーズ 反乱者たち」につながっている。それは、主要登場人物が共通していることからもよくわかる。

 そもそも主人公のアソーカ(ロザリオ・ドーソン)は「クローン・ウォーズ」の主要人物。そして、アニメ「反乱者たち」の中心人物となる改造型貨物船ゴーストの乗組員たち、ヘラ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)、サビーヌ(ナターシャ・リュー・ボルディッゾ)、エズラ(エマン・エスファンディ)、ドロイドのチョッパー、ヘラの息子ジェイセン(エヴァン・ウィッテン)は、みな本作の主要キャラとして登場。敵のラスボス、スローン大提督ラース・ミケルセン)も「反乱者たち」の重要キャラだ。

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ヘラ・シンドゥーラの活躍もアニメファンには嬉しい

 さらに、本作のアソーカの相棒、ドロイドのヒュイヤン(声:デヴィッド・テナント)は、「クローン・ウォーズ」シーズン5の第7~9話で、ジェダイ見習いの子供達にライトセーバーの作り方を教えるサブキャラだったが、今回は主要キャラとして大活躍する。

大活躍するドロイドのヒュイヤン

 それだけではなく、アニメのキャラがあちこちに。第1話の惑星ロザルの式典で群衆にあいさつをするライダー・アザディ総督(クランシー・ブラウン)も、時間繋ぎを命じられるジャイ・ケル議員(ヴィニー・トーマス)も「反乱者たち」のキャラ。また、第3話ではホログラムで、第7話ではコルサントでの会議で登場する新共和国評議会のハマト・ジオノ議員(ネルソン・リー)は、アニメ「スター・ウォーズ レジスタンス」の主人公カズーダ・ジオノの父親だ。

第5話に登場したアナキンと幼少期のアソーカ

 また、第5話で少女時代のアソーカ(アリアナ・グリーンブラッド)が実写で登場したのは嬉しいサプライズ。これをアニメのイメージ通りに演じたグリーンブラットは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でガモーラの少女時代を演じ、大ヒット映画『バービー』にも出演する人気女優。彼女の登場するクローン戦争時代のシーンには「クローン・ウォーズ」「反乱者たち」に登場するクローン兵、キャプテン・レックスも。その声は、ジャンゴ・フェット、そしてボバ・フェット俳優としておなじみのテムエラ・モリソンが担当している。

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本家シリーズとリンクする実写キャラも登場

 本作はアニメだけでなく、実写映画版『スター・ウォーズ』ともがっつりリンクしている。それも登場人物からも見て取れる。まず、共和国議員モン・モスマ(ジェネヴィーヴ・オライリー)が、「キャシアン・アンドー」に続いて登場。私生活でも『スター・ウォーズ』マニアだというカナダ俳優ポール・サン=ヒョンジュ・リーが演じる共和国パイロット、カーソン・テヴァ大尉が「マンダロリアン」「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」から続投する。

様々な表情を見せるアナキン

 もちろん、本家シリーズの主要キャラたちも。ヘイデン・クリステンセンは、ダース・ベイダーとしてではなく、アナキン・スカイウォーカーとして、「反乱者たち」シーズン4第13話「世界の狭間の世界」に登場した"狭間の世界"や訓練ホログラム、フォース・ゴーストと、さまざまな姿で登場。

C-3POまで登場した

 また、レイア(キャリー・フィッシャー)はそこかしこに名前だけ登場、第5話ではヘラの任務は"オーガナ議員"が許可したという発言、第7話ではレイア・オーガナが新共和国の防衛委員会にいることが語られる。その第7話には、レイアの代理としてC-3POまで登場し、本家シリーズと同じくアンソニー・ダニエルズが演技と声の双方を担当している。

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超重要キーワードが再登場!

 こうしてアニメシリーズ、本家実写シリーズの双方と直結したうえで、このシリーズは『スター・ウォーズ』の宇宙に、新たな領域を開拓しようとしている。それを象徴するキーワードは2つ。どちらもすでにアニメシリーズに登場しているが、このシリーズによってクローズアップされた。

スローンに協力していたグレート・マザー

 まず一つ目のキーワードは"ダソミアの魔女"。第1話で、本作のヴィランである「マンダロリアン」シーズン2の第5話でアソーカと戦った元帝国軍人モーガン・エルズベス(ディアナ・リー・イノサント)が、この一族であることが判明する。第6話ではこの一族の指導者"グレート・マザー"の3人がスローン大提督に協力していることが判明し、最終話では大提督と共に彼女たちの故郷の惑星ダソミアを目指す。

 このダソミアの魔女の存在が、『スター・ウォーズ』の世界を根底から変えるかもしれない。『スター・ウォーズ』は「クローン・ウォーズ」シーズン3の第12話に初登場した一族で、別名をナイトシスターという。彼女たちは、フォースとはまったく異なるエネルギーを使い、それを闇の魔術(ダーク・マジック)と呼ぶ。つまり、彼らはフォースとは関係がない。これまでの『スター・ウォーズ』では、フォースの光明面(ライトサイド)と暗黒面(ダークサイド)の戦いが描かれてきたが、今後は、フォースがそれとはまったく異なるパワーと共存する世界が描かれるのかもしれないのだ。

 ちなみに「クローン・ウォーズ」に登場したダソミアの魔女のリーダーの名は、タルジン。本作の最終話で、モーガンがグレート・マザーから与えられる緑色の炎の剣、"タルジンの剣"は、このダルジンが持っていたもので、彼女はこの剣でメイス・ウィンドゥと戦った。

ベイラン・スコールの目的とは一体?

 そして、もう一つのキーワードが、"モーティスの神々"。最終話で、ベイラン・スコール(レイ・スティーヴンソン)の背後に見える山に彫られた巨大な彫像は、ジェダイ寺院の壁画"モーティスの神々"のように見える。この壁画は「反乱者たち」シーズン4第12話、同第13話に登場。古代のジェダイ寺院に描かれた壁画で、今は何を意味するのか不明になっているが、エズラはこの壁画を入り口にして、時間にも空間にも制約されない異世界、狭間の世界に入る。この世界は、ドラマ第4話の終盤と第5話で、アソーカが若きアナキンと再会した世界。時間にも空間にも制約されない場所のため、アソーカはここで、さまざまな時代を体験した。

 この"モーティスの神々"の彫像は、ベイランが第2話で弟子シン・ハティ(イヴァンナ・ザクノ)に、自分たちには何が得られるのかと問われて答えた「夢にさえ見たことがない強大な力」に関係しているのではないか。この壁画とベイランの関係には、もう一つ気になることがある。「反乱者たち」では壁画に狼たちも描かれており、エズラはこの狼たちに誘導されて、狭間の世界への入り口を見つけるが、ベイランの名字スコールと、弟子の名前ハティは、北欧神話に登場する狼の名前なのだ。ベイランを演じる俳優レイ・スティーヴンソンは本年5月に惜しくも亡くなってしまったが、彼の物語はこれからも続く予定だったのではないかと想像してしまう。

 ちなみに、モーティスと呼ばれる謎の聖域は「クローン・ウォーズ」シーズン3の第15~17話にも登場する。アソーカは、ここで暮らす父、息子、娘の対立に巻き込まれた。そして、ドラマ最終話のラスト近く、アソーカは鳥が飛び立つのを見るが、この鳥はおそらく"モーティスの神々"の壁画にも描かれている鳥、モライ。この鳥は「クローン・ウォーズ」「反乱者たち」でもアソーカを見守っている。

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木剣ジェダイ!新用語が宇宙をさらに広げる

ベイランは弟子のシン・ハティに、彼女は木剣ジェダイではなく「ジェダイ以上を教えた」と伝えた。

 本作初登場の新たなアイテムも、『スター・ウォーズ』の世界を広げてくれた。宇宙の広さをいきなり拡大したのが、スローン大提督が流れ着いた惑星ペリディア。何とこの惑星は<別の銀河>の中に存在する。その惑星に辿り着くための、巨大なハイパースペース・リンク、シオンの目も初登場する。

 また、第6話では、木剣ジェダイというジェダイの概念を広げる用語が登場した。ベイランが、全ジェダイ抹殺指令オーダー66の後、ジェダイ・テンプル以外の場所でフォースを学んだジェダイをボッケン・ジェダイと呼ぶ。ジェダイという語が「時代劇」から引用されたことを思うと、ボッケンは「木剣」からきているのかもしれない。

 そして、ストームトルーパーの概念も拡大し、ナイト・トルーパーが新登場。第6話でスローン大提督が、彼の配下のトルーパーたちをこう呼ぶのだ。そのリーダー、イノックも初登場。トルーパーに似た姿だが、ヘルメットに人間の顔面のような金属が嵌め込まれている。

懐かしのコールサインも登場!今回も小ネタ満載

 そしてもちろん、小ネタもたっぷり。第1話で、フュイアンが船のコールサインを聞かれて答えるフルクラムというワードは、アソーカが「反乱者たち」で使っていたコールサイン。そして、彼らがドッキングする宇宙船のコールサイン、ホーム・ワンは、『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』のアクバー提督の船。この船は「反乱者たち」にも出てくる。

 「反乱者たち」最終話でスローン大提督とエズラが乗った船と共に去った宇宙クジラ、パーギルは、「マンダロリアン」チャプター17でシルエットだけ見えたが、第3話で雄大な全身を披露する。第4話で、ヘラのコールサインがフェニックス・リーダーだとわかるが、フェニックス中隊は「反乱者たち」でヘラたちと一緒に行動していたスターファイター部隊の名称だ。

エズラとサビーヌの再会も胸アツなイベント

 そして、セリフにも小ネタあり。第4話で、ヘラとジェダイのケイナン・ジャラスとの間の息子、ジェイセンが「何だかイヤな予感がする」というが、これはシリーズ第1作『スター・ウォーズ/新たなる希望』でルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)が言って以来、この宇宙でお約束のセリフ。

 第6話で、ヒュイヤンがアソーカに銀河の歴史を語り始める時の「遠い昔 はるかかなたの銀河系で…」も、シリーズ第1作冒頭のテロップ以来、何度も登場する名文句。ヒュイアンが、この歴史にはパート1から3まであると言うのは映画の3つの三部作を連想させるが、するとアソーカが「最高なのはもちろん、パート1」と言うのは、彼女が師匠のアナキンと一緒に活躍した時代を描いているのが、パート1に当たる新三部作だからだろうか。

 最終話で、アソーカがサビーヌにジェダイの訓練を続けているかと聞くと、サビーヌが「やろうとしてる(I try)」と言ってから「やってる(I do)」と言い直すのは、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』訓練中のルークへのヨーダの名言「やるか、やらないかだ。やってみる、はない(Do. Or do not. There is no try.)」を思い出させる。また、このエピソードで、サビーヌが落としたライトセーバーをフォースで拾うシーンは、『帝国の逆襲』でワンパに襲われたルークが同じことをしたのを連想させる。

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それぞれの新たな旅の行方は?

 また本作は、人間ドラマの面でも、これまでとは違うアプローチを試みている。本家シリーズは「親と子の物語」だが、本作は「師匠と弟子の物語」だ。本作には、アナキンとアソーカ、アソーカとサビーヌ、そして、ベイランとシン・ハティ、グレート・マザーとモーガン・エルスベスと、何組もの師匠と弟子が登場し、それぞれが異なる在り方を見せる。そして、これからアソーカとサビーヌの物語がどうなるのかを、見届けたくなる。

スローンのこれからの動きは?

 最終話のラストでは、誰もが新たな旅に出る。惑星ペリディアに残されたアソーカとサビーヌは船の荷物を積み終えた。再会したヘラとエズラは新たな行動を始めるだろう。スローン大提督とグレート・マザーは惑星ダソミアに向かっている。シン・ハティはサビーヌを襲った落武者たちのような集団と新たな目的を見つけそうだ。そしてベイランも何かを企てている。シーズン2では、今回以上に大きな物語が動き出し、スター・ウォーズ宇宙がより広大さを増していきそうな予感がする。

「スター・ウォーズ:アソーカ」ディズニープラスにて独占配信中
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